タイトル

就職ガイド1

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1,進路
2,就職のステップ

この宇宙・物理研究室の作者も、2001年4月に就職することになりました。
しかし、世の中は不景気の真っ最中です。この不景気は私が中学生だった
90年代から始まったものでしたが、「景気はじきに回復するだろう」という
甘い予想は大幅にはずれ、最悪の時期に就職することになりました。(T_T)

このページでは、私が就職活動で感じたことを大卒・院卒者向けに、
理系大学院生の立場からまとめてみました。


1,進路

一言に進路といっても、実際にはどのような道があるのでしょうか?
ここでまとめてみました。

●民間企業

もっとも多いのが民間企業への就職でしょう。

企業の規模は次の表のように分類されています。
それぞれ性格が大きく異なるので、自分にあった企業を選択しましょう。

大企業 1000人以上
中企業 300〜1000
小企業 300人以下

また、様々な業種が存在します。また、それぞれの業種は奥深いものなので
業種全体を把握し、自分の適正と比較するのにかなりの時間を要すると思います。
そこで、自分の適正を調べるのには、リクルートのR−CAPなどを用いて
自己分析をするといいでしょう。また、複数の業者の自己分析テストを行うことで
かなり参考にすることができます。

●公務員

国や地方公共団体で働くのが公務員です。
公務員は、国家公務員と地方公務員に分けられます。

国家公務員 1種 いわゆる「キャリア組」。
様々な職場を異動し、ゼネラリストの知識を身につける
2種 大卒以上向け
3種 高卒以上向け
地方公務員 県庁や役所などの地方公共団体で勤務

いずれの場合も、公務員試験に合格する必要があります。
特に、第1種の国家公務員試験は難しく、大学1年から試験対策をする
必要があります。
国家公務員の場合、国内を数年ごとに異動していくことが多いです。
地方公務員の場合は地域内に限定されます。

いずれも事務的な業務が多いのですが、時間通りに帰れる、休暇もきちんと取れる
男女の格差がない、その他理不尽なことがないなどの理由から人気があります。
しかし、最近は不況の影響で公務員の人数を減らそうという動きがあります。

●進学

大学生の場合、大学院への進学という手もあります。
大学院へ進学してしまえば、今就職活動をする必要がなくなり(ただ、受験勉強は必要)
景気がよくなるまで時間が稼げるなどのメリットがあります。
大学院への進学については、大学院入試のページをご覧ください。

大学院生の場合では、博士課程への進学という手もあります。
ただ、試験が卒業間近にあるので不合格の場合は浪人か、なんとか就職するしかありません。
また、博士課程に進んでしまうと民間企業への就職は難しくなります。
これは、企業としてはそんなに専門的な知識を必要としていないことや、
年齢が高くなってしまうなどの理由から敬遠されるようです。
そのため、大学の教授・助教授・講師などになるのが一般的です。
しかし、いくら努力しても枠があいてないと希望が通らないことがあります。

●フリーター・派遣社員

最近では、就職せずにフリーター(アルバイト)になる方も増えています。
しかし、フリーターは身分的な保証もほとんどなく、かなり不安定です。
最初の数年はフリーターとして社会勉強をして、将来的には就職するのがいいと思います。

派遣社員の場合は、フリーターより幾分かましです。
しかし、短期の派遣が多く、仕事もハードなことが多いようです。

いずれの場合も、自分の好きな仕事ができるなどのメリットがありますが
企業の業績が悪くなるとすぐに首を切られてしまいます。
そのため、常に自分の技術や特技を磨いておく必要があります。
さらに、収入が不安定になる可能性があるので、生活での浪費をやめ
倹約生活をする必要があるかも知れません。
ローンのようなものはできるだけ組まない方がいいでしょう。

●家業など

家が会社を経営している場合、そこに就職するというのも手です。
ただ、家族企業の場合、大学で得た自分の専門知識を生かせる場合が少ないので
もったいない選択しかも知れません。

専業主婦、家事手伝いだと、完全に自分の専門知識を生かせないので
非常にもったいないと思います。

●起業する

いっそ、自分で起業するという手もあります。ただ、大学を出たばかりの人が
いきなり会社をおこし、成功するというのも考えにくいので、一度どこかで
経験を積んだ方がいいでしょう。

