自作パソコン3

                MEMORY・M/B編

1,メモリー
2,マザーボード

1,メモリー

メモリーの種類

メモリーには,記録方式の違いでDRAM,SDRAMの2種類、
さらにDRAMはFastPageDRAMとEDOの2種類に分かれます。
また、ピン配置の違いでSIMM,DIMMの2種類あります。
電圧も3.3Vと5Vの2種類があります。
このようにメモリーはややこしいのですが実は
ほとんどが次の3グループに分かれます。

DRAM SDRAM
Fast Page EDO
ピン配置 SIMM (72Pin) DIMM (168Pin)
電圧 5 V 3.3V
パリティー なし/あり なし/ECC なし/ECC
増設 2枚単位 1枚単位
アクセスタイミング 非同期 同期
速度   FastPage < EDO < SDRAM

しかし、なかにはDIMMのEDOがあったりするので注意が必要です。

●SDRAMとDRAM

最近、メモリーのトレンドといえばSDRAMです。
このSDRAMは、DIMMパッケージで1枚単位で増設できるという特徴があります。
そして、最大の特徴はベースClockに同期して動作するということです。
従来のメモリーは非同期式で、アクセス速度が60nsや70nsでした。
コントローラはメモリーに合わせてWAITを入れます。
それに対してSDRAMはベースClockに同期するので最小15nsで
アクセスする必要があります。(ベースClockが66MHzの場合)

最近では、ベースClockが100MHzというものがあるので
これで動かすためには、PC-100規格のメモリーが必要です。

●容量について

最近では、メモリーの価格がかなり安くなってきたので
大容量のものを購入するといいと思います。
具体的には、最低64MB、できれば128MBほしいところです。
もし、3Dグラフィックスや、ビデオ編集をする場合は
メモリーはつめるだけつみましょう。

●SDRAMの注意点

SIMMの時代は、メモリーの相性問題にはそれほど気を使わなくても
たいていは動くものでした。
しかし、SDRAMの時代になって相性問題というのが出てくるようになりました。
しかし、「相性」とはいっても実際にはユーザーが気をつけることですむことができます。
次にいくつかの注意事項をならべます。

対応周波数の違い

ベースクロックを100MHzで動かしている場合、メモリーのアクセス速度が
10nsでは、実際には足りません。ぜひ、PC100規格のメモリーを買いましょう。

クロック

メモリーには、2クロックのものと4くろっくのものが存在します。
たいていは4クロックのものですが、一部には2クロックのものがあります。
これらの間には互換性がありません。

CAS

メモリーのアクセスのタイミングにCASというものがあり、2か3です。
CAS=2のほうが高速ですが、動作が不安定ならばCAS=3にしましょう。

バッファー

メモリーには「バッファード」と「アンバッファード」の2種類があります。
最近のメモリーはアンバッファードです。
高速アクセスをするために、バッファーをなくしています。

メモリーチップ数

このようにバッファーを積んでいないので信号出力が弱く
配線が長いと正確にデータが伝わらなくなります。
そのため、チップ数やメモリー基盤数は少なくします。
チップ数が多いと、消費電力も大きくなり不安定になります。

BIOSの未対応

最近の大容量メモリーチップに対応できないBIOSがあります。
このような時は、BIOSをアップグレードしましょう。

SPD対応メモリー

SPDとは、メモリー上にメモリー自体の情報を格納するROMを積み
この情報をマザーボードに送ることで正確に信号のやり取りをするというものです。

SIMMと混在

SDRAMとSIMMを混在して使うと問題が起きます。
SDRAMは3.3Vの電源、信号を扱うのに対して、SIMMは
5Vです。電源を別々に供給するマザーボードでも、信号線は共通なので
SDRAMの方が痛んできます。

チップセットに依存する相性

これでもだめなら、相性問題ということになります。
MVPやALi系のマザーボードだと、SECとの相性問題はあるようです。
もっとも良いのはHyndaiのメモリーチップで、NECでもうまくいくようです。
しかし、BX系のマザーでは、SECがもっとも相性がよく、133MHz駆動できるという話は
よく聞きます。Hyndaiでもそこそこいくようです。
つぎは、マザーボードがAOPENのAX59Proの場合でのメモリー動作表です。
この表はチップセットがMVP3の場合なら、たいていのマザーボードに当てはまると思います。

PC100対応 128MHz CL=2 メモリー
メーカ 型番 112MHz 100MHz 備考
Hyundai HY57V168010CTC-10 チップ数が多く良くない
HY57V658020ATC-10 × PC-100未対応のため
HY57V658020ATC-10P 私も購入 評判が良い
HY57V658020ATC-10S CL=3用のチップ
SEC KM48S8030BT-GH ×
NEC D4564841G5-A80-9JF
LGS GM72V66164CT7J CL=3での動作
GM72V66841CT7J
Micron MT48LC8M8A2TC-10
東芝 TC59S6408BFT-80
TC59S6408FTL-80H
WinBond W986408AH-8H
日立 HM5264805TTB60

