タイトル

GPS

タイトル

1,GPSとは
2,使用レポート
3,コツと応用

最近になって、GPSを使うことが増えてきました。
かくいう私も「ハンディGPS」というものを購入し、その用途を
日々探っています。そこでこのページでは、GPSについて紹介しました。


1,GPSとは

「GPS」とは「Global Positioning System」の略で、地球上のどこにいても
自分のいる正確な位置を、経緯、経度などで求めることができます。

GPSの原理

GPSの原理は、地球上空20,000kmを周回している24個の衛星から
最低3個の衛星からの信号を同時に受信することで
信号のずれから現在位置を算出します。

3個の衛星がいる理由

衛星が2個の場合、GPS機器が信号差を求めても
それは、「衛星Aより、衛星Bの方がXXkm近い」ということしか
わかりません。この条件を満たす位置は、衛星を中心とした
双曲面上のどこでもいいことになります。

しかし衛星が3個あれば、別の衛星との間にも双曲面ができ、
位置を2つの双曲面の交線上に特定できます。
これだけでは、現在位置は線上のどこにあるかわかりませんが
常識的に、地球の表面上だという条件を加えれば現在位置を
特定できます。

もし同時に4つの衛星から信号が受信できれば、精度が悪いながらも
高度を求めることができます。

4個の衛星がいる理由

「3個の衛星がいる理由」では、条件として「地球の表面上」にいる
という仮定をしました。これでは、高度=0なので高さが求まりませんが
第4の衛星があれば、さらに双曲面を作ることができるので
完全に1点を求めることができるので、高度を求めることができます。

GPSは、いままで100m程度の誤差があるといわれていましたが
2000年の5月に意図的に精度を悪くする「SA」といわれるものが
解除されたので、現在は10〜15m程度の誤差になっています。
この誤差の原因としては、地球表面の密度が一定でないために
衛星軌道が揺らいでいたり、電離層などの影響で信号の到達時間がずれるなど
いろいろな原因があります。この誤差を改善する方法として「DGPS」があります。
これを用いると、精度が1〜5mに改善します。

DGPS

GPSの誤差データを、FM多重放送など様々な方法で
GPSに送り信号を補正するシステム


2,使用レポート

最近では、トレッキングでもGPSを使うようになり、様々なGPS
機器が販売されています。私は、特に有名で低価格なGarmin社の
「etrex」を17,800円で購入しました。説明によると、世界最小の
GPSトレッキングツールで、手のひらに簡単に載せることができます。
ただし、輸入品なので機械に表示される説明はもちろん、マニュアルも
英語になります。

etrex

 

それでは、どのようなことができるのかレポートしてみたいと思います。
なお、初めて電源を入れるときは初期設定があるのですが、ここでは
それが終わって、普段の動作について紹介します。

電源を入れると、次のような衛星捕捉画面が現れます。

前 しばらくたったら

これは、衛星からの信号を受信している画面です。
中央には、どの方向の衛星を受信しているのか、下には
それぞれの衛星の信号強度が示されています。
上の数値は、精度を表しています。
中央の数字が反転&下の棒グラフが黒いものは衛星を捕捉したもの、
数字のまわりが淡色&グラフが白いものは、衛星を捕捉中であることを
示しています。各衛星の捕捉には通常45秒かかり、この間に衛星の信号が
とぎれると再び45秒かかります。

写真では、最初4個しか捕捉できていなかった衛星が、7個捕捉するように
なり、これによって精度も17mから7mへ上がっていく様子が分かります。

衛星を捕捉できれば、次のようなことができます。

コンパスモード こちらは、コンパスモードです。
自分が進んでいる方向と速度がわかります。
速度の精度は高く、時速2km/hでも感知できます。
up/downボタンで、高度、平均速度、最高速度
緯度経度、日の出入り、走行距離、走行時間
進行方向(数値)、目的地の方向(数値)がわかります。
マップモード マップモード。
自分のいる位置を、簡単な地図に表示できます。
ポイントとなる点は、あらかじめ入力しておきます。

自分の通ってきた道筋は、グレーの曲線で
表示され、来た道を戻ったり、あとでパソコンで
解析することもできます。

メニュー画面 メニュー画面。
ここで、いろいろな設定を行えます。

下には電池の残量と、現在の時刻が表示されます。
この時計は非常に正確で、原子時計と同じ
精度になっています。(なぜならば、衛星から
現在時刻のデータを受信しているので)

オリエンテーションモード 「GoTo」で、POSTを指定した場合。
このように、ポストが南西に92mのところに
あることがわかります。画面の矢印が常に
上向きになるように歩けば、ポストに出会えます。

