1,クォークとレプトン | |
2,4つの力 | 力の種類 力の統一 |
3,反粒子 | 真空 反素粒子 研究 |
クォークは6種類あり電荷が−e/3と2e/3の2グループに分けることができます。
また、レプトンも6種類あり電荷が0と−eのグループに分けられます。
こういったクォークとレプトンに共通した性質をまとめて以下のような表にします。
電荷 | 世代 | |||
1 | 2 | 3 | ||
クォーク | 2e/3 | u アップ | c チャーム | t トップ |
−e/3 | d ダウン | s ストレンジ | b ボトム | |
レプトン | 0 | νe | νμ | ντ |
−e | e 電子 | μ μ粒子 | τ τ粒子 |
世代というのは、クォーク、レプトンを質量順に並べたときに
質量別に1組2つで3組作ったものです。
力には以下の4種類あります。
力 | 強さ[N] | 影響範囲[m] | 交換 |
重力 | 10-40 | 無限大 | グラビトン(重力子) |
電磁気力 | 10-2 | 無限大 | フォトン(光子) |
強い力 | 100 | 10-15 | グルーオン |
弱い力 | 10-5 | 10-18 | ウィークボゾン(W±,Z0) |
重力は日常でも一般的な力です。
作用範囲は無限大で、遠い星にも影響を与えます。
また、方向性はなく3次限的に影響を与えます。
ただ、原子の世界では粒子の質量が余りにも小さいため重力の影響はほとんどありません。
F=Gm1 m2 r2
重力の式はいまのようになります。
電磁気力は日常にも影響を与える一方、原子の世界でも影響があります。
作用範囲や方向性は重力と同じです。
F=kq1 q2 r2
電磁気力の式も重力の式に非常に近いものです。
原子の世界では、重力と違ってq1,q2が大きいので大きな影響があります。
これは、核同士が接触するほど接近したときに働く力です。
2つのクォークがあるとき右図のようにバネでつないだような働きがあります。
力の方向は1次元です。また、クォークがある距離を超えると
バネが切れたようになり力が働かなくなります。
電磁気力は電荷のあるもの、強い力はクォークどうしに働くのですが
弱い力はすべてに働き、ニュートリノが唯一影響を受ける力です。
従って、ニュートリノが発生する素粒子反応では弱い力が影響しています。
弱い力の作用範囲は強い力よりさらに狭くなっています。
以上の力にはいずれも交換粒子(ゲージ粒子)があります。
これは2つの粒子の間を行き来することによって力を伝えていきます。
たとえば電磁気力の場合、光子が交換粒子として働くので伝搬速度は
光速以上にはなりません。
物理では、複雑なものも元は簡単なものだという考えがあります。
従って、究極の粒子、究極の力というものを追い求めてきました。
現在では4つの力というのも統一できるのではないかと研究されています。
すでに、電磁気力と弱い力は統一され「電弱力」といわれています。
この電磁気力と弱い力を統一した理論を「統一理論」といいます。
この統一理論に強い力を加えたものを「大統一理論」といいます。
大統一理論はまだ完全に実証されていないもののほぼ確実だといえます。
この大統一理論に重力を加えたものは「超ひも理論」
で説明できるのではないかをいわれていますがこのあたりは定かではありません。
以上の関係を下図にまとめました。
何もない真空中にエネルギー(γ線)を与えると電子と陽電子が現れます。
電子は、いわゆる普通の電子なのですが、
陽電子は電荷が+eで他はは質量,大きさ共に電子と同じです。
この性質は多くの粒子にもあるのですが、中性の粒子では、粒子と反粒子の区別が
つかないことがあります。
逆に、電子と陽電子どうしを衝突させると消滅してγ光子が2つ現れます。
電子が生成されると陽電子の生成されます。
これは、もともと真空中には負の電子が満たされていて電荷は0になっています。
そこにエネルギーを与えると一部の電子が正のエネルギーを得て
電子になります。そして電子が飛び出した後にはホール(穴)ができます。
これが陽電子です。これを「対生成」といいます。
反対に電子と陽電子が出会うと、電子は陽電子の穴に落ち込み
両方とも消滅します。その際にエネルギーが放出されます。
電子に限らず、すべての素粒子には反粒子というものが存在します。
反粒子の性質は、粒子と質量が同じなのですが
電荷が正反対になっているものです。
粒子と反粒子が出会ってしまうと消滅してエネルギーに代わります。
もしも、クォーク同士をつないでいるグルーオンを切断したとき
右図のように切断面には新たなクォークと反クォークが発生します。
片方はもとの状態と同じ形をしていますが、もう一方は
同じ種類のクォークと反クォークになっています。
このため、この粒子は消滅してエネルギーになります。
このように、グルーオンを切断するというのはできません。
素粒子の研究には、「加速器」というものを使います。
粒子を光に近い速度まで加速させ、衝突させます。
このときに、小ビッグバンが測定機内で起きます。
このときにでてきた粒子を測定するのです。
現在、これらの研究期間として、あのWWWを開発した cern(http://www.cern.ch/)などがあります。
都立大の物理科でも、その研究を行っています。