今流行りのベンチャー企業というのも、特定の専門分野に長けているなど
なんだかの長所がないと成功できないものです。


2,就職のステップ

ここでは、民間企業に就職する方向けに、就職活動で
なにを行うべきなのか順を追って説明します。

●就職サイト登録

大学3年or修士1年の11月までには、就職サイトに登録しましょう。
就職サイトの登録は5月頃からできるものもあります。

現在では、就職活動はインターネットで行うものになりました。
従って、インターネットに接続できる環境でない方は
大学のパソコンを用いるか、自分でパソコンを購入しましょう。
かなりの企業は、はがきでの受付はしていなく、インターネット経由のみですので
インターネットに接続できないと就職できないといっても過言ではありません。

さて、就職サイトにはどんなものがあるのでしょうか?
一覧にしてみました。

リクナビ 最も就職で有名なサイトです。情報量が多く、
民間企業への就職希望者のうち80%が会員になります。
毎日就職ナビ 新着情報をメールで送ってくれます。
日経就職ナビ  
メガジョブ オンラインテストなどが受けられます。
読み物も充実しています。
学情就職ナビ  
Job@Navigator  
ジョブウェブ  
みんなの就職活動日記 学生による学生のためのサイト
学生同士、本音で語り合うことができます。
イーキャリア  
登龍門  

1種類だけではなく、複数のサイトに登録しておくといいでしょう。

また、登録したら安心するのではなく、そのサイトにある「読み物」などを
読んでおき、就職に対する意識を高めておきましょう。
この時期はまた忙しくないので、ゆったりと就職の研究・対策がとれます。

●自己分析

大学3年or修士1年の12月には、自己分析を行いましょう。
自己分析の内容は、自分はどういう人間で、どのような職業が適しているか、
どういう環境で働くのが望ましいかなどです。

でも、自分だけでこれを行うのは難しいものなので、業者の自己分析テストを
用いるといいと思います。代表的なものに、リクルート社のR−CAPなどがあります。

回答時間 40分
費用 ¥3,600 (99年現在)
申し込み方法 ・R−CAPのHPで申し込む
 (1週間でテスト問題送付)
・生協や購買部でテスト問題を直接もらう

これで、職業の適性や、性格、環境など詳細に判定されます。
また、リクナビでは簡単な自己診断テストが行えます。(無料)

●業界研究・会社検索・説明会参加

大学3年or修士1年の1月になったら、そろそろ希望する業界について
情報を収集しはじめる時期です。
自分が興味を持った業界の会社の特徴、仕事内容などを調べてください。
志望企業の検索方法については、後ほど紹介します。

まず、2月頃から、合同説明会や、会社ごとの説明会が開かれますので
それぞれの業界の特色を勉強するといいと思います。
合同説明会というのは、複数の企業をいっぺんに回ることができ大変便利です。
混雑していることが多いですが、圧倒されずにがんばりましょう。
また、この時期から会社ごとの説明会も開かれます。
アンケートを書かされる場合が多いので、あらかじめ自己PR等の基本的な
文面は作成しておきましょう。

  合同説明会 会社での説明会
長所 複数の会社を一気にまわれる
各種の業界を探索できる
会社どうしの比較ができる
説明が細かい
工場の見学ができるかも
短所 説明がおおざっぱ
混んでいる
数多く回れない
選考をかねていることもある
説明時間 10分程度 2〜3時間
用意するもの なし
就職ノートなど
ないことが多い
履歴書、各種証明書を必要とする場合あり
選考への影響 なし
純粋な説明だけです
基本的に、なし
時々、選考を兼ねている場合あり
その他 会場は混んでいますが、
気を楽にして数多くの企業を
回りましょう。
説明会のアンケートを書かされることが
多くあります。志望動機、自己PR等は
あらかじめ考えておきましょう。

このように、いくつもの業界の説明会に参加すると、自分の興味を持った業界が
見えてくると思います。ある程度業界を絞ったら、以下のことを調べてみるといいでしょう。
業界研究は、1日でできるというものではありません。
時間をかけてじっくりと研究しましょう。

