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就職ガイド2

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1,志望企業の検索
2,テスト エントリーシート、適性検査、面接
3,Q&A

1,志望企業の探索

会社の選び方には様々な方法があります。
この選び方というのは人によって大きく異なります。
ここでは、その1例を紹介します。

自分に適した職業というのは、自分の「やれること」「やりたいこと」「求められていること」の
3条件を満たしたものが適した職業といえます。

できること 適した職業・企業
やりたいこと
求められていること

「できることと」は、今まで自分がやってできるようになったことです。
”プログラミングができる”、”作文が上手”、”会話術がうまい”など
個人の能力に関わる要素です。
「やりたいこと」は、文字通りやりたい職業のことです。
この「できること」と「やりたいこと」というのは、R−CAPなどを用いることで
客観的に判断することができます。
また、自分で「できること」「やりたいこと」というのを年齢別に分けてみると
自分のやってきた傾向が分かります。

下の表は、あくまでも一例です。(私の場合)
実際には、年齢の部分をもっと細かくしたり、些細なことまでリストアップしてみると
いいのではないでしょうか?

  できること やりたいこと
0〜5歳   宇宙飛行士
小学校低学年   科学者
小学校高学年 算数・理科・天気予報 気象庁
中学校 理科・電子工作・実験・天体・HAM エンジニア
高校 数学・物理・電子工作・プログラミング 天文学者
大学・大学院 物理・プログラミング・研究・雑学 SE・エンジニア・研究者

さて、最後に「求められていること」という要素があります。
これは、企業があなたに何を求めているのかということです。
たとえ自分のやりたい仕事があったとしても、会社が求めていなければ
やはり就職はできないわけです。
就職というのは、就職する側の論理も大事ですが、その人を雇う側である
企業側の論理も重要なわけです。このあたりは、就職情報誌などをよく読んで
どういう仕事が求められているのはというのを理解しておく必要があります。

以上の3つの条件を満たしている職業、会社が就職の候補になるわけです。
そのあとは、各企業の細かな条件を比較してみるといいでしょう。
”条件”については、後述の「企業データ」で解説してあります。

ある程度候補を絞ると、名の知れた大企業を志望しがちです。
これは、「名を知っている企業なので安心」「世間での評判がいい」という
判断が働いているようです。
たしかに、大企業への就職=成功という評価をしてしまいがちなのですが
大企業だからいいということはないです。
実際には自分にあった企業への就職=成功なのです。
働くのは自分なのですから、知名度にこだわらずベストマッチの企業を探しましょう。

企業データ

給与

給与については、ほとんどの会社で横並びになっています。
2000年の時点では、学卒で20万円、院卒で22万というところが多いようです。
博士卒の場合、多くの企業では募集されていないのですが
だいたい25〜27万程度です。
院生にとっては、学部生との格差も気になるでしょう。
やはり大学院まで行ったので、給料を優遇してほしいところです。
技術系では格差が2万程度ですが、情報系などでは1万以下になることも多いです。

以上の基本給に加え、住宅手当、残業手当、家族手当、資格手当などが付きますが
気をつけてほしいのは、この諸手当が別途支給なのかどうかです。
「月20万の給料」とうたっていても、6万の手当が含まれていたら
基本給はたったの14万ということになります。

また、年俸制の場合も注意が必要です。
年俸制の場合、ボーナス、手当、交通費込みの場合もあるので
よく調べておく必要があります。

 

休暇・勤務時間

休暇については、ほとんどの企業が週休2日制度になっているので、
年間120〜127日の休日があります。
これに加え、有給休暇が年間8〜20日程度もらえるようです。

勤務時間は標準で9:00〜18:00、昼休みの1時間を抜かすと1日8時間です。
1週間で5日勤務するので、週40時間労働となります。
しかし、1日8時間労働でも始業/終業時刻はまちまちで、
昼休みも1時間 or 45分に分かれるようです。
フレックスタイムを導入している企業では、出社/退社時刻を自由に選ぶことができます。
ただしコアタイムが設定されている場合、その時間には出社していなければなりません。
このフレックスタイムは、事務の接客、生産部門では導入されていないことが多いようです。

