タイトル

天文計算

タイトル

1,天文年鑑 天文ファンなら普通もっている本について
2,時間 時間の合わせ方 通日 ユリウス歴
3,惑星の軌道 日心座標 地心座標 黄経・黄緯 太陽の赤道直交座標 デカルト座標 極座標
4,その他 色指数

このページは、Javascriptを用いています。


1,天文年鑑

天文年鑑は、天文ファンならほとんど誰でもがもっている本です。
内容は、天文現象や天体のデータが中心です。
毎年出版されていて、日食,月食情報も載っています。
結構専門的な内容までつっこんで書いてあります。
天文計算をする上で不可欠な本といえます。
この本については以下の通りです。

本のイメージ

本 名 天文年鑑1998年版
出版社 誠文堂新光社
発行日 1997/11/25
価 格 定価800円(税別)

この本は、普通の本屋においてあることが意外とあります。
ないときは注文しましょう。
私は、書泉ブックタワーで購入しました。

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2,時間

時間の合わせ方

時間を合わせるには次の方法があります。

●117番

電話で117番に電話すると有料で時報が聞けます。
1秒ごとに「チッチッ」という音が入り、
10秒ごとに「XX時XX分XX秒をお知らせします。」
という音声が入ります。
精度は、0.05秒以内です。

●短波

茨城県三和町からJJYが発射されています。
周波数は、5 8 10MHzです。
なお、このJJYは2001年3月31日で廃止されることが決まっています。
今後は、周波数40KHz、出力50kWの長波に移行します。
時刻の発射の精度は0.1msですが、相対論的効果より、
茨城県三和町から300km離れるごとに1msの時間の遅れが
観測されますので、それを補正する必要があります。(観測する地域固有の値)

信号は以下のスケジュールで放送されています。(数字は分単位)

0〜5 20〜25 40〜45
5〜9 25〜29 45〜49
9〜10 29〜30 49〜50
10〜15 30〜35 50〜55
15〜19 35〜39 55〜59
19〜20 39〜40 59〜60
    分秒信号と1kHz変調
    分秒信号
    分秒信号と認識符号
    停波

●GPS

GPSだと、精度は0.1μsです。
ただし、閏秒は挿入されません。

●TV

最も一般的な方法です。精度は1ms以内です。


年通日

日常、我々が使っている時間は月日時分秒ですが、それぞれ単位というものがあり
一貫性がありません。通日は1月0日を1日として月日時分秒をXX日で表そうとしたものです。
だから、「今日この時間はは210.3512日」といったようになります。
求め方は天文年鑑などに載っています。

実は、1月0日を第0日として計算する方法もあって
通日から−1日をすることがあります。(天文年鑑の「毎月の空」など)

[2.98]=2 の様に[ ]は整数のみを取り出す記号とします。

P=月−1

Q=[(月+7)/10]

R=[年/4 − [年/4] +0.77]

S=[P×0.55−0.33]  として


T=30×P+Q(S−R)+P(1−Q)+日+1

このようにして通日Tが求まります。さらに、

時間/24 + 分/1440 + 秒/86400

を先ほどの通日Tに足せば、時分秒まで通日で表せます。


ユリウス日

ユリウス日は、BC4713年1月1日の12時を0日としています。
これは地球的なものです。よって時間はGMTを用いるので
日本時間からは9時間を引く必要があります。
ちなみに、1997年の1月1日正午(世界時)のユリウス日は
2450449日です。通日を用いると

ユリウス日(JD)=2450449−2+通日

で、計算できます。

しかし、これをGMTに修正したり、GMT上でも12時に日付が変わったりと面倒です。

●修正ユリウス日

ユリウスの数が余りにも大きいので日常的に使いやすくしたのが
修正ユリウス日です。変換式は

修正ユリウス日(MJD)=ユリウス日−2400000.5

ちなみに、1997年の1月1日0時(世界時)の修正ユリウス日は
50449日です。

詳細は以下のJavaScriptの構文を参考にしてください。
NNやMSIEだと実行できます。

※日本時間で、通日は0時に、ユリウス日は21時に、MJDは9時に変わります。

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3,惑星の軌道

日心座標とは、太陽を中心とした惑星の位置です。
一方、地心座標とは、地球を中心とした座標です。
一般によく使う「赤経」や「赤緯」は、実は、地心座標です。

以下のstepで惑星の位置を求めることができます。

日心座標

日心座標とは、太陽から見て座標を決めたものです。
これは、黄経、黄緯で表し、単位は赤経、赤緯のときと同じです。
黄経とは、春分点の方向(魚座)から
反時計回り(牡牛、双子座の向き)に24時で表したものです。
黄緯とは、太陽系の惑星面に対して北側(上側)を正、南側を負として、
−90°〜+90°で表します。

