CD-R

1,CD-Rについて
2,FAQ
3,失敗談
4,メディア
5,ドライブ

1,CD-Rについて

CD-Rの製作の目的はたいてい次の2つにあります。

★ データCDの製作

パソコンのデータをCDに記録させて、CD-ROMを作ることができます。
このとき、容量は650MB入ります。
CD-Rは各社から販売されていますが、どこのメディアを使っても
たいていはうまく焼くことができます。
書き込みの速度についても×4までは問題なく焼けることが多いようです。
そのため、CD-Rドライブの書き込み速度の限界まで速度を上げても
問題ないようです。
私は、書き込みが×2のCD-Rドライブで×2で書き込んでいますが
特に問題は出ていません。製作時間が短くて済むことや
×1にしたことで不具合が起きるメディアもあるようなので
こちらのほうがお勧めです。

★ 音楽CDの製作

一般にトラブルが多いのは音楽CDの製作です。
音楽CDの製作の際には書き込み速度は×1or×2までが
いいようです。

また、音楽CDでは、CD Playerとメディアとの相性がシビアになります。
一般にパソコンのCDドライブでは問題なく音楽CDが再生できたのに
ラジカセなどのCD Playerでは再生できないということが結構あります。
このときは書き込み速度を×1まで落とすか、他社のメディアを
使ってみるといいようです。
一般には、音楽CDの製作には、太陽誘電、TDK、Maxellなどが
いいといわれています。

以下にデータCDと音楽CDの違いについてまとめてみました。

データCD 音楽CD
成功率
書き込み速度 ×6まで ×2まで
メディアとCD-R
ドライブとの相性
メディアとCD-ROM
(音楽CDはCD Player)との相性

★ CD-Rの種類

以下にCD-Rの種類をまとめてみました。

反射材\色素
シアニン系 安価。データCD向け 音楽CD向け
フタロシアニン系 対光性に優れる 対光性に優れ音楽CDに最適
アゾ系 保存性に優れる 高価。音楽CDに適する

 

反射材には、「金」「銀」の2種類があります。
「金」は、データCDを製作するのに優れています。
「銀」は、反射率が高いため音楽CDを作るのに適しています。
音楽CDを作る場合は、反射剤は必ずにしましょう。

色素には、「シアニン系」「フタロシアニン系」「アゾ系」があります。
「シアニン系」は、最もよく使われています。
シアニン系の色素は光に弱いため、緑色をした対光剤を入れます。
しかし、「フタロシアニン系」では、色素は光に強いため対光剤を
入れていません。色素は透明なため、反射材の色が見えます。
「アゾ系」は耐久性や耐光性に優れています。
アゾ系のメディアは青色をしています。

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2,FAQ

書き込み速度

一般的には、×2がもっとも適しているようです。
×1は、もっとも安全に焼くことができますが、75分間も時間がかかります。
また、メディアによっては、×1ではうまく焼けないものもあります。

×4で焼くためには、パソコンから600KB/sの速度で常にデータを送る必要があり
CPUはPentium 200MHz程度の能力が必要といわれています。
また、メディアも×4に対応している必要があります。
×4では、20分でCDが完成します。

データCDに適したCD-R

データCDの作成は成功率が高いので、どのメディアを使っても
ちゃんと焼くことができます。しかし、激安CD-Rの中には
レーベルの面がはがれやすかったり、数年でデータが読めなく
なってしまうものもあるので注意が必要です。

音楽CDに適したCD-R

データCDと違って、音楽CDを製作する際には相性問題がよく発生します。
CD-Rは、反射層、色素が重要なポイントになります。

反射層ですが、現在は、「金」と「銀」の2種類があります。
音楽CDに適しているものは「銀」のほうです。
これは、銀のほうが反射率が高いためです。

次に色素ですが、「シアニン系」「フタロシアニン系」「アゾ系」の
3種類があります。「シアニン系」はよく使われていて、緑色をしています。
実際にはこれに対光防止剤が入れられるので深緑色になります。
「フタロシアニン系」は透明なのでメディアを見ると金(銀)色になっています。
「アゾ系」はもっとも信頼があり、高価です。青色をしています。

このことから、反射層が銀で、色素にアゾ系を用いたものが
適しているといわれています。
音楽CDは太陽誘電、TDK、三菱のものが適しているといわれています。

インターフェース

CD-Rとのインターフェースには、主にIDEとSCSIがあります。
IDEにすれば、接続のためのインターフェースを買う必要がなく
安く済ますことができます。

しかし、なるべくSCSIを使いましょう。
SCSIはインターフェースボードが必要になりますが、データが
滞りなく流れるため、書き込みに失敗する確率が減ります。

もし、IDE接続をしなければならない場合は、キャッシュが大きいドライブを
選びましょう。(最低1MB)

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3,失敗談

音楽CDの製作では、CDの音楽データをWindowsのWAVE形式にする作業と、
そのデータをCD-DAとしてCD-Rに書き込む作業があります。


サウンドカードで録音時

ドルビー

カセットテープから録音してみたところ、「サー」という
音が入っていました。これは、ドルビーをONにしてなかったために
入ったノイズでした。

LAN

LANカードを接続していると、常に外部のコンピュータの状態を
調べるためにアクセスをします。このときにCPUパワーが
食われて、データの転送が瞬間的にできなくなります。
これが、音飛びの原因でした。

