タイトル

初めの物理

タイトル

1,参考文献 お薦めの本
2,記号 ギリシャ文字
3,数学 全微分と偏微分 ベクトル 整式
log 三角関数 複素平面 クロネッカーのδ式

このページでは、物理を学習する前に必要な知識を解説します。
実際の大学の授業では暗黙のうちに、公式や知識を利用してしまい
訳が分からなくなることが結構あります。

以下の公式は知っておかないとまずいものばかりなので
しっかり身につけてください!

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1,参考文献

物理の学ぶ前に以下の本で数学の知識を付けた方がいいと思います。

お薦めの本

物理入門コース 1〜10

出版:岩波書店

1力学     6量子力学2
2解析力学   7熱・統計力学
3電磁気学1  8弾性体と流体
4電磁気学2  9相対性理論
5量子力学1 10物理のための数学

これらの本は、物理の内容を適度に含んでいるので、
物理科の学生には最適だと思います。
どの本も、価格は2000〜3000円ぐらいです。
また、ページは約200ページです。
物理をはじめるにあたってまず読んでみたいのは10の「物理のための数学です」
最初に全て読む必要はありませんが、微分,ベクトル,行列ぐらいは
読んでみてください。後は学校の授業にあわせてテキストを選んでください。

物理入門コース演習 1〜5

出版:岩波書店

1力学演習
2電磁気学演習
3量子力学演習
4熱・統計力学演習
5物理数学

物理の演習をするのに適した本です。
価格やページ数は先ほどの本とほぼ同じです。
演習と演習問題が半分ずつあって、解説も細かく載っています。

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2,記号

ギリシャ文字

物理、数学の分野では、a,b,c s,t,uのように文字式を使うことが多くありますが
α,β,γというのも同様に使います。

α  アルファ ν  ニュー 
β  ベータ  ξ  クサイ 
γ  ガンマ  ο オミクロン
δ  デルタ  π  パイ  
ε イプシロン ρ  ロー  
ζ  ゼータ  σ  シグマ 
η  エータ  τ  タウ  
θ  シータ  υ ユープシーロン
ι  イオタ  φ  ファイ 
κ  カッパ  χ  カイ  
λ  ラムダ  ψ  プサイ 
μ  ミュー  ω  オメガ 

この読み方は、ギリシャ読みと英語読みで異なっている部分が多くあります。
日本では、両者を混在して使用しています。どちらかというと英語読みの方が多いようです。

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3,数学

全微分と偏微分

偏微分は、∂f(x,y)/∂xのように表します。これは高等学校でやったふつうの微分と考えられ、
yを単なる定数と考えてxで微分する。
全微分は、 df(x,y)/ dtのように表します。
これは、x,yの両方がtの関数なので2回に分けて
微分する必要があります。計算は、

df(x,y)=∂f(x,y) dx + ∂f(x,y) dy
  dt      ∂x    dt     ∂y    dt


問題
f(x)=x2y + xy2 のとき、xについての偏微分と、tについての全微分を求めよ

解答
∂f(x,y) = 2xy+y2
 ∂x

df(x,y) = ∂f(x,y)  dx + ∂f(x,y) dy
   dt      ∂x      dt     ∂y    dt

={2xy+y2} dx + {x2+2xy} dy
          dt            dt

x,yがtの式で表せていたらdx/dt,dy/dtが計算できる(変数が一つなので単純な微分)

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ベクトル

●表し方

高等学校の知識ではベクトルの上に「→」というものがあったのですぐにわったのですが
大学ではのようにあらわします。(太字のa)
また、を時間tで微分したもの(d/dt)をaのドットといって
aの上に点をくっつけます。(パソコンでは表せないので、以後′と表します)
を2回微分するとに2つ点を付けます(ここでは″)

●単位ベクトル i,j,k

これは、すべて単位ベクトルで、 =(1,0,0) =(0,1,0) =(0,0,1)

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整式

●∀と∃

「∀」は数学的には「任意」といいます。この記号は単独で使うことはなく
「∀x」といったように使います。意味は「すべてのxが」です。
「∃」は「特定の・・・」といった意味になります。「∃x」といったように書くと
意味は「あるxが」です。
f(∀x)=0だとxがなんであれ、f(x)=0ということになり、
f(∃x)=0だとxがある特定の値を持つとf(x)=0になるということになります。

●∴と∵

∴は「よって」,「したがって」という意味があります。

∵は「なぜならば」という意味があります。

●RとCとZ

よく、変数xを定義するときに、x∈Rやx∈Cという用に書きます。
Rは変数が実数の範囲ということを表し、
Cは変数が複素数の範囲ということを表し、
Zは変数が整数であることを表します。

また、R2 (Rの2乗)というのは2変数で定義された平面で
3乗ならば3変数のの空間ということになります。

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log

●logと底

大学では、「log」と書いたら底が10であることを示していて、「ln」と
書いたら底がe(自然対数)を示しています。
大学では、ほとんどlnを使います。

●スターリンの式

n≫1において logn! ≒ n(logn−1)
通常、logにn!がでると計算できないが、上式のように近似することで解決します。

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三角関数

高校では、sin,cos,tanというものを習ったのですが
大学ではさらに次のものも覚える必要があります。

cosec「コセック」   cosecθ =  1  
                 sinθ

sec「セック」      secθ =  1  
                  cosθ

cot「コタンジェント」   cotθ = cosθ
                 sinθ

他にも三角関数と似た双曲線関数があります。
sinh,cosh,tanhと記述し、次の関係があります

cosh2θ-sinh2θ=1

1-tanh2θ =    1    
             cosh2θ

 d sinhθ = coshθ      d coshθ = sinhθ
dx                     dx

sinh2θ = 2 sinh cosh        cosh2θ = cosh2θ + sinh2θ

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複素平面

-ix=cos(x) + i sin(x)

この式はわりとよくでてきます。証明はcosとsinとexpをテイラー展開すればわかります。
また、双曲線関数を用いると、

-x=cosh(x) + sinh(x)

になります。

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クロネッカーのδ式

δij と書きますが、i=jの時に1となり、 そうでないときは0になります。

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