  解説  例 (通信業界)
業界の現状 業界の構図などをおさえましょう 急速に利用者が拡大している
業界の今後 「10年後はどうなっているか」などを
自分なりに考えておきましょう
通信と放送が融合し、IT産業の
重要な位置を占める
専門用語 面接で聞かれることもあるので
しっかり勉強を
IMT2000 プロバイダー xDSL
志望動機 これが最も重要 現在急成長しており、IT社会実現に
非常に重要だと感じたので
やりたいこと 会社の方針とやりたいことが
一致すればBEST
家庭でもインターネットに常時
接続できるサービスをしたい

このようにして、志望する業界が決まったら、志望する会社のほうもリストアップしましょう。
会社の検索方法は後ほど解説するので、そちらを参考にしてください。

志望する会社まで決まれば、就職活動の7割は終わったと考えてもいいと思います。
なぜならば、この後のエントリー、試験というのは、2〜3回会社に行くだけで済み
早ければ2週間程度で内定することが多いからです。(自分は2週間でした。)
就職活動で最も重要なのは、自分の行きたい会社・職種の選出と業界の研究です。

●エントリー

業界や職種、志望企業が決まったら、いよいよエントリーしましょう。
エントリーの方法は様々ですが、おおきく2種類があります。

1つは、企業が志望者リストを作成するのを目的としている準エントリー的なものです。
ここでは、簡単な質問事項があります。自己PRや志望動機など、定番が多いので
あらかじめ作成しておき使い回しをすれば、だいぶ楽ができます。
ただし、ここで記入したことが面接で聞かれることもあるので、気を抜かないようにしましょう。
準エントリーをすると、会社の資料が送られてきたり会社情報がメールで配信されたりします。
このように、準エントリーというのは「資料請求」的な意味合いが多いものです。
しかし、企業によっては登録しても何も反応がないところも数多くあります。

もうひとつが、本エントリー的なものです。
エントリーの方法は、企業のHPで行ったり、指定された書類を企業に送付します。
このエントリーの目的は、主に書類選考の意味合いが濃いので慎重に記入してください。
エントリーすると、数日から1週間で選考結果or1次試験の案内がメールできます。

  準エントリー 本エントリー
どこでエントリー? ・就職サイト
・企業のHP
・企業のHP
・書類の送付
記述事項 ・学歴
・住所
・簡単な質問
・学歴
・住所
・本格的な質問
主な質問事項 ・自己PR
・志望動機
・HPの感想

いずれも200文字程度

・自己PR
・志望動機
・入社して何をやりたいか
・学生時代にやったこと
・研究テーマ
いずれも400〜1000文字程度
目的 資料請求 選考 or 選考者リストへの登録
エントリーすると
どうなる?
・会社資料の送付
・説明会やその他の
 情報を配信
選考後、結果通知
  or
選考会の案内

「準エントリー」と「本エントリー」の見分け方ですが、質問事項がないor簡単な物であれば
準エントリー、合計で原稿用紙3枚以上書くようなものは本エントリーです。(たぶん)
なかなか区別は付きにくいと思いますが、HPをよく読めばわかると思います。
怖いのは、エントリーしたんだけど実は準エントリーしただけで
正式なエントリーになってなく、何の連絡もないまま選考会が終わっている場合です。
準エントリーすると、企業のHPでエントリー者向けに情報を発信していることがあるので
1週間に1度はチェックするようにしましょう。

●就職試験

エントリーしたら、いよいよ就職試験です。
ここでは、エントリー時に行う書類選考も含め、試験の一覧を作成しました。

書類選考 エントリーシート
での選考
送付書類で選考
筆記試験 適性検査
英語
専門
面接 集団面接
個人面接(人事)
個人面接(専門)
プレゼンテーション
集団討議

一般的には、書類選考、集団面接、筆記試験、個人面接の順で行われ、2〜3週間で内定が確定します。
最近では、学歴や試験より、面接を重視する傾向にあります。
この就職試験については、次のページで詳しく解説しています。

●スケジュール

いままで述べたステップの大まかなスケジュールをまとめてみました。
あくまでも一例です。スケジュールは人によって千差万別なので
参考程度にしてください。

10月   就職活動の準備期間

じっくりと将来のことを考えましょう

11 就職サイト登録
12 自己分析
業界研究・説明会  
合同説明会が開催される
会社ごとの説明会がピーク
そろそろエントリーもはじめましょう
就職試験 業界研究
・説明会参加
選考会が始まる
就職試験のピーク
メーカ系はこのころがピーク
 
 

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