タイトル

高校物理1

力学編

タイトル

1,速度 速度と時間 距離と時間 速度と距離
2,エネルギー 運動 位置 バネエネルギー エネルギー保存の法則
3,運動量 運動量 衝突 運動量保存の法則
4,モーメント モーメント
5,円運動 円運動 万有引力

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1,速度

速度とは、物体がある時間に動く距離のことです。
例えば、時速60Kmというのは、1時間に60Km動くということです。
小,中学校では、「距離」「時間」「速さ」の間に

s=v×t     s:距離  v:速さ   t:時間

という関係があることを習っていると思います。

高校では、これに「加速度」というのが加わります。
加速度とは、物体がある時間にどれだけスピードは変化したかというものです。
例えば、「加速度10m/s2で落下」すると、5秒後には秒速50m/sになります。
加速度の単位はm/s2というものを使います。
加速度を用いると以下の公式ができます。

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速度と時間に関する公式


v=vo+at

これは、速度は初速度に(加速度)×(時間)をたしたものだということです。

問題
物体を下に5m/sで投げた。物体の加速度は10m/s2として
7秒後の物体の速度を求めよ

解答
公式より
v=vo+at
 =5 +10×7
 =75[m/s]

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距離と時間に関する公式


s=vo t+at2   vo:初速度  s:距離
      2      t:時間   a:加速度

物体の位置sは、このように決まります。
ところで、a=0にすると最初に出てきたs=v×tという公式になります。

問題
物体を下に5m/sで投げた。物体の加速度は10m/s2として
7秒後の物体の距離を求めよ

解答
s=vo t+1/2 at2
 =5×7+1/2 10×72
 =35+245
 =280[m]

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速度と距離に関する公式

2−vo2=2as
    v:速度  vo:初速度  a:加速度  s:距離

この公式はわりとよく使います。

問題
物体が10m/sで運動している。2m/s2で減速し停止する間に
物体はどれだけ移動するか?

解答
v2−vo2=2as  より
s=2−vo2
   2a
 =2−102
  2×(−2)
 =25[m]

今のことで気をつけることは、停止=0m/sであることと
2m/s2で減速=−2m/s2で加速だということです。

実際の問題はこれら3つの公式を組み合わせて解きます。

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2,エネルギー


W=F・s
 =F s cosθ

という関係があります。ただ右辺は加えた力Fと、
実際に物体の動いた方向sのベクトルの内積になります。単位はJ(ジュール)を用います。
また、1秒間あたりにした仕事は

p=W/t   t:時間 p:仕事率

で、pの単位はW(ワット)です。これは日常に用いるワットのことです。 斜面上の運動

問題
右図の用に50kgの物体が30°の斜面に乗っている。
10秒間に2m動いたとき、
(1)重力が物体にした仕事
(2)重力の仕事率
を求めよ

解答
(1)F・・・重力は下に50×9.8=490[N]の力を加え、
  s・・・移動した距離は2[m]
  θ・・・Fとsのなす角度は60°なので
 W=F s cosθ
  =490×2×1/2
  =490[J]

(2)p=W/t
   =490/10
  =49[W]

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運動エネルギー


K=mv2
  2

エネルギーは質量に比例し、速度の2乗に比例します。

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位置エネルギー


U=mgh

ここで、hはある基準面から、上向きを正としたときの距離です。
基準面は自由にとれるため、位置エネルギーは相対的なものになります。

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バネエネルギー

バネ係数kのバネには、フックの法則があります。

F=kx  k:バネ係数 x:バネののび

つまりバネが物をひく力(復元力)はのびに比例します。 バネエネルギーは、


W=kx2
  2

で、決まります。


エネルギー保存の法則

上のエネルギーの合計は保存されます。これをエネルギー保存の法則といいます。
但し、摩擦が存在すると保存されません。

問題
高さ10mの建物から物体を落下させたとき、接地直前の速度を求めよ

解答
接地直前の速度をv、質量をmとする
落下前の各エネルギーは
 運動エネルギー:1/2 × m × 02 = 0
 位置エネルギー:m × 9.8 × 10=98m