 

福利厚生

福利厚生には、社内の支援制度や施設などさまざまなものがあります。

支援制度には、財形貯蓄、住宅融資などが有名ですが
これ以外にも、資格取得補助同好会支援など様々なものが存在します。

施設面では、社員食堂の有無は大きな選択ポイントです。
食堂があると、外に食べにいく時間と労力を節約できるだけではなく
安いなどの利点があります(会社で一部負担している)。
また、スポーツ設備の有無も気になるでしょう。
施設には、体育館、グラウンド、テニスコート、時にはプールがあることもあります。
地方出身者には独身寮も気になるでしょう。
大、中企業ではたいていの場合、独身寮を持っています。(借り上げの場合を含む)
入社して数年間の期限付きであることが多いですが、格安(数千〜2万円)で
借りられるので金が簡単に貯まります。

保養所というものもかなりの企業で有しています。
だいたい一泊3000〜5000円で泊まれます。

 

勤務地

長い間勤めることになる会社の勤務地も重要です。
自分の希望する地域に事務所があるからと行って
必ずしもそこになるとは限りません。
企業ではできる限りその要望をかなえようとしますが、希望が通らないこともあるので
もしもの場合を考えておく必要があります。

もし、「引っ越せない」、「他の地域はいやだ」という場合は、
勤務地がはっきりと決まっている企業を丹念に調べなければなりません。
しかし、調べると言ってもなかなか大変なようです。
会社説明会に参加するとそのような情報は得られやすいと思います。
また、事務所が1箇所しかない場合も確実です。
ただし、SEやFE(フィールドエンジニア)などは、顧客の会社に常駐することもあるようです。

勤務地でもう一つ重要なことがあります。それは、海外赴任の有無です。
入社してしばらくすると、海外赴任する機会があります。
企業によっては海外赴任を強制するところもあり、期間も数ヶ月から数年と様々です。
海外勤務は国内と異なり、言葉の問題があります。TVも娯楽も異なります。
ある電設系の企業に就職した人は、メキシコへ5年間の海外赴任を強制させられ
今、退職しようと考えているそうです。
このように、海外赴任の有無は大きな選択ポイントになります。


2,テスト

就職試験には、書類選考、面接、筆記試験など様々なものがあります。
下の表に、各試験ごとの特徴をまとえてみました。

選考内容 時間 説明
書類選考 エントリーシート
での選考
大企業では、本エントリー時に書かせる設問の回答で
書類選考を行います。回答時間は無限にあるので
じっくりと文面を考えてください。
送付書類で選考 書類を会社に送付することでエントリーになる企業では、
学歴や自己PRシート(会社で必要とされた場合)で
選考します。ほとんどの場合、通過するようです。
筆記試験 適性検査 約1時間 SPIとも呼ばれる。中学程度の一般常識を問うものが多い
科目は、国・数・英・理・社の5教科すべてが出題されやすい
また、性格適性検査も行うことが多い
英語 1〜
2時間
TOEICを用いたり、会社オリジナルの試験を実施
専門 1〜
2時間
時々、専門試験を行う会社がある
大学の専門にあわせて選択制になっている
面接 集団面接 約5分 面接官:学生=1:数名(5人?)の場合が多い。
企業側としては、集団で行うことで学生の比較をしやすく
時間的な効率がいいので、1次面接で行われることが多い
面接時間は1人あたり5分程度です。
個人面接(人事) 20〜
40分
面接官:学生=数名:1の場合が多い。
時には、社長も同席することもあるので十分注意を。
時間が長く、十分に個人を見ることができるので
最終選考で行われることが多い
個人面接(専門) 20〜
40分
技術系では、その人の技術レベルを計るため
技術の専門面接が用意されています。
面接官は、専門の知識を持っている人であることが多く
面接時に問題を出されることもある。
最終選考で行われることが多い
プレゼンテーション 5〜
10分
自分の卒論、修論の内容や、会社が指定したテーマについて
あらかじめまとめておき、当日はOHPなどを用いて発表する
集団討議 30分〜
2時間
数人ごとにグループを作り、その中で会社が指定したテーマ
について討議する。主に、協調性を調べるためのもの

