一般に、学部最終年次になると研究室に配属されます。
東京都立大学物理科では14の研究室があり、1つの研究室には
5人程度配置されます。この「研究室配置」というのは都立大では必修です。
この研究室で、卒論を書くということになります。
環境は研究室によってかなり変わってきます。
たとえば机を例にとると、実験系では1人1つの机が与えられるが
理論系では、3人で1つになってしまうといった具合です。
また広さも違い、ゆったりとした研究室があるかと思えば、
通行に苦労するといった研究室もあるほどです。
研究室の紹介は、3年次の秋頃から始まります。
この紹介は、授業の一環として行われました。
そして、3年次の1月ごろに希望調査を行います。
その後、人数が多かった研究室は人数を減らしたりします。
この選抜の方法は2通りに分かれ、1つにくじ引き、もうひとつが成績です。
成績での選抜は、研究室に必要な単位を取っているかということが重要です。
実験系の研究室に行く場合は、実験の単位を取っていることが重要です。
(実験の単位は、理論系でもきかれました)
このような選抜があって、人数はどの研究室でも大体一定になります。
そして、3月の終わりには研究室が確定します。
4年次(学部最終年次)になると、それぞれの研究室によって日程が違ってきます。
一般には、4月の第1週から2週あたりに初顔合わせがあって
部屋の模様替え、掃除、その他雑用があります。
4月の中旬あたりから本格的に勉強、研究ができるような環境になります。
このあたりに卒論のテーマが決定されます。
5月以降から、本格的に研究活動がスタートします。
3年秋 | 研究室紹介 |
3年1月 | 希望調査 |
3年2月 | 人数の調整 |
3年3月 | 研究室決定 |
4年4月 | 雑用など |
4年5月〜 | 研究活動開始 |
ほとんどの研究室では、「ゼミ」というものがあります。
ゼミは授業と違い、言ってみれば自分たちで授業を作り上げるようなものです。
3週間に1回程度発表するときがあるので、そのときはばっちりと
予習をしておく必要があります。これは、ゼミでは結構質問が多く(大体5回程度)
答えられるようにしておく必要があるからです。
ゼミは、週に2回程度あります。
研究室で研究してきたことは、最後「卒論」という形でまとめます。
卒論は学会に発表するような立派なものでなくてもよく
実験のレポートのようなものでも可です。
先輩の論文は図書館などに保管してあるので参考にするといいと思います。
卒論は英語で書くこともあるそうです。
4年次で最も重要なことは進路です。
就職する場合は、3年の2月ごろから資料請求のはがきを書き始め
4年の4月ごろはセミナーでもっとも忙しい時期です。
このころの「ゼミ」は、なかなか参加できませんが先生方も理解してくれるそうです。
5月ごろには、内定がもらえると思うので、それ以降は研究活動に
没頭することになります。
進学をする場合は、4月から(遅くともゴールデンウィークのころから)
受験勉強をします。進学することは、研究室の先生にアピールすることが大切です。
就職と進学は掛け持ちしないほうが賢明です。
これは、就職と進学は両方とも負担が大きく、どちらか一方に絞らないと
どっちもうまく行かないことが多いからです。