音が飛んでいる

スピンドクターで、データを直接HDなどに記録するSoftがあります。
しかし、データの保存先がIDE接続のHDだったために、たまに
音飛びがおきます。(HDの転送能力が2MB/sでも)
これは、CPUパワーを多量に消費するIDEのためでした。

そこで、データの保存先をSCSI接続をMOにしたところ
なんと、うまく記録することができました。

また、サウンドボードがISAやCバスであることが多々あるのですが
PCI接続のサウンドボードに変えることでこの現象を回避することができました。

音が割れている

音の入力のレベルが大きかったために、音が割れてしまったことがありました。
音のレベルは、最大音のときでもインジケータが振り切れないように
調整しましょう。

しかし、「ぶつぶつ」という音については、寸土カードによるものらしいので
この場合にはあきらめるしかありません。
(または、新たにサウンドカードを買うか)

11.025KHzのWAVファイル

11.025kHzでサンプリングしたWAVファイルをCDに焼くときは注意が必要です。
たいていのSoftは焼くときに11.025→44.1kHzへの変換を行うのですが
この変換の際に高周波が混じってしまいます。
音は「しゃかしゃか」といった感じになります。
(これは、11.025kHzの音が、0,10,30・・となっているとき、
44.1kHzに変換すると、0,0,0,0,10,10,10,10,30,30,30,30,・・・と
変換するため、高周波が発生します。)

私は、2台のPCを用意して再生/録音をしました。
この方法だと高周波が混じらずに、11.025kHzでも
なかなかの音になります。

音の入力のレベルが大きかったために、音が割れてしまったことがありました。
音のレベルは、最大音のときでもインジケータが振り切れないように
調整しましょう。


デジタルでの吸出し時

CD-ROMが対応していない

デジタル吸出しのできるCD-ROMは限定されます。
Easy CD Createrでは、デジタル吸出しができるCD-ROMはその旨が
表示されています。

吸出しSoftの不具合

吸出しSoftによっては、高速でデータを吸い出すと音が飛んだWAVEが
出来上がることがあります。

私の場合、Easy CD Creater付属のスピンドクターを使っていたのですが
10倍速で吸出しを行おうとした結果、音飛びが発生しました。(1倍速にできない)
そこで、CD2WAVを用いたところ10倍速での吸出しに成功しました。


焼きつけ時の失敗

メディアとの相性

メディアとの相性が悪くて、うまくCD Playerで再生できないことがあります。
一般に音楽CDを作る際には、TDK,三菱化学,太陽誘電などがいいといわれています。

私の場合、Maxellで焼いたCDは問題なかったのですが、ONKYOのCDは
×1、×2とも、SONYのドデカホンでは再生ができませんでした。
しかし、CROWNのCDラジカセや、パソコンのCD-ROMドライブでは再生できました。

On the flyで焼いた

On the flyでは、CDから読み出したデータをHDに記録せずに
直接CD-Rに焼きこむ方法です。

この方法は、データをコピーする場合はうまくいくことが多いのですが
音楽(CD-DA)をコピーすると、”ぷつぷつ”という音が入ってしまうことが
かなりあります。
HDにスペースがあれば、できるだけOn the flyは避けましょう。


起こりうる失敗

バッファ・アンダーラン・エラー

もっとも多い失敗原因はバッファ・アンダーラン・エラーです。
このエラーは、コンピュータのデータの転送速度が
CD-Rの書き込み速度に追いつかないときに発生します。
CD-Rの失敗の8割はこれにあるといわれています。 次に多いのが相性問題です。
メディアとCD-Rドライブとの相性や、メディアと 再生装置
(CD Player,CD-ROMドライブ)との相性が合わないことが たまにあります。

書き込み中に操作を行った

CDに書き込み中には常に300KB/Sの速度(×2の場合)でデータを
送る必要があります。そのため、書き込み中に操作を行うと
CPUパワーが食われたり、HDへの読み書き、スワップが発生するため
300KB/sの速度が出なくなるときがあります。
その瞬間にエラーが起きるわけです。

スクリーンセーバーをかけた

スクリーンセーバーになるときに、HDからスクリーンセーバーの
データを読み込むことになります。そのときに
300KB/Sの転送速度を出せずにエラーが起きることがあります。
書き込み中はスクリーンセーバーをしないように設定しましょう。
デスクトップであれは、ディスプレイ電源を切り、
ノートであればふたを閉じるだけにしましょう。

衝撃を与えた

CDに書き込み中にCD-Rドライブに衝撃を与えると
ヘッドの位置がずれて、エラーが起きます。
書き込み中は振動を与えないようにしましょう。

書き込み速度が速すぎた

CD-Rを焼く際の書き込み速度は、CD-ROMの製作の際には×4まで
音楽CDの作成では×2までがいいと思われます。
しかし、メディアとドライブの相性によっては×1にしないと
うまくいかないものもあります。
反対に、まれに×1ではうまく動作せず、×2にしないと
うまくいかないものもあります。