一般的には、書類選考、集団面接、筆記試験、個人面接の順で行われ、2〜3週間で内定が確定します。
最近では、学歴や試験より、面接を重視する傾向にあります。

 

◇筆記試験

筆記試験でほとんど行われるのが適正検査です。
適性検査では、中学程度の知識を問う一般常識と、その人の正確を判断する
性格適性検査の両方を行うことが多いようです。

一般常識は、中学程度の簡単な問題が多いですが、2〜3割程度は
高校程度のものも含まれています。

国語 ・文章の把握
・段落の切れ目
・漢字の読み
・同意語(反意語)選択
数学 ・数列の規則性の発見
・分数、方程式の計算
・方程式の応用問題(中学程度)
・論理性(文章的なものと幾何学的なもの)
英語 ・会話文把握
・文法
理科 ・中学程度全般(物理・科学・生物・地学)
社会 ・中学程度全般(地理・歴史・公民)

解答は、ほとんどの場合は4択のマークシート方式です。
このように、解答は楽にできるものが多いのですが
解答時間は短く、1問あたり1分以内に解く必要があります。
また、誤った解答をすると減点されることもあるので
時間がなくなったからといって適当に解答するのは危険です。
この試験、どうやら専門の業者が問題を作っているらしく私も何回か
受けましたが、全く同じ問題、類題などが多数ありました。
対策本を買って勉強しておけばドンぴしゃな問題が出るかも知れません。

性格適性検査は、性格が仕事に適しているか判定するテストです。
「あなたは慎重派ですか?」等という設問があり、Yes/Noで解答します。
このテストでは、何も考えずに正直に解答するといいと思います。
下手に何か考えて解答すると答えに矛盾が生じて、解答の信頼性を失うことになります。

 

◇面接

面接は、学生一人一人個別に行う個人面接と、数人で同時に行うで行う集団面接があります。
最初は集団面接で、最後になると個人面接になるようです。

集団面接では、人数が多く緊張すると思いますが、基本的に個人面接で聞かれることと
同じと考えてください。集団だと、他の人がどういうことを話すのか聞くことができるので
参考になります。集団面接は一人あたり5分程度ですので、質問されることは
ほとんど決まっています。
個人面接でも、質問されることはだいたい似ています。

お約束の質問

・学生生活で成し遂げたこと
・卒論(修論)の解説 AND それが仕事にどう役に立つか
・自己PR
・志望動機は
・入社して何をやりたいか

しかし、たまに解答しにくい質問をしてくることもあります。
このときは、焦らず冷静に答えましょう。

難解な質問

・好きな色とその理由
・最近泣いた(or感動した)ことは?
・あなたの持っている腕時計を売り込んでください
・宇宙人は本当にいるのでしょうか?
・朝起きたら熊になっていました。さて、どうします?

この手の質問は、うまく答えられるかというのを見るのではなく
いかにムッとせずに、冷静に答えられるかを見るようです。

技術系の場合、今までの人事面接に加え技術面接も行われるようです。
ここでは、電子回路や科学に関する専門的な質問をされるので
それに的確に答える必要があります。
もし、知ったかぶりをしても、面接官は現役の技術者であることが多いので
すぐに墓穴を掘ることになります。

さて、いずれの面接にも共通することですが、マニュアル的な面接では
通用しません。集団面接に参加するとよくわかるのですが、多くの人は
同じようなことを言っていることがわかります。

