1,数式Soft |
2,LaTeX文法 |
一般のSoftは数式を得意としません。
分数や指数などは扱えるものもありますが、ちょっと指数が複雑になったり
積分 シグマ 行列式になってしまうとお手上げです。
現在、数式を扱える有名なSofttoいえば次のものがあります。
WordというのはMicrosoft社が発売しているワープロSoftです。
これには数式エディタというものが付属しています。
数式を書くのは簡単で、ツールボックスから希望する数学記号を選んで
配置し、所定の枠に数値を書くだけです。
数学記号を書くときはツールボックスから配置するだけなので
簡単ですが、少々面倒だともいえます。Sampleでは次のようになります。
LaTeXはTeXを改良したものです。
TeXはアメリカの数学者が自ら作り出したSoftです。
LaTeXで文章を作るときはLaTeXの文法どおりに作ります。
(これは、ホームページのHTML形式に似ています。)
\documentclass[b5paper]{jreport} \begin{document} \[ f(x)=\int_0^\pi \frac{\sin^2{\theta}}{T} d\theta \] \[ g(x)=\sum_{k=1}^n \frac{k^2}{2} \] \end{document}
この文章(*.tex)をコンパイルするとdviファイルができます。
これを専用のSoftで閲覧や印刷ができます。
(専用Softはvectorから入手可能です。)
はっきりいって、めんどくさいです。
しかし、数学用の専用フォントを作っているため出力は
非常に美しいものになっています。(開発者が数学者でもあるので・・・)
このLaTeXですが、日本では日本語の扱えるpLaTeXが一般的で
Softの販売店ではなく、本屋においてあります。
(私は、LaOX 1Fの書籍フロアで手に入れました。
値段は¥4000。本とみれば高いが、Softとみれば安い)
おまけに、いまSampleで表示した数学記号をHTML形式で実現すると
f(x)=∫0π Sin2θ dθ T g(x)=(1→n) k2 2
これは次のコードで実現されています。
f(x)=∫<sub>0</sub><sup>π</sup> <U>Sin<sup>2</sup>θ</U> dθ T g(x)=(1→n) <U>k</U><sup>2</sup> 2
このようにHTMLでは無理なところがあります。
では、WordとLaTeXを比較してみましょう。
Word | LaTeX | |
出力 | ||
価格(およそ) | 5000(AC)〜12000 | 4000(書籍) |
手軽さ | ○ | × |
打ち込みやすさ | × | ○ |
知名度 | ○ | △(学者には有名) |
対応OS | △ | ○ |
一概にどれがいいとは言えません。
LaTeXは初心者には難しいのですが、慣れるとWordよりうんと早く打ち込めます。
都立大では、多くの文章がLaTeXで作られています。
TeXの文法は、文章は普通に入力するだけです。
もし改行したいときは「\\」をつけるなど、操作はすべて「¥」で
行います。詳細はLaTeXの解説本を見てください。
LaTeXは通常は文章モードになっています。
数式を扱いたい場合は数式モードにします。
数式は$・・・$で挟んだ間を数式モードにする方法と
\[・・・\]の間を数式にするものがあります。
前者は文章中に数式を入れたい場合に用い、後者は数式のために
一行使う場合に用います。
ここではギリシャ記号を一覧にしています。
大文字にするときは「¥」の次の文字を大文字にするだけです。
α | \alpha | η | \eta | ν | \nu | τ | \tau |
β | \beta | θ | \theta | ξ | \xi | υ | \upsilon |
γ | \gamma | ι | \iota | ο | o | φ | \phi |
δ | \delta | κ | \kappa | π | \pi | χ | \chi |
ε | \varepsilon | λ | \lambda | ρ | \rho | Ψ | \psi |
ζ | \zeta | μ | \mu | σ | \sigma | ω | \omega |
指数 ab | a^b | 添字 ab | a_b |
分数 a/b | \frac{分子}{分母} | 積分 ∫ | \int_{下}^{上} |
シグマ | \sum_{下}^{上} | ルート√ | \sqrt{} |
∂ | \partial | ∀ | \forall |
∇ | \nabla | ∃ | \exists |
∞ | \infty | \hbar | |
× | \times | ÷ | \div |
≦ | \le | ≧ | \ge |
≪ | \ll | ≫ | \gg |
≡ | \equiv | ≠ | \neq |
± | \pm | - + | \mp |
・・・ | \ldots | ・・・(縦) | \vdots |
\(半角の空白) | 半角の空白 | \quad | 全角 |
\qquad | 全角の2倍 | \, | 全角の1/6 |
\> | 全角の2/9 | \; | 全角の5/18 |
\! | 全角の-1/6 (不のスペース) |
a^ | \hat{a} | a~ | \tilde{a} |
a・ | \dot{a} | a¨ | \ddot{a} |
a- | \bar{a} | a→ | \vec{a} |
通常、数学モードでかかれた英字はイタリック体になります。(変数を意味している)
しかし、数学関数はイタリックになりません。
sin | \sin{} | cos | \cos{} |
tan | \tan{} | arcsin | \arcsin{} |
arccos | \arccos{} | arctan | \arctan{} |
sinh | \sinh{} | cosh | \cosh{} |
tanh | \tanh{} | cot | \cot{} |
log | \log{} | ln | \ln{} |
exp | \exp{} | lim | \lim{} |
通常 | (なし) | big | Big | bigg | Bigg | 大 |