タイトル

宇宙観測

タイトル

1,観測
2,電磁波
3,宇宙線
4,ダークマター

1,観測

電磁波の観測

宇宙を観測するとき、さまざまな観測方法がありますが
もっとも一般的な方法は電磁波を観測するということです。
その中でも手軽で古代がら用いられていた方法として「可視光線」の観測があります。
そうすれば、太陽のように自ら光を出している恒星が観測できます。

しかし、これでは自ら光を出していない星は観測できませんでした。
そこで観測の幅を広げ、現代では「電波」「赤外線」「紫外線」「X線」といったものも
観測しています。しかし、これらは地球上から直接観測できないものもあります。
そこで、ハッブル宇宙望遠鏡、太陽観測衛星「ようこう」、X線観測衛星「あすか」
のように宇宙から観測もしています。


宇宙線の観測

宇宙からはさまざまな宇宙線も飛んできます。
これは、エネルギーを持った高速で移動する粒子の流れです。
宇宙線には大気の上方で地球の大気と相互反応を起こして消えてしまうものから
なにも反応を起こさずに地球を貫通していってしまうものまであります。


重力波の観測

重力の変化を波として観測しようというものです。
超ひも理論の世界では「影の世界」というのが予言されています。
その影の世界を調べる唯一の方法は重力です。

現在では重力波を高感度に受信できないので重力波を使った観測はほとんどありません。

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2,電磁波

以下に、それぞれの電磁波の特性をまとめます。

  電波 赤外線 可視光線 紫外線 X線
波長 100m〜1cm 2000nm〜800nm 800nm〜350nm 350nm〜100nm 100nm〜0.01nm
地上への到達 △(オゾン層で弱まる) ×(宇宙でしか観測できない)
観測方法 電波望遠鏡などパラボナアンテナで 赤外線フィルターをつけた光学望遠鏡で 通常の光学望遠鏡 紫外線CCDカメラ フィルターをつけたX線CCDカメラ
見えるもの 誕生しつつある星、ブラックホール、パルサー、クエーサー 誕生したばかりの恒星や暗黒星雲の内部 恒星や恒星で照らされた星雲 太陽表面の高エネルギー活動 ダークマター、ブラックホール

これから、可視光線が以下に狭いバンドかというのがわかります。
電磁波の波長が長いということはエネルギーが小さいということで
電波の発生源が低温であることがわかります。
従って、暗黒星雲内部の観測や誕生しつつある構成を観測できます。

逆に波長が短いということはエネルギーが高く発生源が高温です。
このため可視光線では発見しにくいブラックホールですが、X線を使えば
強烈に光っているブラックホール周辺の降着円盤を観測できます。

また、電波や赤外線は波長が長いため地上からの観測ができ、特に電波は
昼間でも観測できます。
宇宙では暗黒星雲に遮られにくく星雲内部の観測ができます。


赤外線

赤外線は光に近い近赤外線から電波に近い遠赤外線まであります。
赤外線は波長が長いため微粒子で拡散されにくく地球の大気や暗黒星雲で
遮蔽されにくい性質があります。

また、物体は温度によって赤外線を出します。(ただし数千度以内)
この波長を調べることによって表面温度を調べることができます。


X線

X線は非常に高い温度を持つ物体から放たれます。
光子のエネルギーと波長には次の関係があります。

E=ν

 =
   λ 
ただしν:振動数  λ:波長 
   c:光速(3.0×108 [m/s])
   :プランク定数(1.05×10-34)  

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3,宇宙線

宇宙線は宇宙空間を高速で移動している粒子のことです。

宇宙線の種類別の割合は以下の通りです。

陽子 87%
α粒子 12%
Li,Be,B 1%

また、エネルギーは非常に大きく、109eVから1019eV
という大きな幅もあります。
このように大きなエネルギーを持っているのですが地上では10mの水に相当する
大気が覆っているのでそのまま地上に到達することはほとんどなく
2次宇宙線などエネルギーの小さな宇宙線に変わってしまいます。

この宇宙線の発生源は主に超新星爆発によるものと考えられています。
しかし、弱い磁場でも簡単に曲がってしまうため、どこからやってきたのかという
方向まで調べるのは困難です。


ニュートリノ

ニュートリノは核融合反応や超新星爆発などで発生します。
反応性は乏しく、たいていは地球を貫通していってしまいます。
まれに水と反応して光を出したりするので、神岡鉱山の跡地で大きな水槽に光電倍増管をつけて
地下で観測しています。地下で観測するのは宇宙線の影響を避けるためです。
(ニュートリノは宇宙線と違って物質と相互作用をほとんど起こしません。)
1987年には1987Aという超新星が大マゼラン星雲で見つかりました。
その後ニュートリノが10個/secの割合で検出されました。
実際には無数のニュートリノが通過したことがわかります。

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4,ダークマター

ダークマターは暗黒物質という意味で、どの波長の電磁波も出していないため
観測が困難でどこに存在するのか?というのがわかりません。

ダークマター

しかし、ダークマターは確実にあるといわれています。
それは、銀河団は重力によって集まっているのですが観測される量だけでは
とても集まることができません。
そこで未観測の物質、ダークマターがつなぎ止めていると考えられています。

銀河全体の質量の内90%はダークマターだと考えられています。
ダークマターの正体として質量を持ったニュートリノ、電磁波では観測されない素粒子などがあります。

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