質問 ありきたりの解答例 面接官の思い
学生生活で
成し遂げたこと
バイトまじめです この手は多いよなぁ。確かにバイトができるなら
会社でも仕事はできる。だけどそれだけ?
部活で活躍しました この手は多いよなぁ。でも部活で活躍しても
仕事とは別物。他にない?
研究が仕事に
どう役に立つか
・・なので・・に役立ちます
(なんとかこじつける)
結局、研究は役に立たないなぁ
素直に「役に立たない」といえばいいのに
自己PRをどうぞ 几帳面でまじめです これは当然のこと。ルーティングワークなら
いいが、突発的なことには対応できないのでは?
バイタリティ旺盛です 活発なのはいいけど、慎重さがあるのかなぁ?
大きなへまをしそうで怖いな
学校のテストがいいです テストがよくても社会ではあまり役に立たないよ
人と協調性がとれ
場を明るくします
宴会部長はいらないけど
当社の志望理由 御社の企業理念
と一致したので
本当?つじつまあわせているのでは?
それに志望動機はこれだけ?
技術力・企画力に感動 本当に感動しているの?他に動機はないの?
社会に大きな影響を
与える仕事なので
具体的にどのようなことしたいの?
入社して何したい え・・・(ここでたじろぐ) こりゃだめだ。何をしたいのか分かってないじゃん
・・のようなことです
(抽象的なこと)
具体的に何したいの?ひょっとして思いつき?

これだと、面接官に印象に残らず、「ああ、またか・・」と思わせてしまいます。
大切なのは、自分の実力を自分なりの言葉に置き換えて話すことです。
やはり、面接というのはあくまでもコミニュケーションです。
あらかじめセリフを考えておいて、ただしゃべるだけというものではありません。
また、話に具体性を盛り込めば相手も興味を持ってくれます。
小説家が読者を引き込む文章力を持っているように、
面接では話術も必要だと思います。

もう一つ面接で大事なのは、熱意です。
いくら実力があっても、熱意がなければ合格をもらうことはできません。
何社も不採用通知がくると、気分はかなりブルーになり、熱意も消えてしまいますが
そんなときは、気分転換して新たな気持ちで面接に挑むようにしましょう。
実力と熱意がそろったときに内定をもらうことができます。

実力+熱意=内定

3,Q&A

Q.勤務地というのは希望通りになるのでしょうか?
A.中・大企業では事務所を複数持っているので、全国のどこになるか
  というのは分かりません。たいていは、希望調査を行いできる限り
  本人の希望通りになるように調整しますが、希望がかなうという保証は
  ありません。

Q.職業は、こどもの時からの夢を重視すべきか?
A.こどもの時は、「どんな職業があるのか?」「どんな仕事をするのか」
  というのをちゃんと認知できていないので、身近な職業を将来の夢に
  する事が多いようです。
  このように、偏った視点で職業をとらえていることが多いので
  あまり参考にしない方がいいでしょう。
  ただ、こどもの時から現在まで強い意志でなりたい職業があれば
  それは重視すべきだと思います。

Q.希望する会社がありません
A.志望企業を探索したものの、「勤務地が遠い」「仕事がハード」「安月給」
  「希望する仕事ができない」「試験が難しい」など、現実には様々な
  障害があります。
  しかし、「これヤダ、あれヤダ・・・」を繰り返していると、最終的には
  希望企業がなくなり、就職活動休止へ・・・という状態に追い込まれてしまいます。
  やはり、働くのですから多少の障害は乗り越えなくてはならないと思います。
  「今回の就職で、自分の一生が決まってしまう」「その会社の仕事人間に
  ならなければならない」などと重く考えず、「とりあえず10年程度働くつもり」
  「会社と自分はある程度距離を持つ」など、もう少し気楽に考えた方が
  いいかもしれません。このご時世、10年後なんて想像できないのですから。

Q.私は、自分の実力に自信があるのですが、なぜか惨敗です。
A.私もこのことで結構悩んだことがあります。
  原因の1つには、1次選考での落選があります。
  1次選考では集団面接であることが多く、聞かれる質問もだいたい決まっています。
  すると実力がアピールできず、印象で判断されてしまい
  結果不合格ということがあります。しかし、最終選考に残ると
  人物をじっくりと見るので、かえって受かりやすいという逆転現象が生じます。
  原因のもう一つに、面接官との相性があります。
  面接には、本来主観的なものは入ってはいけないのですが
  年輩の面接官だと、特にこの傾向が強いようです。


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