個々のページでは、今までの分類に入らなかったICを紹介していきます。
CMOS型のICを今まで紹介してきましたが、扱える信号はデジタルだけではありません。
4016では、アナログのスイッチングを行うことができます。
4016 |
4016は、アナログスイッチが4回路入っています。
動作は非常に簡単で、C端子を1にすると、IとO間の
スイッチがつながり、0にすると切れます。
このI−O間に流せるのは、デジタルの信号だけではなく
アナログ信号も可能です。
一つ気をつける必要があるのは、一般的なスイッチと違い
抵抗が大きいことです。ONの時には300Ω程度の
抵抗があります。逆にOFFのときの絶縁性はよく、
1000MΩ以上あります。
ON | 300Ω |
OFF | >1000MΩ |
マルチプレスサも、アナログスイッチに近いものです。
前述のアナログスイッチは、1:1のスイッチングをやっていたのに対し
マルチプレスサは、1:複数をスイッチングするロータリスイッチのような
役割をします。
4051 |
4051では、Xと、X0〜X7のスイッチングを行います。
どことつなぐかというのは、A,B,Cで設定します。
INH | A | B | C | X←→ | |
OFF | 1 | X | (接続なし) | ||
ON | 0 | 0 | 0 | 0 | X0 |
1 | 0 | 0 | X1 | ||
0 | 1 | 0 | X2 | ||
1 | 1 | 0 | X3 | ||
0 | 0 | 1 | X4 | ||
1 | 0 | 1 | X5 | ||
0 | 1 | 1 | X6 | ||
1 | 1 | 1 | X7 |
今まで紹介してきたゲートIC、カウンターなどの入力信号は、
電源電圧の中間を境界線として、0と1に分けていました。
しかし、このような方法では、境界線付近で入力信号が
わずかでも振動した場合、細かなパルスがあったのもと誤認識してしまいます。
(これを、チャタリングという)
この現象は、クロックなどで大きな問題になります。
このような現象を回避する方法として、シュミットトリガーというものがあります。
シュミットトリガーの境界線は、0から1へ変化するときは電源電圧の中間より
少し上にあります。反対に1から0へ変化するときは電源電圧の中間より
少し下です。このように、行きと帰りで境界線が違うのです。
(これを、ヒステリシスがあるという)
このようにしておけば、チャタリングが起きる心配がほとんどありません。
4584 | |
4093 |
シュミットトリガーを内蔵したゲートICが4584と4093です。
シュミットトリガーを作るシュミットトリガーは、専用のICがないとできないことはありません。 このように、NOT回路と抵抗を組み合わせることで実現できます。 (ヒステリシス)=R2 / R1 |
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