1,ISDNの特徴 |
2,ISDNの導入 |
3,ISDNの速度 |
ISDNでは、電話ケーブルにデジタル信号を流します。
デジタルにすることによって信号を多重化でき、いろいろなメリットがあります。
今までのアナログ回線だと、最高で33.6kbpsでした。
これに対してISDNでは、64kbpsの速度が出ます。
最近アナログ回線でも、56kbpsまで出せるというモデムが
はやっています。しかし実際には、45kbps程度が最高で
この数値も安定していません。場合によっては、28.8kbpsを
下回ってしまうことのあります。
さらに、電話ジャックから数メーター距離があっただけでも
スピードが下がってしまいます。
さらに、この速度はダウンロードの方向だけで、
アップロードでは、33.6kbpsまでです。
このため、FTPでアップロードする場合や、NetMeetingなど
双方向で高速な通信が要求される場合には意味がありません。
しかし、ISDNでは双方向で安定して64kbpsが出せます。
また、通話料金は今までと変わりません。
ISDNでは信号を多重化して送ることができるため、1回線で
2回線分のことをできます。ISDNでは、
64kbpsの速度のB1回線、64kbpsの速度のB2回線、16kbpsの速度のD回線
という3本が、物理的には1本の線に多重化されて使用されます。
このうち、通信/通話に使えるのはB回線なので、
2回線まで使えるということになります。
この2回線を同時に使って、128kbpsの高速通信を行うこともできます。
(ただし、電話料金も2倍になってしまいます。)
アナログでは、プロバイダーに接続するときに、「ダイアル」「呼び出し」
「着信」「ネゴシエーション」の4段階があるのですが、アナログモデムでは
30秒程度かかってしまいます。しかしISDNでは7秒程度です。
また、テレホーダイタイムで、BUSY状態になっているときでも
ISDN利用者の人口は少ないので接続できることが多いようです。
なお、Windows 98では、接続がさらに高速化され
3秒になりました。
ISDNでは、アナログにもあったサービスが大体利用できる上に
INDN独自のサービスもあります。
無料で利用できるサービスとして次のようなものがあります。
発信者番号の通知は、アナログでも自動的に行われます。
しかしISDNでは、INS加入者、PHS、デジタル携帯電話から
着信した場合、相手の番号が表示されます。
さらに、ナンバーディスプレイサービス(INSでは600円/月)をうけると
アナログ回線でも表示できます。
料金表示機能は、通話や通信をした場合の料金を表示します。
INSでは、通話と通信量は区別されます。(料金は変わりませんが)
このため、明細書には通話料と通信料が別々に載っています。
(パソコン通信でいくら使ったかばれてしまいます。(^_^;)
このようにISDNが便利な点があるのですが、欠点もあります。
まず、電話料金のうち、基本料金が2830円と割高になる点です。
アナログでは1750円だったので1000円以上の値上げになってしまいます。
しかし、アナログ回線を使っている場合、プッシュ回線量390円を
毎月払っています。しかし、ISDNではプッシュ回線量は不要なので
実際には690円の値上がりですみます。
さらに、キャッチホン量300円も事実上不要になるのでISDNは
そんなに割高ではないかもしれません。
つぎに、ISDNを使う場合でも電話はアナログ電話を使うことがほとんどです。
このためにアナログポート付きのTAは常に電源をONに
しておく必要があります。もしも停電になったときは電話が使えなくなってしまいます。
ちなみに、デジタル電話を使っている場合では電源は必要ありません。
また、配線も苦労します。
もし、DSU内臓のTAを購入した場合はパソコンとTAは近くにおく必要があります。
このTAから各電話にケーブルをつなげる必要があります。
さらに、タイムプラスなどのサービスが夏以降に提供に
なってしまうことや、エリアプラスが350円/月と高価(アナログは200円/月)で
TTNetのサービスが秋になってしまいます。
ISDNの導入は次のような手順で行います。
※「1」と「2」の順番を間違えると、TAが購入できなかった場合
電話が使えなくなってしまいます。
ISDNを使用する際には、TAとDSUが必要です。
通常はDSU内臓のTAが安いので、それを購入するといいでしょう。
しかし、配線が困難なときは、DSUとTAが別々の物を購入します。
最近では、液晶ディスプレイ付きのものがはやっています。
液晶ディスプレイ付きのものは料金表示機能や、発信者番号表示機能
がついているのでお勧めです。価格は3万程度です。
さて、ISDNの申し込みは電話で116番に電話するか、インターネットで
仮申し込みを行うか、近くの電話局に直接行きます。
このときに、使用する機材や工事の形態のほかに、発信者番号通知、
ユーザー間情報通知サービス、インターフェース形態などを記入します。
インターフェース形態には、「P-MP呼毎」「P-MP常時」「P-P」の
3種類があります。たいていは「P-MP呼毎」を選択します。
工事の日もここで決めます。たいていは1週間かかります。
次に工事です。配線は次のようになります。
電話モジュールからDSUまでは今までのケーブル(4極2芯)を、TAからパソコン間は
RS232Cケーブルを、TAのアナログポートには電話機をつなぎます。
工事の日は電話局内の工事だけなので、係員が家にくることはありません。
アナログからISDNに切り替えるときに、電話局から「切り替えます。」という
電話が入り、ISDNに切り替わります。(留守の場合は勝手にやってくれます。)
これで、費用は2800円です。
さて、気になる速度ですが、まずプロバイダーに接続する場合を見てみましょう。
単位(秒) | ダイアル | 呼出 | 着信 | ネゴシエーション | パスワード | 合計 |
アナログ | 2 | 2 | 2 | 12 | 6 | 24 |
ISDN (Win 95) | 2 | 6 | 8 | |||
ISDN (Win 98) | 2 | 1 | 3 |
このように、ISDNでは、接続時間は1/8ですみます。
こまめに接続とする方には重要なポイントです。
次に、通信中の速度を見てみましょう。
アナログモデムでは、速度は3kByte/sで安定しています。
それに対し、ISDNでは、普通のホームページを見る場合には
5〜6kByte/sの速度が出ます。しかし、ファイルが多少大きい
画像ファイルやソフトをダウンロードすると、7〜8kByte/sの
速度が出ます。
理由は、アナログでは、28.8kbpsの速度があり、非同期で送るので
1Byteあたり10bitを必要とするため2.88kByte/sになります。
(実際には圧縮の効果があるので3kByte/sを超えます。)
これに対し、ISDNでは、64kbpsの速度がある上に同期させて送るので
1Byteあたり8bitですむので8kBytesの速度が出ます。
またISDNでは、通信が安定しているのでデータの再送信がほとんどなく
データが無駄なく遅れます。
このように、実際には、アナログの3倍程度の速度がえられます。
ただ、ここまで速くなると、プロバイダーの回線の込み具合が効いてきます。
プロバイダーのほうが込んでいるとせっかくISDNにしても
効果がないことがあるので、Tracertなどで自分のプロバイダーの混雑状況を
調べておくといいと思います。