1,複素数 | ガウス平面 恒等式 有理化 |
2,ベクトル | 内積 位置ベクトル |
数学には複素数というものがあります。
複素数は実数や虚数を含めたものです。そして、虚数単位iを
i2=−1
とします。
問題1 (2+3i)(3−2i) を計算せよ 解答1 6−4i+9i±+6 = 12+5i 問題2 x3−1=0 を複素数の範囲で解け 解答2 x3−1=(x−1)(x2+x+1)=0 1番目の数数からx=1 2番目の因数からx=−1±√(−3) 2 =−1±i√3 2 よってx=1,−1±i√3 2
複素数a+biに対してa−biを「共役な複素数」といいます。
座標で、x成分を実数、y成分を虚数にしたものを「ガウス平面」といいます。
実数をRe、虚数をImを略することもあります。
いま、ガウス平面に1+2iという点を黄色でとりました。
これを原点の周りに90度回転させるにはiをかければよく、
−2+iになります。
虚数と実数はそれぞれ独立して計算します。 これは恒等式ににています。
問題 3x+(2x−3y)i=6+i からx,yを求めよ 解答 実数部分と虚数部分に分けて計算すると 実数:3x=6 虚数:2x−3y=1 よって、x=2,y=1
平方根のときと同様に分数の分母には虚数が存在しないようにしなければなりません。
分母が、純虚数の場合と複素数一般の場合とでは変わってきます。
a+bi = (a+bi)i =b−ai ci −c c a+bi = (a+bi)(c−di) = (ac+bd)+(bc−ad)i c+di (c+di)(c−di) c2+d2
今までの数(スカラー)というのは大きさだけを表してきました。
ベクトルというのはこれに方向を加えたものです。
たとえば、「南大沢駅から500m」というのはスカラーの表現、
「南大沢駅から北に500m」というのがベクトル的な表現です。
ベクトルは以下のように矢印で表します。
→ a
ベクトルには以下のような性質があります。
→ → h(ka) = k(ha) → → → (h+k)a = ha + ka → → → → h(a+b)=ha+hb
ベクトルの成分は2個、3個と自由に決めることができます。
平面座標上では2個扱うことになります。以下の例を示します。
→ a = (2,3)
問題 → → a=(1,−2) b=(−1,−3) のとき → → 3a−2b を求めよ 解答 3(1,−2)−2(−1,−3) =(5,0)
このように、ベクトルは座標のような振る舞いをします。
2次元座標上ではすべてのベクトルは1次独立なベクトルa,bを使って
表すことができます。
1次独立なベクトルは2つあり、それぞれが0ベクトルでなく
お互いに平行でもないベクトルのことです。
問題 → → a=(1,2) b=(1,−1) のとき → → (5,4)をベクトルa,bを使って表せ。 解答 (5,4)=h(1,2) + k(1,−1)とすると 5= h + k 4=2h − k これよりh=3 k=2
→ → a・b
とかいて、これを「内積」といいます。 内積は次のような関係があります。
→ → → → a・b = |a||b|cosθ
ここで、θはベクトルaとbのなす角度のことです。
また、a,bの成分が
→ a=(a1,a2) → b=(b1,b2)
とわかっている場合、次のようにない積が求まります。
→ → a・b =a1b1+a2b2
以下、ベクトルの→は省略します。
問題1 a=(1,√3) b=(−√3,−1) のなす角度を求めよ 解答1 a・b = −√3−√3 = −2√3 |a|=2 |b|=2 cosθ= a・b =−2√3=−√3 |a||b| 4 2 θ=150 問題2 |a|=3 b=|2| θ=60° のとき |a−b|を求めよ 解答2 |a−b|2=a2−2a・b+b2 =9−2(3・2・cos60°)+4 =7 |a−b|=√7
平面に任意の点Aがあるとき、位置ベクトルを使って位置を表すことができます。
たとえばAの座標が(2,3)のとき、ベクトルOA=(2,3)といった具合です。
ただし、Oは原点(0,0)のことです。ベクトルは
→ AB
で点Aから点Bへのベクトルになります。
これを任意の点Cを使って
→ → → AB = CB−CA
と、書き直すことができます。