ビデオデッキ

最近(01年)、私はまたビデオを買いました。
2年前と、8年前にもビデオを購入しているので
これらのビデオの性能差や、最近の新機能について比較してみました。

購入年 92年 98年 01年
メーカ MITSUBISHI
型版 BSZ3 S77 SX200
購入価格 89,800
(60%)
44,000
(68%)
25700
(51%)
定価 150,000 65,000 50000
SVHS
BS × ×
SVHS-ET ×
3D Y/C ×
3D DNR ×
TBC ×
19ミクロンヘッド ×

SVHS

VHSで記録されたテープの水平解像度は240本です。
現行放送は、地上波が330本、BSで360本なので、VHS方式で録画すると
ぼやけた映像になります。
しかし、SVHS方式では解像度が400本あるので、
細かな模様まできれいに録画することができます。
なおSVHSで記録するときは、SVHS用のテープを用意する必要があります。

SVHS-ET

SVHSで記録するためには、SVHSテープが必要でした。
しかし,SVHSテープは少々割高(それでも、1本250円)なので
気楽にSVHSテープは使用できませんでした。
それを通常のテープでもSVHSで記録しようとしたのがSVHS-ETです。
SVHS-ETは基本的にはSVHSなので、SVHSのデッキや、
SVHS簡易再生機能があるVHSデッキでも再生できます。

実際に、SVHS-ET機能を使用したところ、スタンダードテープでも
かなりの画質が得られました。ただ、映像は少しざらざらしたものになっています。
さらに、メダカノイズやドロップアウトが目立つようになります。
ビデオテープをスタンダード(SD)からハイグレード(HG)にすると
ざらつきを抑えることはできます。(SVHS-ETはハイグレード推奨)

以下に、SHS-ETで録画したテープがデッキによってどのように違ってくるかを
100点評価でまとめてみました。(現行テレビ放送のレベルを100にしています)

テープ 録画を行ったデッキ HV-S77
(SVHS-ET、TBC、DNR対応)
他のSVHSデッキ HV-BSZ3
(SVHS-ET、TBC、DNR未対応)
HG 評価…80

SVHS級の高画質です。
DNRとTBCの効果で
現行テレビ放送と見間違える
ほどの画質です。
メーカも録画したデッキでの
再生を推奨しています。

評価…40

SVHS-ET未対応ではありますが
VHS録画よりはきれいに見えます。
しかし、DNRやTBCに未対応のため
色のざわつきやジッターが
発生しています。

SD 評価…60

ハイグレードと比べてノイズが
増えます。DNRを使っても
輪郭部分にノイズが発生します。
それでも、まずまずの映像です。

評価…20

大きなジッターと輝度がざわついています。
ここまで大きなノイズがのってしまうなら
通常のVHSで録画したほうがマシです。

3次元Y/C分離

この機能は、テレビの映像をビデオに録画するときに効果を発揮し、
細かなドットが色信号に化けたり、色の境界線がドットに
化けたりするのを抑制する機能です。

なおテープにはY/Cが別々に記録されているので、録画時に
Y/C分離機能が働きます。外部からS端子経由の映像を記録するときは
働かないので注意が必要です。(コンポジット入力をすれば働きます。)

3次元DNR

この機能は、再生時に発生するノイズを除去する機能です。
DNRは、YNRとCNR機能に分かれます。

YNRは輝度信号に関するノイズを除去する機能です。
これは、明暗の境界線付近に発生するざわつきを除去します。

CNRは、ほうきで掃いたような色のざわつきを除去します。

このDNRは、2次元と3次元の2種類がありますが、2次元は1画面単位で
処理するので、全体的にぼやけた映像になります。
3次元では前後の映像を比較しながら処理をするので、DNRをしたにも
かかわらず映像がよりシャープになることがあります。

実際に、アニメなど単色の部分が多い映像ではかなりの効果があります。
この機能でよって今まで気になっていたざわつきが
見違えるほどきれいになります。

ただし、後述するTBC機能との連携は不可欠です。

TBC

TBCは水平方向に映像がずれるという「ジッター」という現象をなくす機能です。
この機能を有効にすると、水平方向に毛羽立っていた映像が少し抑制されます。
最近では、同期信号とバースト信号を正規の信号に付け替える機能を持った
本格的なものまで登場しています。

このTBCと3次元DNRとの連携は効果が絶大です。
これらの機能を組み合わせることで
『昔撮ったビデオまできれいに見える』のです。

またダビングのときに、信号の付け替え機能がかなりの効果を発揮します。
TBC機能がないデッキで再生したものを録画すると、ジッターが元と比べて
3倍近く大きくなり、とても鑑賞できるような映像ではなくなってしまいます。
しかし、この機能があるデッキで再生すれば、ジッターはまず気になりません。
さらに、再生側に3D DNR機能があれば、ダビングしたのを忘れるようなきれいな映像が
楽しめます。
TBCはダビングに効果絶大です。

19ミクロンヘッド

標準速で録画するときは、トラックの幅は57ミクロンになります。
そのためヘッドの幅も57ミクロンにあわせているのですが、3倍速では
トラックの幅が19ミクロンになります。
そのため、57ミクロン幅で作られたヘッドで、3倍速の録再生を行うと
隣のトラックまで侵食して記録したり、余計なトラックを読み取ってしまいます。
これを阻止するために、3倍速に適した19ミクロンヘッドができたわけです。
現在では安物のビデオでもほとんどのものが19ミクロンヘッドを搭載しています。

19ミクロンヘッドを使うと、多少、ノイズが減ってクリアな画像になります。
しかし、DNRやTBCほどの大きな効果はありませんでした。

文字放送録画

一部のビデオデッキでは、文字放送も記録することができます。
MITSUBISHIのデッキでは、公式にサポートを表記していませんが
SVHSやSVHS-ETで録画すると、文字放送が記録されています。

これを利用すれば、ビデオを録画したときのニュースや天気などが
後でみることができたり字幕を出すことができるので、
文字放送対応機器をお持ちの方は、試してみてはいかがでしょうか。

5倍録画

2001年になってから、各社が5倍モードというものをサポートするようになりました。
これを利用すれば、2時間テープに10時間記録できます。
SX-200では専用の5倍再生用のヘッドを持っています。
画質は、TBC,DNRを切った画像だと色ノイズがかなり載っていて
鑑賞するのはかなりつらい映像ですが、TBC,DNRをONにすると
3倍モードと大差のないきれいな映像になっています。

この5倍モードですが、各社とも他メーカとの互換性どころか同じ機種同士でも
互換性を保証していなく、自己録再しか保証していません。
これは、テープのトラックの間隔が10.5μmと大変狭くなっているので、
ビデオヘッドの個体差の影響がでてしまうのだと思われます。
しかし実際に同機種間での互換性を試してみたところ、ほとんど問題なく
再生できてしまいました。3倍モードと同様に、互換性の保証はできないものの
たいていの場合はうまく再生できるものなのかもしれません。

スタンダードテープでは、DNRをOFFの状態ではかなりの色ノイズが
載ってしまいます。DNRをONにすれば、鑑賞に堪えられる映像になります。
SVHSテープでは、DNRをONの状態で3倍録画と見間違えるほど
きれいな映像になります。


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