日心座標


地心座標

地心座標とは地球を中心にして座標を決めたものです。
これも、黄経、黄緯で表します。
春分点を0hとして、反時計周りに表します。
地球を中心としているため、太陽も黄経で表せます。

地心座標


黄経・黄緯

では、実際に惑星の日心座標を計算します。
以下の説明は、天文年鑑を手元に用意してご覧ください。

a<t<b において
θ=cos-1[{2t−(a+b)}/(b−a)]   t:通日
                           a,b:資料にあります

f(t)=C0 + C1 cosθ + C2 cos2θ + C3 cos3θ・・・・CN cosNθ
                           Cx:資料にあります

これで、黄経、黄緯、日心距離が求まります。

例1
1997年3/15 10:47:26 の木星の位置を求める。
(天文年鑑1997年版 P262参照)
通日の計算は、先に述べたとおりで、t=75.4496065 です。
黄経は、木星の黄経のデータは 天文年鑑のP260にあります。
木星の欄には、a=1 b=367になっています。
tはこの範囲なので、有効です。
N=3

θ=cos-1[{2t−(1+367)}/(367−1)]
 =126.382395°

l:黄経 b:黄緯 r:動経 とすると

l=313.7184 + 15.9620*cos(θ) + 0.0929*cos(2θ)  - 0.0017*cos(3θ)
 =126.382395°

同様に
b=−0.5261°
r=5.111482 AU

例2 に続く・・・

太陽の赤道直交座標

「日心座標」と同様の計算方法で太陽の赤道直交座標を求めます。
これは、地球と太陽に位置を(x,y,z)座標(デカルト座標)で表したものです。
xは春分点の向き、yはxと垂直で双子座の向き
zは太陽系平面に垂直な向きになります。

例2
太陽の赤道直交座標の表は、4つあります。
a<t<bを満たすのは、1番目の表です。
a=1 b=92
N=12
θ=cos-1[{2t−(1+92)}/(92−1)]
 =50.486866°

あとは、先ほどと同じようにcosの多項式に代入します。

Xo= 0.990669 [AU]
Yo=−0.081084 [AU]
Zo=−0.035157 [AU]

例3 に続く・・・

※θ=50.486866°ですが
天文年鑑では0.486866°になっています。これは、間違いです。


デカルト座標

「日心座標」で求めた、黄経、黄緯、動経は極座標です。
これをデカルト座標(x,y,z座標)に変換します。
それに、太陽の赤道直交座標を足すことによって地球を中心とした
デカルト座標になります。

l:黄経 b:黄緯 r:動経 ε:地軸の傾き とすると
Xo,Yo,Zoは太陽の赤道直交座標

ε=23.69937° − 0.00013004°(西暦 + 通日/365.25)

X=r cosb cosl+Xo
Y=r(cosb sinl cosε−sinb sinε)+Yo
Z=r(cosb sinl sinε+sinb cosε)+Zo
例3
木星のデカルト座標をXj,Yj,Zj とおきます。
ε=23.69937° − 0.00013004°(1997 + t/365.25)
 =23.4397°

Xj= 3.865181 [AU]
Yj=−3.940026 [AU]
Zj=−1.759396 [AU]

例4 に続く・・・

極座標

先ほどのデカルト座標を極座標に変換します。

α:赤経 δ:赤緯 G:動経 とすると

A=tan-1(y/x)

x>0 のとき α=A
x<0 のとき α=A+180°

δ=tan-1(z/(x2+y21/2)

G=(x2+y2+z21/2
例4
A=tan-1(y/x)
 =314.4506°

x>0なので、
α=314.4506°
 =20h57m48s

δ=tan-1(z/(x2+y21/2)
 =−17.6806°

G=(x2+y2+z21/2
 =5.793004 [AU]

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4,その他

色指数

星の色指数から恒星の表面温度を求めろことができます。式は、

T=  9500 
  (B−V)+1

です。(B-V)値とは写真等級(B) から 実視等級(V)を引いたものです。


太陽の場合の(B-V)値は、+0.65です。
式に代入すると5757[K]になります。
これが、太陽の表面温度です。

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