左上には、予想所用時刻が表示されますが
あまり実用にはなりませんでした。
(速度が一定でないと、精度が出ないため)

 


3,コツと応用

GPSを使用するにあたって、衛星からの電波の受信は
最重要課題です。そこで、衛星の特性についてまとめました。

GPSの衛星は、1つの周回軌道上に4つの衛星が配置され、
1周12時間で回っています。このような軌道が6個あり、地球上の
いつ、どこでも衛星は最低3個は見えるようになっています。
この地上から見える衛星の数は、時間とともにかなり変化します。
私の経験した範囲では、少ないときで5個、多いときで12個見えます。
平均的には、7〜8個の時が多いです。

また、方向に偏りがあるときがあります。
たいていは散らばっているのですが、時々西or東の空にかたまっていたり、
南の空に衛星の空白領域ができていることがあります。

このように、衛星の数が少なかったり方向に偏りがあると、
南の空は開けているのに、3個同時に衛星の電波を受信することが
できないというときもあります。(衛星運がない)

衛星を捕捉するコツ

GPSを使用してみると、捕捉中の表示は出るものの
なかなか捕捉できないことがあります。
これは、捕捉中は数十秒間連続受信できていないためです。
対策として、一度見晴らしのいいとことに行って衛星を捕捉してから
使用するといいでしょう。一度捕捉できれば、簡単に再捕捉が
できます。電源をOFFにしても、45分以内であれば
捕捉は簡単です。(ウォームスタート)
45分以上たってしまうと、以前のように捕捉に時間が
かかってしまいます。(コールドスタート)

 

前 衛星位置と精度の関係

GPSは、3つの衛星を捕捉すれば、
現在位置がわかりますが補足した衛星の
位置関係によって、精度が変化します。
衛星の信号差が大きければ大きいほど、
高い精度で求まります。

左の写真で、捕捉でした衛星が黒くなっています。
この補足した衛星を結んでできた図形の面積が
大きいほど精度が高くなります。

逆に、捕捉した衛星が直線的になっている場合
面積が0に近いため、現在位置が
求まらないときもあります。

さて、このGPSの応用方法ですが、次のようなものを考えてみました。

1,速度計として

電車、車に乗ったときに速度計として使用する。
車には、速度計、カーナビがあるので意味ないかもしれないが
電車(特に新幹線)なら、今何キロで走っているのかというのがわかりおもしろい(?)。

実際に電車の中で試したところ「捕捉中」という衛星はちらちらと
現れるのですが、電車は移動するものなので数十秒間連続で
電波を受信するのは困難で、なかなか捕捉できませんでした。
そのため、電車に乗る前に開けた場所で一度衛星を補足しておくといいでしょう。
京王相模原線では高架なので捕捉しやすく、最高速度112km/hが測定できました。

2,精度の高い時計として

GPSの電波を使用するので、かなり精度の高い時計となる。
電波時計や、時報で自動的に合わせる時計は、
100ms程度の誤差があるがGPSなら、1μs程度。

3,スポーツに

速度計として使えるので、スキー、マラソン、サイクリングで、最高速度や平均速度が
わかります。さらに経路やコースの距離まで求まります。
私もスキーで使用してみましたが、スキー場は見晴らしがいいので
ポケットに入れておくだけでも6個程度の衛星が簡単に受信できました。
その結果、コースの距離や、平均速度、落差、最高速度が求まりました。
(なお、最高速は40km/hでした。スキーが初めてだったもので・・・)

4,ハイキング・登山に

これが、本来の使い方でした。etrexは、それ専用に製作されているので
非常に使いやすいです。

実際に、都立大のハイキングコースで試してみたところ、かなり使い道がありました。
ハイキングでは、道から外れないように常に地図で現在位置を把握しておく
必要がありましたが、GPSなら元の道に簡単に戻れますし、
目印をあらかじめ入力しておけば、独自の道で進むことも可能です。
なお「途中でGPSの電池が切れて遭難してしまった」ということの
ないよう、お願いします。

電波の受信状況は、深い森の中では木の葉に電波が遮られるので
つらいかもしれません。(特に衛星運がないと)
しかし、ちらりと空が見えるようなところであれば、信号強度は下がるものの
使用はできると思います。

なお、登山において高度は参考にしない方がいいでしょう。
なぜならば、高度方向の誤差はetrexに限らず100m程度あるといわれています。
実際には、広い範囲の衛星を受信できれば誤差は30m程度に収まると思います。

