タイトル

ATC

(天体望遠鏡制御装置)

タイトル

1,ATCとは ATCの制作意義,意味
2,ATCの構成 どのように操作するかを紹介 Z80の紹介
3,ATC完成までの日記 現在の状態と過去

1,ATCとは

ATCとは、 Astronomical Telescope Controller(天体望遠鏡制御装置) の略です。
※これは私が勝手に命名しました。

これは、2軸制御ができる望遠鏡を改造して、
完全自動導入ができる望遠鏡をつくろうというものです。
これは、VIXENの「スカイセンサー」などに近いものです。

一般に、市販の制御装置は、

  1. 5万以上と、高価
  2. 大量の電流を必要とする。
    (モーターは最大0.5Aなのに、マイコンの部分は2A!!
    これは6.5AHのシールバッテリーで3時間
    0.7AHのNi-cd電池で20分しか保たない)

という欠点があるので、敬遠しています。

なお、完成予定は97年の8月の予定です。
この夏休みはATCで遠征したい!!と、思っています。(大丈夫か?)

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2,ATCの構成

ATCの構成 いままでは、望遠鏡はVIXEN製のSP−130
(13cm反射 赤道儀:旧型のスーパーポラリス)
そこに2軸コントローラー(DMD−1)をつけています。
(右図の中央と右側の部分)

この、2軸コントローラーを制御するATCをつけて
完全自動導入ができるようにしたいと思います。

実際の接続右の写真が 望遠鏡への接続 望遠鏡への接続の様子(18KB)です。
右上のコードが赤緯軸,左下のコードが赤経軸です。

●動作原理

ATCが2軸コントローラーのボタン部分を
時間によって制御使用というものです。
例えば、8倍速で動かせるコントローラーで北に8′動かしたい場合、

t=    8′   = 4秒
   0.25′×8

●ATCの中身

ATCの中身 ATCはROM,RAM,IOポート,CPU(Z80)で
構成するコンピューターの部分とIOポートからでた信号を
コントローラに伝えるリレーの部分で構成されます。

ICは、オールC−MOS化する事によって、
5Vという低電圧と、低電流にすることができます。

CPUはZ80なのでクロックを1KHz程度に
することによってほとんど電流を0mAにできます。
RAMは、待機電流は0mA、動作時も20mAにできました。
ROMはEEPROMのCMOSにしました。
待機電流は0mAで動作時も5mAでした。
IOポートもCMOSです。

RAMとROM (22KB) Z80とIOポート (19KB)
上がS−RAMで
下がEEP−ROMです。
上がZ80CPUで
下がIOポートです。

●概要

望遠鏡に導入している恒星の赤経,赤緯データを入力して
次に目的の天体の赤経,赤緯データを入れて
望遠鏡を導入する。欠点は、めんどくさい。


Z80

Z80についてはいろいろな文献を参考にしてください。
Z80の命令については

Z80命令コード(8KB)

を利用してください。(textファイルが圧縮されています。)

CPUはCMOSで、CLOCKは最低のものということで6MHzのものがいいと思うので
TOSHIBAのTMPZ84C00AP-6がいいと思います。
値段は秋葉原で数百円で売っています。(私は380円で買いました。)

●制作

制作する上で一番困難なのは配線だと思います。
ICだけで3〜4cmあり、アドレスバスが11本(RAMが2KBのとき)
データバスが8本もあります。
基盤はユニバーサル,プリント基板があります。
ユニバーサル基盤だと安くすむのですが配線が膨大になるので
感光基盤を用いてつくることにしました。

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3,ATC完成までの日記

4/12(火)に、Z80試作機の動作が成功しました。
メモリにHALT命令(76)を書き込んだところ次のようになりました。

HALT命令の実行結果

信号名は、上から「HALT(赤)」「RFSH(赤)」「IORQ(黄)」「M1(緑)」
「CLK(白)」「WR(黄)」「MREQ(黄)」「RD(黄)」です。
データは水色で、下が00を表し、01が1ドット上・・255が255ドット上です。
アドレス(A0〜A7)は紫で、データと同じです。

また、

・・・NOP
LD A,50
OUT (100),A
NOP・・・

と書き込んだところ、

 LD,OUT命令の実行結果

になりました。信号名は先ほどと同じです。
これは、マニュアル通りの動作でした。(当たり前)

ATCの疑問

現在、ATCの制作する意味がないのではないかと考えています。
これは、ATCを用いて望遠鏡を操作するのは、

ということがあります。
ATCの代わりとして次の方法があります。

  1. 目盛環を使う
  2. ハンドルの回転数

1は、天文の本に載っていると思うのでそちらを参考にしてください
2は、赤経ハンドルの1回転は2.5度動く(私の望遠鏡の場合)とわかっているので
その回転数を人が計算によって求めるという方法です。これだと
あらかじめ計算しておく必要があるのですがスピードは速くCPUを必要としません。

ATC制作というのは労力がかかります。
現在、1,大学の勉強(成果は物理のページに載せます) 2,C++の修得
という大きな課題もあります。そちらの方を優先したいのでATCは凍結します。

ATCの今後

以上のような疑問点がわかったので、ATC制作は凍結しようと思います。
しかし、Z80というマイコンの技術は習得したいので、
現在開発をしているZ80試作機は今後も制作を続けていくことにしました。


現在に至るまで

●天体望遠鏡など購入

92/12/19(私は高1)

東京都 水道橋のところで、新品同様の中古でVIXENのSP−130を
買いました。定価15万ぐらいのものが8万で手に入りました。
但し、赤道儀は1世代前のスーパーポラリスです。
仕様は、口径130mm 焦点距離720mmです。

また、このときに2軸コントローラと、
赤経モーターを購入しました。

●赤緯モーター購入

95/8/8(私は大学1年)

これで望遠鏡の2軸制御ができます。
それでPC−98を使った上で自動導入ができました。
時間は数分で導入でき、ファインダーで星を追っかけていた時代と比べて
非常に楽になりました。導入制度は、極軸の精度によりました。
コンピュータをポータブルにして持ち運び式にするのが
ATCです。

●EEPROM書き込み成功

96/10/30(私は大学2年)

PC−98から、IOポートを通じてROMをコントロールしました。
書きこみ時の電流は5mAでした。最初、1つおきにしか
データが書き込まれないというトラブルがあったのですが、
書き込み時間を20ms程度にしたら成功しました。
これでRAM,ROM両方の記憶装置の
動作確認が終了しました。

●液晶モジュールに表示成功

97/3/4(私は大学2年)

PC−98から、IOポートを通じて液晶モジュールに信号を送ったところ、 うまく表示されました。
モジュールはデフォルトで、非表示,1桁になっていたので、
表示,2桁にする初期設定信号を送ったところやや薄い程度に
表示されました。(濃くしようとすると白い部分も反応した)

●試作コンピューター制作開始

97/3/13(私は大学2年)

ATCの制作をいきなりやるのではなく、試作機をつくってから
ATCの制作にかかることにしました。

●ATCの凍結

詳細は上の方にあります。ATCの疑問点に気づきました。 今後は、試作機の完成を目指します。

●現在に至る

現在では、Z80の試験が終わったのでひとまず完成ということにしています。

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