電子工作

                    部品編5

個々のページでは、今までの分類に入らなかったICを紹介していきます。

 

アナログスイッチ

CMOS型のICを今まで紹介してきましたが、扱える信号はデジタルだけではありません。
4016では、アナログのスイッチングを行うことができます。

4016 4016

4016は、アナログスイッチが4回路入っています。
動作は非常に簡単で、C端子を1にすると、IとO間の
スイッチがつながり、0にすると切れます。
このI−O間に流せるのは、デジタルの信号だけではなく
アナログ信号も可能です。

一つ気をつける必要があるのは、一般的なスイッチと違い
抵抗が大きいことです。ONの時には300Ω程度の
抵抗があります。逆にOFFのときの絶縁性はよく、
1000MΩ以上あります。

ON 300Ω
OFF >1000MΩ

 

マルチプレクサ

マルチプレスサも、アナログスイッチに近いものです。
前述のアナログスイッチは、1:1のスイッチングをやっていたのに対し
マルチプレスサは、1:複数をスイッチングするロータリスイッチのような
役割をします。

4051 4051

4051では、Xと、X0〜X7のスイッチングを行います。
どことつなぐかというのは、A,B,Cで設定します。

  INH X←→
OFF 1 X (接続なし)
ON 0 0 0 0 X0
1 0 0 X1
0 1 0 X2
1 1 0 X3
0 0 1 X4
1 0 1 X5
0 1 1 X6
1 1 1 X7

 

シュミットトリガー

今まで紹介してきたゲートIC、カウンターなどの入力信号は、
電源電圧の中間を境界線として、0と1に分けていました。
しかし、このような方法では、境界線付近で入力信号が
わずかでも振動した場合、細かなパルスがあったのもと誤認識してしまいます。
(これを、チャタリングという)
この現象は、クロックなどで大きな問題になります。

このような現象を回避する方法として、シュミットトリガーというものがあります。
シュミットトリガーの境界線は、0から1へ変化するときは電源電圧の中間より
少し上にあります。反対に1から0へ変化するときは電源電圧の中間より
少し下です。このように、行きと帰りで境界線が違うのです。
(これを、ヒステリシスがあるという)
このようにしておけば、チャタリングが起きる心配がほとんどありません。

4584 4584
4093 4093

シュミットトリガーを内蔵したゲートICが4584と4093です。

シュミットトリガーを作る

シュミットトリガーは、専用のICがないとできないことはありません。

05syumit.gif (2263 バイト)

このように、NOT回路と抵抗を組み合わせることで実現できます。
このときのヒステリシスは、次の式から求まります。

(ヒステリシス)=R2 / R1


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