タイトル

微分・積分

タイトル

1,連続関数 連続性 積分の諸定理 Cauchy
2,1変数関数 無限小・無限大 単調増加・減少 不定積分
Leibniz 積分諸定理 ロピタルの定理 テイラー展開
3,多変数関数 テイラー展開 ヤコビー変換 ヘッセの公式
陰関数 Lagrangeの未定乗数法

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1,連続関数

連続性

●数列

数列anが収束するということは次のように定義します。

ε>0 N>0 n>N→|an−α|<ε

つまり任意のεによってあるNが決まり、Nより大きいnでanと α(極限値)の差はε以下である。

問題
an=(j=1→n)(1/2)j  が2に収束することを示せ

解答
an=2−(1/2)n   (等比数列なので)
εを任意の実数とすると|an−2|=|(1/2)n|<ε
n>−log2ε
よってN>−log2εで、n>Nのようにとれば|(1/2)n|<ε
なので2に収束する

●連続

f(x)がx=aで連続であることを次のように定義します。

ε>0 δ>0 |x−a|<δ→|f(x)-f(a)|<ε

●一様連続

先ほどの定義でaを任意の点(a∈M)で|x−a|<δなら、M上で一様連続となる。

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積分の諸定理

●中間値の定理

f(x)が区間 [a,b] で連続でf(a)=α f(b)=βなら、
α<γ<β(または逆向き)のγをf(c)=γで定義できるとき
a<c<b(または逆向き)となるcが存在する

●最大値最小値の定理

有界な閉区間で連続関数は最大値と最小値を持つ

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Cauchy

●Cauchy列

Cauchy列(基本列)は次のように定義されています。

nにおいて
ε>0 N>0  p,q>N について
|ap−aq|<ε

このようなCauchy列は収束します。

●Cauchyの判定法

f(x)においてlim(x→a)f(x)が存在するための必要十分条件は
ε>0 δ>0  0<|A−a|<δ 0<|B−a|<δ
|f(A)-f(B)|<ε

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2,1変数関数の微積分

無限小・無限大

lim(x→a)u=0のときにuをx→aのときの無限小といいます。
lim(x→a)v/u=0のとき、vはuより早く0になるので
vをuに対する行為の無限小といいます。記号を使うと

v=ο(u)

また、lim(x→a)v/uが存在すればvはuと同位の無限小で

v=Ο(u)

で表します。この記号はLandauの記号といいます。

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単調増加・減少

数列anがあり、
1<a2<a3<・・・ のときは狭義の単調増加といいます。
1≦a2≦a3≦・・・ のときは広義の単調増加といいます。

ほかにも広義の単調減少,狭義の単調減少

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不定積分

●原始関数

これは、G(x)を微分するとg(x)とおくとG(x)をg(x)の原始関数(不定積分) といいます。

●部分積分

∫f(x)=F(x)とする。
∫f(x)g(x)dx=F(x)g(x)−∫F(x)g′(x)dx

●Beta関数

B(p,q)=∫01p-1(1−x)q-1dx

●Gamma関数

Г(s)=∫0-xs-1dx

Г(s+1)=sГ(s)

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Leibniz

関数f,gがm回微分可能なとき、

(f,g)(m)=(r=0→m)mCr f(m-r)(r)

これは2項定理に似ている。

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積分諸定理

●ローレ(Rolle)の定理

連続した関数f(x)があり、

f(a)=f(b)ならば∃f′(c)=0 (a<c<b)

つまり、xがaとbでf(x)が同じ値を持つ場合、そのあいだに 平らなところがある。

※∀xは、「すべてのx」,「任意のx」という意味で、
∃xは「こうなるxもある」,「特定のxだけ」という意味。

●平均値の定理

これは、ローレの定理を少しだけ応用し、傾けただけです。

f(∃c)=f(b)−f(a)  (a<c<b)
        b − a

つまり「f(x)がC1級の時、「座標(a,f(a))と(b,f(b))を
直線で結んだときこれと同じ傾きがあるよ」ということです。

●Cauchyの平均値の定理

ようするに平均値の定理をf(x)とg(x)に使うとき、 いっぺんに計算しようとしたものです。

f(b)−f(a) = f′  (a<∃c<b)
g(b)−g(a)   g′

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ロピタルの定理

f(a) = g(a) = 0で
lim(x→a)f′(x) =b が存在すれば
     g′(x)
lim(x→a)f(x) =b が存在する
     g(x)

これは、f(a)=g(a)=(無限大)でも成立する。

問題
lim log(cosx)  を求めよ
x→0   x     

解答
x=0でlog(cosx)=0 , x=0なので

lim log(cosx)=−sinx=−tanx=0
x→0   x        cosx

よってロピタルの定理より
lim log(cosx)=0
x→0   x

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Cm級

例えばC1級という関数があったら、その関数は最低1回まで微分できる
ということを表します。C∞級は無限に微分が可能であることを表します。

●C2級

C2級の関数を微分するとき最初にxで微分してからyで微分するのと、
最初にyで微分してからxで微分するのは同じになります。式にすると、

∂  ∂f = ∂  ∂f
∂y ∂x   ∂x ∂y

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テイラー展開

Cm級の関数はすべて次のように近似できます。
f(x)はx=aの近傍において

f(x)=f(a)+f′(a)(x-a)+ ・・・・ (a)(0)(x-a)n
         1!            n!

