LAN

1,LAN
2,準備
3,設定
4,トラブルシューティング

このページでは、少しLANについての知識がある方向けに
より詳しいLANについての情報を提供します。


1,LAN

●LANについて

”LAN”というものをご存知でしょうか?
LANはLocal Area Networkの略で、狭い地域のネットワークのことを指しています。
反対に、インターネットなどはWAN(Wide Area Network)と呼ばれています。
最近では、LANも定着しつつあります。
さらに、家庭内でもLANを導入する方が増えています。

このLANというものは、複数のコンピュータを持っている方なら是非導入しましょう。
理由として次のようなことがあげられます。

  1. ファイルのやり取りが簡単
  2. リソースを共有できる
  3. コミュニケーションが簡単にできる

コンピュータが複数ある場合、ファイルをFDにcopyして相手に渡すというのでは
非常に面倒です。この点、LANではファイルのやり取りが簡単にできます。
特に、OSにWindows95、98、NTを使っている方なら非常に容易です。
また、Printerやモデム、スキャナなどを複数のコンピュータで共有することも簡単です。
LANでは、電子メールなどのコミュニケーションも簡単にとることができます。
(ただし、家庭内で使う方には不要ですが・・・)

●接続方法

接続は基本的に、Hubを介してストレートケーブルを使ってそれぞれのコンピュータを
接続します。ただし2台しかつながないときはHubを使わずに
クロスケーブルを使って接続することもできます。

ところで、ネットワークには次のようにさまざまなものがあります。

種類 速度 ケーブル 備考
10 Base-T 10Mbps カテゴリー3以上 最も一般的な方法
10 Base-2 10Mbps 同軸ケーブル 接続は難しい
10 Base-5 10Mbps 同軸ケーブル 10Base-2の同軸ケーブルが太いもの
100 Base-TX 100Mbps カテゴリー5必須 最近こちらに置き換わりつつあります
1000Base-T 1000Mbps カテゴリー5必須 00年頃から登場した高速伝送
100 VG AnyLAN 100Mbps カテゴリー3以上 登場が出遅れたので、普及していない。

このうち、10 Base-2、10 Base-5は終端処理、トランシーバの設置など
接続は難しい上に、対応しているLAN機器が少ないので避けましょう。

現在最も普及しているのは10 Base-Tです。これは、1秒間に1MByteの
転送能力があります。ただし、ネットワークが混雑してくると
「データの衝突」というものが起きて、転送レートが低下します。
最近では、このスピードを10倍にした100 Base-TXに置き換わりつつありますが
Hubが高価なのでなかなか個人では手を出せません。

100 VG AnyLANについては100Mbpsですが、「データの衝突」が起きなく
電波の放出が避けられるメリットがあります。
(100 Base TXでは、62.5MHzあたりに高調波が出ます)

●Hubかダイアルアップルーターか

Hubとダイアルアップルータの違いは、TAがついているかどうかです。
複数のマシーンでインターネットに接続することがあるときは
迷わずダイアルアップルーターを購入しましょう。
これをつかうと、複数のマシーンで同時にインターネットに接続できたり
ファイアーウォールという安全な機能を果たすことができます。
インターネットへの接続も早く、3秒で接続できます。
(アナログモデムでは30秒、TAでも10秒かかります)

インターネットに同時に接続しない場合や、LANを安く済ませたい方は
Hubを購入しましょう。最近では、4ポートで4000円の物も出回っています。

ルータ   Hub
50000円 価  格 4000円
インターネットへの同時接続 不可

また、ポート数が多ければ多いほど高価になります。

●10Mbpsか100Mbps

一般的に、10Mbpsで十分だといわれています。
ただし、大規模ネットワークを組む場合や、転送量が多い場合は100Mbpsになります。
価格差ですが、デスクトップ用のLANカードでは、1万円以下で100Mbps対応のものが
購入できます。PCMCIAカードでは、10Mbpsで1万円、100Mbpsで2万円かかります。
また、Hubは、ポート数によって違うのですが、10Mbpsの8ポートで8000円
100Mbpsの8ポートで10万円と、100Mbpsのものはかなり高価になります。
(ただし、2台のマシーンをクロスケーブルで接続する場合はHubは必要ありません。)

10Mbpsの転送速度は、MOの読み取り程度の速度で、100Mbpsでは
高性能ハードディスク並みの速度です。
もし、CD-ROM(6倍速以上)、ハードディスク、MOなどの性能を
十分に発揮したいときは100Mbpsということになります。

  10Base T 100 Base TX
転送速度(規格上) 1MB/s 10MB/s
実質転送レート 0.9MB/s 1.3〜2.5MB/s
価格 ボード:5000円
PCMCIA:10000円
Hub:4000〜8000円
ボード:7000円
PCMCIA:20000円
Hub:40000円
妨害電波 6.25MHz
1m以内のAMラジオに影響
62.5MHz
TV,Radioに影響
電力 両者ともほぼ同じ
ケーブル 3以上(普通は5を使用)

 

実際の転送速度

転送速度は、10Base-T環境で、700KB/s程度が出ています。
これは、システムモニターで確認できます。(Windows 95の場合)
また、100Base-TXでは、私の環境では1.2MB/sしか出ませんでした。
(Oh! PCでは、2.5MB/sまで出るそうですが、今回はPC98を使用したため?)

