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今回の自作は、安全志向でいったので比較的順調にいったほうだと思います。
自作をする上で、考えられるトラブルをまとめてみました。
ATXでは、ソフトウェアで電源を管理します。
電源も賢くなり、異常な電流を監視したりブレーカー機能を搭載するようになりました。
しかし最近、マザーボードと電源との間で相性問題が再び問題となっています。
これを防止するには、ATX Ver2.01以上の規格のケースを購入をすれば
恐らく大丈夫だと思いますが、実際には店の方に聞いてみるといいでしょう。
私は、マザーボードとケースを両方ともAOPENにしたので全く問題はありませんでした。
Socket7で、AGP機能を使おうとするとよくトラブルが発生します。
98年の春頃は相性問題が頻繁に起きていましたが、最近(冬)では安定してきました。
有名な相性問題として、Intelのi740というグラフィックチップと、MVP3など
Intel以外のチップセットを使うと、「Intelのチップセットを使用せよ」という警告が出てしまい
使用できないことがありました。
しかし、AGPドライバーを最新のものにすれば順調に動作することが多いです。
もし、それでの心配ならば、Intelのチップセットを使うといいでしょう。
マザーボードによっては、CPUによっては動かないことがあります。
しかし、マザーボードには対応するCPUが掲載されているので
それに載っていればまず間違いなく動作します。
最近、Intelの新Celeronは、旧Celeron対応のマザーでは動作しないことが
話題となりましたが、これもBIOSを書き換えればOKです。
(ただし、CPUが動作しないのにどのようにBIOSを書き換えればいいのか
という大問題はある。)
SIMMの時代には、メモリーの相性問題はあまりなかったのですが
DIMMの時代からは、メモリーの相性問題が盛んに話題になりました。
ベースClockを100MHzで動かす場合は、PC100規格対応の
メモリーを使うと問題ないと思います。
PCの動作は順調だと思われていたのですが、ひとつだけ問題がありました。
それは、サウンドボードです。
サウンドカードはいわばおまけ的なものだったのであまり調べもせず
安価なATrendのATC-6655を3000円で購入しました。
これには、MIDIの音質がよいといわれているYMF724E-Vを使用しているのですが
再生時の音が高音側にかぶってしまい、「しゃりしゃり」という音になってしまいました。
この現象は、MIDIだけでなくWAVEの再生時や、LineIN、CDINの音までもが
「しゃりしゃり」としてしまい、重低音部分がなくなってしまい、重みに欠けた音に
なってしまいました。
最初は安物のカードのせいでAMPが悪かったのだと思い、同じYMF724を
採用しているYAHAMAのWAVEFORCEを購入しました。
しかし、音質はATrendと変わりませんでした。
これは、MVP3との相性問題と思ったので、IntelのHXのチップセットを
採用した市販のパソコンで試してみました。(ただし、PC-98なので動作保証対象外)
しかし結果は変わりませんでした。
また、同じATrendのAtc-6655を使用している知人のPCでも
この現象は起きていました。(チップセットはIntelのBX)
しかし、ISAでYMF719のチップを採用しているサウンドカードを組み込むと
全く問題が起きず、LineINとLineOUTの音が同じになり、低音域も
しっかり出るようになりました。
これらの現象を表にまとめてみました。
ATrend ATC66-55 |
YAMAHA WAVEFORCE |
FIC ? |
||
チップセット | YMF724E-V | YMF719 | ||
バス | PCI | ISA | ||
チ ッ プ セ ッ ト |
MVP3 (自作PC) |
× 「しゃりしゃり」 |
× 「しゃりしゃり」 |
○ 重低音もOK |
HX (NEC PC-98) |
× 「しゃりしゃり」 |
× 「しゃりしゃり」 |
− (装着不可) |
|
BX (自作PC) |
△ 少し「しゃりしゃり」 |
− 未確認 |
− 未確認 |
実は、このページを書いた日に解決策が見つかりました。
以前、ATC-6655は、LineOUTの信号出力が弱いということです。
そこで、イヤホンを接続するとパワーが不足するので
エネルギーの低い低音部分の音が消えてしまい、高音だけ残るのでは?と思いました。
イヤホンの抵抗は18オームでしたが、これに1kΩの抵抗を直列に
つないで見ました。すると低音部分までわりとなることがわかりました。
しかし、このときにはボリュームを最大にしないとならず、高音,低音が
今一つ伸びがありませんでした。
これから、音が悪い原因は、パワーのないライン出力にあるということが判明しました。
ATC-6655では、信号をAMPを通さずに出力するLineOUTモードと
AMPを通すSpeakerOUTモードがあります。
先ほどの、「高音、低音域の音ののびが今一つ」というのは、Lineの信号で
イヤホンを鳴らしているので限界に達してしまったのではないかと思い
SpeakerOUTモードの信号を抵抗で減衰させてイヤホンで聞く方法を
とってみました。
結果は、ばっちりでした。
高音から低音まで迫力のある音が出るようになりました。
また、直接スピーカーにつないでも大変良質で、迫力のある
音が出ました。
製作は思ったよりも早く終わりました。
また、サウンドカードの件を除けばすんなりといきました。
(結局、サウンドカードの件も解決しましたが)
しかし、自作パソコン特有の「リスク」というものも経験しました。
初期不良はめったにないものだと思っていましたが、実際には結構発生しています。
これは、自作PCだけではなく、メーカー製のPCにおいてもかなり発生しています。
私は、いままで、NECのパソコンを4台購入していますが、そのうちの3台は
なんだかのトラブルがありました。(初期不良率75%)
しかも、一回の修理で直らずに何回も修理に出したこともありました。
(決して使用方法が悪いとは思わないのですが・・・)
また、SONYでも電源が突然切れるトラブルがありました。
NEC | PC9801EX | DESK | OK |
PC9821Xa/C9W | DESK | マザーボード、Videoカードの不良 修理回数、なんと5回!! |
|
PC9821Xa16/W16 | DESK | HDが不良 | |
AL-13 | NOTE | 液晶が不良で、2回交換 | |
SONY | PCG-N505EL | NOTE | MIDIを再生すると電源が切れる |
このほか、大手メーカーのパソコンでもトラブルはかなりあります。
パソコン関係のバイトをしていたときでも、PCの電源が入らないというトラブルで2台あります。
それも、新品のパソコンの梱包を解いて電源を入れるという
最も基本的な作業でトラブルが発生しました。
また、96年当時は購入したパソコンの7割が不良品だったということもありました。
このように、製品Checkをしっかりと行っていると思われる企業のものでも
初期不良はかなり発生しています。
自作パソコンのパーツの話に戻ります。
以上のような結果から、自作パソコンのパーツでの初期不良発生率は
10%と見ています。(HDでは、もう少し高い)
またパーツ自身には不良がないものの、パーツ独自の「コツ」がわからないので
トラブルが発生する可能性は50%あると考えられます。
したがって、パーツを買うときには安易に安い店で買うのではなく
サポートのしっかりした店で買うのがいいと思います。