1,電界 | 電荷 点電荷 エネルギー |
2,電流 | 抵抗 コンデンサー キルイホッフの法則 ホイートストンブリッジ 交流 |
3,磁界 | 電流と磁界 コイル フレミングの左手の法則 ローレンツ力 |
4,電磁誘導 | 誘導起電力 自己誘導 相互誘導 |
電界は電気的な作用が外部から及んでいる空間のことです。 電界を求める式は次の通りです。
E=V/d E:電界 V:電圧 d:距離
例えば、10cm離した金属板に0Vと100Vの電圧をかけると
E=100/0.1=1000[v/m]になります。
これは、1m進むと電圧が1000V上昇するような電界がかかっていることを意味します。
この電界の値があまりに大きいと放電します。この現象は自然界にも「雷」としてあります。
なお、電界はベクトル量になっています。向きは+から−の向きです。
また、電荷というものがあります。
これは、+の電気を多く持っていると「正の電荷」
反対のものを「負の電荷」といいます。
電荷を持っているものが電界中にあると
F=qE E:電界 q:電荷 F:力
という力を電界の方向に受けます。
右図の場合、電界は+から−の向きになります。
負電荷がある場合、力は電界の向きと反対向きになります。
電荷と電流は密接な関係にあり
Q=It I:電流 t:電流を流した時間
電荷がq1,q2の電荷の距離がrのとき
F=k q1q2 r2
という反発力を受けます。(Fが負であれば、引力)
ここで、kは
k= 1 4πεo
という関係があります。高校ではkを用いた式を、大学ではεoを
用いた式をよく用います。εoは真空の誘電率のことです。
点電荷の周りの電界は
E=kq r2
です。これにQかけたものは先ほどの式になります。
点電荷の電位は
V=kq r
エネルギーは
W=qV
で決まります。
問題 電子を100Vの電位差で加速したときの速度を求めよ 但し、電子の質量をme、電荷をeとする。 解答 1mv2=eV より 2 1mev2=100e 2 v2=200e=200×1.76×1011 me v =5.93×106[m/s]
電流とは電荷を持った電子の流れです。
抵抗には「オームの法則」という有名な法則があります。
V=R×I R:抵抗 I:電流 V:電圧
抵抗値Rは次のようにして求めます。
R=ρl l:抵抗体の長さ S S:抵抗体の断面積
ρは抵抗率というもので、物体によって決まっています。
物質名 | 抵抗率[Ω・m] |
銅 | 1.72×10-8 |
鉄 | 9.8×10-8 |
ニクロム | 1.09×10-6 |
抵抗R1とR2を並列接続したときの合成抵抗をRとすると
1=1 + 1 R R1 R2
という関係があります。
抵抗R1とR2を直列接続したときの合成抵抗をRとすると
R=R1+R2
という関係があります。
コンデンサーの構造は2枚の金属板を向かい合わせたものです。
コンデンサーの容量の単位はF(ファラド)を使います。
電荷とは以下の関係があります。
Q=CV Q:電荷 C:容量 V:電位差
コンデンサーの容量は金属板の面積をS、距離をdとすると、
C=εoS d
キルイホッフの法則には2つあります。
・ある点について電流の総和は0である。 ・ある閉回路の電圧は0である。
例えば右のような回路を考えます。
電流の向きI1〜I3は、適当に決めています。
(反対にすると値も負になるだけ)
まず、第1法則より左側の点を考えると
I1+I2=I3 −−−@
また、第2法則より任意の閉回路を2つ考える。
まず、E1→R1→R3→E1という閉回路を考えると
E1−R1×I1−R3×I3=0 16−20×I1−20×I3=0 −−−A
また、E2→R2→R3→E1という閉回路を考えると
E2−R2×I2−R3×I3=0 4−10×I2−20×I3=0 −−−B
以上の3つの方程式を解くと
I1= 0.50[A] I2=−0.20[A] I3= 0.30[A]
これから、I2は予想した向きとは反対に電流が流れていることがわかった。
ホイートストンブリッジは、右のような回路構成をしています。
真ん中に検流計(電流計の感度が高いもの)があります。
この検流計に電流が流れないとき以下の式が成り立ちます。
R1:R3=R2:R4 R1R4=R2R3
これらは同じことを意味しています。
直流電圧では、コイルの抵抗は0、コンデンサーの抵抗は無限大になります。
しかし、交流電圧では違ってきます。
交流での抵抗は「リアクタンス」といいます。
交流の角速度をωとするとコンデンサーのリアクタンスは
1 ωC
です。コイルの場合は、
ωL
です。
磁界は電界に似ています。
磁界はHをつかい磁荷はmをつかいます。(電界のEと電荷qに似ています。)
F=mH F:力
時速密度は磁界の強さに比例します。
B=μo H μo:真空の透磁率
μoは定数で値が決まっています。時速密度の単位はWb/m2です。
直線電流に電流Iを流すと右ねじの法則に従って磁界が発生します。
H= I r:電線からの距離 2πr I:電流
これは、直線電流が流れると円上に磁界が発生します。
逆に円上に電流が流れるとき(コイルのようなもの)中央の磁界は
H= I r:電線からの距離 2r I:電流
コイルとは電流から強力な磁界をつくるものです。
コイルの磁界の強さはコイルの巻き数の密度と電流の強さで決まります。
1mあたりの巻き数をnとすると
H=nI
で磁界の強さがわかります。
フレミングの左手の法則とは左手の親指が力、
人差し指が磁界、中指が電界に相当します。
力は電界と磁界に対して垂直に働きます。大きさは、
F=I B L sinθ
この、θは磁界と電界のなす角度です。
Iは電流、Bは時速密度、Lは電線の長さです。
電荷を持ったものが磁界中を運動すると力を受けます。
F=qvB sinθ
qが電荷、vが速度、Bが磁束密度でθはvとBのなす角度です。
誘導起電力は磁束の時間変化に比例します。
V=−n刄ウ Φ:磁束 凾 Φ=BS B:磁束密度 S:コイルの断面積
問題 断面積4×10-4[m2]で巻き数が1000回のコイルが 磁束密度7Wb/m2の磁界におかれています。 0.5秒後に2Wb/m2に変化したときの誘電起電力を求めよ 解答 刄ウ=凾aS =(2−7)×4×10-4 =−2×10-3 V=−n刄ウ 凾 =(−1000)×(−2×10-3) 0.5 =4[V]
もしコイルの両端をショートさせたとき、電流は無限大流れるような気がしますが
実際は、コイルの内部抵抗があるので有限値になります。
では、超伝導物質でコイルとつくったらどうなるでしょうか?
このときはコイルは磁束を変化させまいと外界の磁束をはじいてしまいます。
これを「マイスナー効果」といいます。
これは、コイルをもっと簡素化したものです。
直線上の導体を磁界中で動かすと両端に電位差が発生します。
V=vBL sinθ
vは導体を動かす速さ、Bは磁束密度、Lは導体の長さ、θはvとBのなす角です。
コイルに流している電流を止めてもコイル内の電流は
しばらく止まらないという現象があります。
V=−刄ウ=−L凾h L:コイルの自己インダクタンス 凾煤@ 凾
Lはコイルによって決まっています。
L=μoN2S N:コイルの巻き数 S:コイルの断面積 l l:コイルの長さ μo:真空中の透磁率
鉄心にコイル2つを通すとトランスができます。
片方のトランスで磁束の変化があるともう片方で電磁誘導があります。
V=−刄ウ=−M凾h M:コイルの相互インダクタンス 凾煤@ 凾
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