1,原理 |
2,装置 |
3,方法 |
4,結果 |
5,考察・まとめ |
6,おまけ |
「霧箱」とは、20世紀の原子物理で大活躍した装置で
放射線の軌跡を肉眼で間接的にみることができます。
過冷却したエタノール気体はちょっとした衝撃で液体になります。
(これは、エタノールに限らず水でも起きます。)
もし、過冷却状態のエタノールに放射線が通過すると通った部分だけ
液体になります。(見た目には湯気のような状態になります。)
このようにして放射線の軌跡を間接的にみることができます。
装置全体は断熱性の高い発泡スチロールで覆います。
冷却剤は液体窒素(77K)を使います。
容器に直接液体窒素がかかって冷えすぎないようにするため、
放熱板で間接的に冷やしています。
上部と下部には、装置内の雑イオンを除去するために
千数百ボルトの電圧をかけます。
また、放射線の軌跡を見やすくするために黒い紙を敷きます。
そして、装置上部に布を張り巡らせて、たっぷりとエタノールをしみ込ませます。
ここから、気化したエタノールが蒸発するわけです。
最後に透明なラップで装置を密閉します。
(密閉できるのならば、ガラス板、アクリル板でもかまいません。)
上記の装置を数分間放置すると下の方で煙のようなものが発生すます。
この煙が対流を起こさないように装置を水平にしてください。
その中に放射線源を入れると、放射状に直線的な筋ができます。
エタノール気体を反応しているのは主にα線です。
α線の正体はヘリウムの原子核で、非常に強い電離作用があります。
この実験では、ラドンの気体を入れます。
これをVideoに撮って解析することによって
α線の速度やラドンの寿命がわかります。
次の3つを行うことで非常によくα線を検出できることがわかりました。
(勢いよく入れると、衝撃で液体になってしまう。)
検出数は、2〜20個/秒の割合です。
これより、かなりばらつきがあることがわかります。
しかし、時間とともに何となく減少していることがわかります。
これから半減期は1.0×103[s]とわかりました。
ただし、これにはかなりの誤差があります。
(50KB)
霧箱の上と下に見える縦の白い筋がα線の軌跡です。
中央から右に螺旋状に回転したα線の軌跡も見えます。
(53KB)
中央に3方向からやってきたα線の軌跡が見えます。
この装置は、弁当箱の周りに黒い紙を貼り、上部にエタノールをしみ込ませた
布を巻いています。蓋には透明なアクリル板を使い、雑イオン除去には
静電気を用いています。