落下後の各エネルギーは
 運動エネルギー:1/2 × m × v2 = mv2/2
 位置エネルギー:m × 9.8 × 0=0

エネルギー保存の法則より
0 + 98m = mv2/2 + 0
v2=196
v =14[m/s]

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3,運動量

運動量は、次のように定義されています。


p=mv    m:質量   v:物体の速度

単位はkg・m/sです。
これと似たものに「力積」という物があります。定義は次の通りです。


N=Ft    F:加えた力 t:力を加えた時間

単位はN・sです。
この、「運動量」と「力積」というのは同じ物です。(定義が違うが・・・)
そして、エネルギーは正のスカラーで表せたのですが
運動量はベクトルで表します。つまり、方向というのがあります。

問題
野球で、ピッチャーが質量0.1kgのボールを40m/sで投げました。
バッターはこれを30m/sで打ち返しました。このとき、
 (1)バッターがボールに加えた力積を求めよ
 (2)ボールとバットが0.03秒間接したとき、ボールに加わった力を求めよ
但し、ボールが打ち返された方向を正とする。

解答
バッターがボールに加えた力積をNとすると、
−0.1×40 + N = 0.1 × 30
N=7[kg・m/s]

N=Ft より
7=F×0.03
F=233[N]

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衝突

速度aで運動していたものが衝突によってbになったとき、跳ね返り係数は

e=−b/a

です。つまりeとは衝突によって速度が何倍になったかということを意味します。
eのとりうる値は0≦e≦1で、特にe=0の時を完全非弾性衝突、
e=1を完全弾性衝突(単に弾性衝突ともいう)といいます。
また、物体を高さhから跳ね返り係数eの床に落としたときに
跳ね上がった高さをh’とすると、

h’=e2

という関係があります。

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運動量保存の法則

ある系に対して外系から力を加えない限り、運動量は保存します。
これを運動量保存の法則といいます。

問題
質量12kgの物体Aが速度5m/sで運動している。
これが質量8kgで静止している物体に弾性衝突をした。
衝突後のA,Bの速度を求めよ

解答
衝突後のA,Bの速度をVA,VBとすると
運動量保存の法則より
12×5 + 8×0 =12VA + 8VB  −−−@

また、弾性衝突をしたので
VA−VB=−1(5−0)           −−−A

これらを連立させると
VA=1[m/s]
VB=6[m/s]

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4,モーメント

モーメントNは

 N = r × F

|N|=|r||F|sinθ  θ:rとFのなす角

で定義されています。本来、モーメントはベクトルで位置ベクトルrと
力Fの外積で定義されます。
複数のモーメントがある場合、時計回りを正、反対を負として加算します。
結果が0なら釣り合っているので動きません。
もし正なら、時計回りに動きます。
モーメント

問題
右図のシンソーはどちらに動くか?

解答
シンソーの支点を中心のモーメントを考える。
左には、反時計回りにモーメントが加わっているので符号は負になる。
rとFのなす角は90°なので、
N1=−1×(15×9.8)×1=−147
一方右はN2=+1×(10×9.8)×3==294
N=N1+N2=−147+294=147

正なので、時計回りに回転する→右に倒れる。

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5,円運動

半径rの円運動をしている物体を考えます。

v=rω     ω:角速度 v:速度
a=rω22    a:加速度 r:半径
      r
F=mrω2mv2     F:遠心力 m:質量
       r

ここで登場したωは1秒間に何ラジアン回転するかというものです。
5秒で1周するときは、ω=2π/5になります。

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万有引力

質量Mとmの物体が中心間の距離rのとき、引力は次のように求まります。

F=GMm
   r2
問題
第一宇宙速度を求めよ
但し、地球の質量をM、万有引力定数をG、地球の半径をRとする。

解答
人工衛星が地球の周りを回転するとき下向きに重力、上向きに遠心力を受ける。
重力は人工衛星の質量をmとすると
F1=GMm
   R2

一方遠心力は
F2=mv2
   R

F1=F2なので、
v2GM
   R

v=/GM\1/2
  \ R /

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