これをテイラー展開といいます。
特に、a=0のときをMaclaurin展開といい、

f(x)=f(0)+f′(0)f″(0)+ ・・・・ (n)(0)
         1!   2!         n!
問題
f(x)=ex をTaylor展開せよ

解答
f(0)=1  f′(0)=1  f(n)(0)=1  よって
f(x)=1++・・・(n)・・・
     1!    n!
  =(k=0→∞)k
        k!

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3,多変数関数の微積分

テイラー展開

f(a,b)=(k=0→∞) /a∂ +b∂ k f(0,0)
             k!\ ∂x  ∂y/
問題
f(x,y)=sin(x+y) を原点のまわりで展開せよ

解答
f(0,0)=0  f′(0,0)=x+y  f″(0,0)=0
f(n)(0,0)=(x+y)2n+1

f(x,y)=sin(x+y)=(k=0→∞)(−1)n(x+y)2n+1
                (2n+1)!

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ヤコビー変換

(u,v)座標→(x,y)座標に変換するとき x=x(u,v) y=y(u,v) という変換なので

J=∂(x,y)=|∂x ∂x|
  ∂(u,v) |∂u ∂v|
       |∂Y ∂Y|
       |∂u ∂v|

∬f(x,y)dxdy = ∬f(x(u,v),y(u,v)|J|dudv

Jを「ヤコビアン」, 行列式を「ヤコビ行列式」といいます。
最後の式のように(x,y)座標上の面積分を
(u,v)座標上の面積分に置き換えられました。

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ヘッセの公式

高等学校では増減表を書いて極大極小を求めたが、これが3次元に拡大されると
増減表は使えない。空間上で極大・極小を求めるためには次の式を使う。

1,∂f(x,y) = ∂f(x,y) = 0
  ∂ x     ∂ y

2,A=∂  ∂f B=∂  ∂f 
    ∂x ∂x   ∂y ∂x
  C=∂  ∂f
    ∂y ∂y     H=AC−B2  とおいて

  ・H>0,A>0→f(x,y)で極小値
  ・H>0,A<0→f(x,y)で極大値
  ・H<0    →f(x,y)は極値ではない
  ・H=0    →これだけではわからない
問題
f(x,y)=x2+xy+y2−4x−2y+5
の極大値,極小値を求めよ

解答
fx=2x+y−4=0  fy=x+2y−2=0
これよりx=2 y=0
fxx=2  fxy=fyx=1  fyy=2
H=3>0,A>0 よって(2,0)は極小値

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陰関数

F(x,y)=4x−2y+1=0でyについて解くとy=f(x)=2x+1/2
になっている。このときy=f(x)をF(x,y)によって定められる陰関数といいます。
そして、次のような関係があります。

f′(x)=−x
       Fy
問題
F(x,y)=x3−3xy+y3=0
このとき、y=f(x)の極値を求めよ

解答
Fx=3x2−3y
Fy=−3x+3y2

f′(x)=−Fx= 2−y
       Fy  x−y2

f′(x)=0 かつ F(x,y)=x3−3xy+y3=0 のとき
(x,y)=(21/3,41/3

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Lagrangeの未定乗数法

g(x,y)=0 を満たす(x,y)で
f(x,y)の極値を求めるとき

F(x,y,λ)=f(x,y)−λg(x,y) とおき

Fx=Fy=Fλ=0 を満たす(x,y)で極値を持つ。
問題
g(x,y)=x3+y3−3xy=0 を満たすとき
z=f(x,y)=x2+y2 の極値を求めよ

解答
F=f−λg とおく
Fx=2x−λ(3x2−3y)=0 −−@
Fy=2y−λ(3y2−3x)=0 −−A
Fλ=x3+y3−3xy=0    −−B

@とAより、(x−y)(x+y+xy)=0
Tx=yのとき
 Bは2x3−3x2=0
 (x,y)=(0,0),(3/2,3/2)
Ux+y=−xyのとき
 Bは(x+y)(x2−xy+y2+3)=0
 2番目の因数は0にはならないのでx+y=0=xy
 (x,y)=(0,0)
f(0,0)=0  で極小値
f(3/2,3/2)=9/2で極大値

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