 

複数のテストでも動作
動作
× 動作せず
(空欄) 未確認

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2,マザーボード

パソコンの本体ともいえる部分が「マザーボード」です。
このマザーボードで中心的な役割を果たすのがチップセットです。
このチップセットを何にするのかというのは、CPUよりも重要
ここでパソコンの拡張性や性能が決まってしまいます。
具体的には、下記のようなことがチップセットにより決まります。

このように、チップセットで祖紺に基本性能・拡張性が決まってしまいますので
チップセットに何を使うかは重要です。


チップセット

チップセットもCPUと同様に、Intel製のものと、互換チップがあります。
Soket7対応のチップセットはIntel,互換チップなどが多数有ります。
しかし、Slot1は、ほとんどがIntel製で、互換チップはあまりありません。
以下に、Soket7、Slot1別にまとめてみました。

●Socket 7

チップ
セット
メーカ Clock L2 最大MEMORY 対応MEMORY Ultra
DMA/33
AGP ACPI
430HX Intel 50/60/66 512KB 512MB FP,EDO × × ×
430VX Intel 50/60/66 512KB 125MB FP,EDO,SD × × ×
430TX Intel 50/60/66 512KB 256MB FP,EDO,SD ×
SiS5591 SIS 50/60/66
75/83/100
1MB 768MB FP,EDO,SD
VPX/97 VIA 66/75 2MB 512MB FP,EDO,SD × ×
VP3 VIA 66/75 2MB 1GB FP,EDO,SD,DDR
MVP3 VIA 66/75/100 2MB 1GB FP,EDO,SD,DDR
ALADDiN W+ Acer 50/60/66
75/83
1MB 1GB FP,EDO,SD ×
ALADDiN X Acer 50/60/66
75/83/100
1MB 1GB FP,EDO,SD

●Slot 1

チップ
セット
メーカ Clock 最大MEMORY 対応MEMORY Ultra
DMA/33
AGP ACPI
440FX Intel 50/60/66 1GB FP,EDO × × ×
440LX Intel 66 1GB FP,EDO,SD
440BX Intel 66/100 1GB FP,EDO,SD
ALADDiN
ProU
Acer 66/100 1GB FP,EDO,SD

このように、チップセットは多数あります。
この中でもCheckしておきたいのは、ベースClock、SDRAM,UltraDMA/33に
対応しているかという点です。この他にも、USBや、対応するPCIの数も
Checkしておきたいところです。

なお、このチップセットとVideoボードで相性問題が発生することがよくあります。
このような問題を避けるには、Intelのチップセットを使えば安全といわれています。
しかし、実際にマザーボードorVideoボードを買うときには
店員に確認してみたほうがいいでしょう。


マザーボード

マザーボードの性能は、チップセットによってほぼ決まります。
しかし、チップセットにある機能をすべて使っていないマザーボードも多く
特にPCIスロットの数は、スペースの関係で削減されていることが多いので
注意が必要です。

マザーボードを購入するときは次の点もCheckするといいでしょう。

  1. 拡張Slot
  2. USB
  3. ボードタイプ
  4. ACPI
  5. 自己管理機能
  6. BIOS

ACPIは、省電力機能のことです。
Sleepモードが使えるかということは結構重要です。
自己管理機能とは、CPUの温度やファンの回転数をCheckするものです。

「ボードタイプ」と「BIOS」は次の項目で説明します。

●BIOS

マザーボードにどのようなBIOSを使っているかもCheckしておきましょう。
BIOSにはおもに、AMI BIOSとAward BIOSの2種類があり
次のような特徴を持っています。

長所 短所
AMI 設定が簡単 設定項目が少ない
採用ボードが少ない
Award 設定項目が多い
採用ボードが多い
設定が複雑

●ボードタイプ

マザーボードには、AT、ATX、NLXの3つのパターンがあります。
昔はIBMパソコン互換のATが主流でしたが、最近ではATXが主流です。
また、NLXは将来主流になるといわれ、NECのNXシリーズに採用されています。

ATXは、ATと比べて部品同士の相性問題がかなり減少し、電源のSoftでの管理が
できるようになりました。NLXは、マザーボードもSlotタイプになったため
マザーボードの交換も簡単にできるようになりました。

●On Board Parts

マザーボードによっては、SCSI、Videoボード、サウンドボードがすでに
のっているものがあります。こういったものは、それぞれの部品を
単独で買うよりも安く済み、相性問題も起きないので
検討をしてみてはどうでしょうか?

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