CDに傷をつけた

書き込み前のCDは慎重に扱わなければなりません。
CDは、書き込みの直前に開封するなど、ほこり、傷、指紋などには
十分に気をつけましょう。

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4,メディア

ここでは具体的なメディアの特徴を、主観的に述べたいと思います。

メーカ 型名 価格 反射材 色素 音楽 備考
Princo PRR-C74 128 シアニン × 昔でまわった台湾製の激安メディアです。
対光剤が薄いために長期保存に向きません。
ONKYO R74S 135 シアニン × Mr.DATAのOEMです。CD-ROMデータを作るので
あれば問題なく焼くことができます。
Mr.DATA (型番未記載) 98 シアニン × 台湾製の激安メディアです。しかし、評判はよく
データを焼くのであれば問題なしです。
CMC-74SV 128 シアニン
orアゾ
最近(98年末)になって登場しました。
性能は不明ですが、おそらく良好でしょう。
Maxel R74XL 150 金or銀 シアニン データを焼くのには良好なCD-Rです。
TDK R74S 170 シアニン
orアゾ
音楽データを焼くのには最適なCD-Rです。
レーベル面のコートが非常に丈夫です。
MITSUBISHI R74SN1P 138 アゾ 音楽データを焼くのには最高のCD-Rです。
色素にアゾを使っているので耐久性も抜群です。
RITEK R74 108 シアニン 台湾の大手、RITEKです。
性能的にはTDKに近く優秀です。

※価格は私の購入時の単価です。
※色素・反射剤は、推測です。

私の場合、データならMaxel、音楽ならTDK and MITSUBISHIだと思います。
ただ、最近購入した「ライラック」はTDK並みの性能があり、データはもちろん
音楽もOKでコストパフォーマンスが高いのでお勧めです。

音楽に最適なCD-Rの探し方

実際にCD-Rを選ぶとき、次の点をチェックしましょう。
まず、反射剤が金か銀かを調べます。
これは、記録面のふちで判断できます。
また、レーベル面が透明なものは直接反射剤を見ることができます。
音楽を焼くので必ずを選びましょう。(反射率が高いため)
最近になって、反射率が高い上に保存性にも優れるプラチナ製のものが
登場しました。

次に色素と対光材を調べます。
記録面を見て緑色か深緑のものはシアニンです。
深い青色のものはアゾですが、最近では青色のシアニンも登場しているので
区別がしにくくなっています。
あと、色の濃度もチェックします。
色の薄いものは対光剤が少ないので長期間の保存ができません。
この点はPrinco以外ならば大丈夫なようです。

上記の表では、性能とコストを含めて考えると
MITSUBISHI、TDK、RITEK、Maxel、・・・の順になります。

データCDに最適なCD-Rの探し方

CD-ROMであれば、たいていの場合は何でもOKです。
反射材は、酸化に強い金のものをつかうといいかもしれません。
色素は、対光性の優れたアゾかフタロシアニンを使うと良いでしょう。
CD-ROMの場合、メディアとドライブの相性はほとんど出ません。

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5,ドライブ

最近のCD-Rの人気は、メディアの価格下落だけではなく、ドライブ自体の
価格下落が影響しています。
昔(2年前)、CD-Rドライブは10万円もするものでしたが、今では4万円台です。
さらに、最近になってバルクで2万円台のドライブが登場するようになってから
ますます、CD-Rが注目されています。

そこで、現在人気のあるCD-Rドライブを一覧にしてみました。

ドライブ READ
WRITE
接続 バッファ シーク
速度
価格
(万円)
備考
TEAC
CD-R55S
×4
×12
SCSI 1MB 165ms 3 IODATAも採用している
信頼できるドライブ

R56Sは、99年になって登場

TEAC
CD-R56S
×6
×24
2MB
Panasonic
CW-7502B
×4
×8
1MB 175ms 2.5 CD-Rドライブの価格を劇的に下げた
人気のドライブ。メディアの相性問題多い
MITSUMI
CR-2801
×2
×8
ATAPI 512KB 200ms 2 激安CD-Rドライブ。海外向けのドライブ
なので、国内サポートなしDAOに未対応と
MITSUMI
CR-2802
512KB? 200ms 2 DAOに対応し、RWもできる。
MITSUMI
CR-4801
×4
×8
2MB 200ms 2 書き込み4倍速の人気ドライブ
MITSUMI
CR-4802
150ms 上のドライブに2倍速のRW機能を搭載したもの
Panasonic
CR-7582
×4
×8
1MB 3.3 書き込み4倍のATAPIドライブ
最近登場
NEC
PD-R220FBA
×2
×20
1MB 80ms 3.5 CD-ROMが高速。PDも扱うことができる。
別名PD-R

CD-RはSCSI接続というのが常識でしたが、最近になって安価に接続ができる
ATAPIが注目されています。ATAPIでは、CPUパワーが必要ですが
MMX Pentium233MHz以上あれば十分絶えられると思います。
また、書き込みSoftもATAPIドライブを多数サポートしています。

(1999年4月時点)

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