5,初めての場所に行くとき

初めての場所に行くときは、あらかじめ目的地の緯度経度を地図ソフトなどで
調べて入力しておけば、迷う心配がありません。

私は、秋葉原の初めていく店を登録して使用した試しがありますが
秋葉原のように、高いビルがある&衛星運がないときは
なかなか衛星を捕捉できませんでした。
しかし、いったん捕捉すれば、うまくナビゲートする事ができ、
曲がり角にくれば矢印も右を向き、店に近づくにつれ距離が減っていきました。
残り20mになると、到着した旨のメッセージが現れました。

6,すぐ場所をメモしたいときに

たまに、「この場所をメモしたい」というときがあるでしょう。
(ex.感動的な風景を見た、何かを発見したなど)
このようなとき、GPSのマークボタンを押しておけば位置が
記録できます。

7,待ち合わせゲームに

2人で合流するとき、「XX公園前」と電話するのではなく、「北緯XX、東経XXへ」
と言って待ち合わせる方法(ゲーム)です。
利点として、「XX公園前」だとどのあたりか特定できないが
GPSを用いれば、ピンポイントで指定できる。
欠点として、屋内での待ち合わせに使用できないことと、めんどくさいこと。
あくまでも、ゲームにしか使用できないでしょう。

8,行動調査に

飼い犬、鳥、人などの行動調査に使用する方法があります。
対象が動物ではありませんが、民間会社がトラックがどのように徘徊しているのかを
GPSをつかって調査するサービスを開始しています。

このように、GPSは外に出歩くのであれば何にでも応用できる可能性があります。


4,首都圏位置データ

eTrexには地図データが入っていないため、駅の場所を知りたいときに苦労することがあります。
そこで、自分で東京・千葉・神奈川の駅データをExcelにまとめました。
これをGarmapなどにコピー&ペーストし、GPSに転送すれば、マップ上に駅のデータを載せることが出来ます。

●データのダウンロード

lzh.gif (1046 バイト)ichidata.LZH(138kB)

※緯度経度の情報が間違っていたら、報告ください。
 また、ミスデータによる損害は補償できませんので、ご了承ください。

●使用方法

データ自体は駅の緯度、経度情報になっています。
Garmapを立ち上げ、ウェイポイントが入力できる状態にし、Excelからコピー&ペーストをします。

全てを入れると2000ポイント近くになりますが、GPS端末が対応していなかったり(eTREXは512点)、
表示が煩雑になるので、必要な路線を選んでコピー&ペーストをします。

o17gar1.gif (28509 バイト)

 

最後に左上の「更新」ボタンを押すと下のようなマップが表示されます。
複数の路線が交わる駅では重複している旨のエラーが現れますので、
片方を削除して再度「更新ボタン」を押します。このような動作を重複が無くなるまで繰り返す必要があります。

o17gar2.gif (10916 バイト)

 

最後に、GPSを接続してアップロードを行えば、GPSに駅データが表示されるようになります。

 

●サポート路線

路線 全駅 備考
JR 山手・総武・京葉・武蔵野・南武・五日市・青梅・
外房・内房・久留里・東金・成田・
根岸・横浜・茅ヶ崎・御殿場・伊東
川越・八高・高崎・新幹線
 
京浜東北・埼京線 一部山手線共有
横須賀 一部東海道線共有
東海道 東京〜熱海が○ 熱海以西は△
中央線 東京〜小淵沢
常磐 上野〜水戸
東北 上野〜宇都宮
鶴見 ×  
小海 小淵沢〜小海のみ
身延  
東京
メトロ
全路線  
都営 全路線 都電を除く
京成      
本線・押上線・金町線・千葉・千原  
東武 伊勢崎・東上・越生・日光・鬼怒川  
野田・亀戸・押上  
西武 新宿・池袋  
秩父・拝島・多摩湖・多摩川
国分寺・西武園
 
京王 本線・井の頭線  
多摩線  
小田急 小田原線 新宿〜相模大野は主な駅のみ
多摩川線・江ノ島線  
東急 田園都市・東横・大井町
目黒・多摩川・池上・世田谷
 
京急 本線・空港線・大師 横浜〜三崎口は全駅
東京 ゆりかもめ・東京モノレール
りんかい線・つくばエクスプレス
 
多摩都市モノレール ×  
千葉 新京成  
小湊・いずみ鉄道・北総鉄道・東葉高速・芝山  
神奈川 MM21  
相模線・江ノ島線・箱根登山  
埼玉 埼玉高速鉄道  
山梨 富士急行  
静岡 伊豆急行  

※全駅の項目で、○:全駅サポート △:主要な駅のみ ×:未サポート

 


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