 

●インターネットにアクセスする場合

インターネットにダイアルアップアクセスする場合は
IPアドレスはプロバイダーから与えられます。
このアドレスとLANのアドレスがかち合ってしまう・・・という心配はありません。
先ほどのIPアドレスはLANカードに設定したもので、
TCP/IPを使ったものには「ダイアルアップ」という項目があったはずです。
(インターネットをやっている場合)
したがって、LANをやりながらインターネットをすることもできます。

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2,準備

用意するものは次のとおりです。

ボード パソコンの台数分必要です。
ケーブル Hub−パソコン間のケーブルです。
「ストレート」のカテゴリー5を購入しましょう
Hub 使用するパソコン以上のポートを持ったものを購入します。
ダイアルアップルーターも検討しましょう

ただし、2台のパソコンをクロスケーブルで接続する場合は
Hubは不要で、クロスケーブルを使用します。

●私の場合

私の場合は、ノートとデスクトップをクロスケーブルで接続することにしました。
デスクトップにはLANカードが内蔵されているので
クロスケーブルとノート用の10BaseTカードを購入することにしました。

ケーブルはLAOXのネットワーク館で特価760円の10mを、
カードもそこでELECOMのを7300円で購入しました。
ちなみに、100Mbpsの安いカードは15800円でした。

●私の場合2

その後、自作パソコンを作ることになったので、自作パソコン用のLANボードを
購入しました。LANボードの価格はFlipFlapで、LiteOnの100Mbpsのものを
2980円で購入しました。

通常、3台以上のパソコンを使用する場合はHubを用いるのですが
100Mbpsの転送レートのものはまだまだ高価で、3台同時に
使うことはあまりないので、今までどうりクロスケーブルを用いることにしました。
(必要によってつなぎ変える手間がかかります。)

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3,設定

LANの設定は、それぞれのコンピュータごとに必要です。
設定は大きく分けて2段階あります。
1つは、LANカードをコンピュータに認識させるという、いわば
ハードウェアに関するものです。
もうひとつが、ネットワークに関するもので、これはソフト的といえます。

●ハードウェアの設定

この設定については、各ボードのマニュアルに詳細が載っています。
一般に、デスクトップやノートの場合は次のようになります。(PnPの場合)

●ネットワークの設定−現在のネットワーク構成

次にネットワークの設定をします。
「コントロールパネル」から「ネットワーク」を選択してください。
すると、次のような画面が現れます。

ネットワーク

LANの導入がはじめての方は、「TCP/IP」というプロトコルを追加します。
このプロトコルは「プロトコル」→「Microsoft」で見つかります。
また、OSがWindowsでリソースなどの共有を行う場合は、「NetBEUI」も
追加する必要があります。

通常は、TCP/IPとNetBEUIで十分ですが、必要によっては「IPX/SPX」も
導入しましょう。

次に、「Microsoftネットワーククライアント」も同様にインストールします。

●ネットワークの設定−優先的にログインする

次に、下の項目の「優先的にログインする」の設定を「Windowsログオン」
から「Microsoft ネットワーククライアント」に変更します。

●ネットワークの設定−ファイルとプリンターの共有

3番目に、下の項目の「ファイルとプリンターの共有」で、
ファイルとプリンターを共有するかどうかを設定します。
通常は、ファイル,プリンター両方とも共有にします。

●ユーザー情報

Microsoftネットワークサービスでは、それぞれのコンピュータは
「ネットワーク全体」→「ワークグループ」→「コンピュータ」
の順で見つかります。
そのワークグループとコンピューター名を入力します。
これは、英数字にします。また、「コンピューター名」が
競合しないようにしましょう。

●TCP/IPの設定

続いてTCP/IPの設定に入ります。
先ほどの画面でTCP/IPを選択して「プロパティ」を開きます。

IPアドレス

ここで、IPアドレスを指定を選びます。
IPアドレスでLANで勝手に使用できるのは、192.168.X.Xなどです。
(Xには、0〜255までの数値が入ります)
ただし、192.168.0.0がルータ、192.168.255.255がネットワーク全体を示したりと
いろいろあるので、ここでは、192.168.1.2から192.168.1.3・・・と
することにします。
そのほかは基本的にいじらなくてもLANはできます。

●設定の確認

コンピュータのIPアドレス、サブネットマスク、ホスト名など
ネットワーク設定の確認をするには次のようにします。

  1. 「ファイル名を指定して実行」を選ぶ
  2. winipcfg と入力して実行してください。

すると次のような画面が現れ、設定が確認できます。
(なお、実際の数値はセキュリティーの関係から非公開にしています。)

winipcfgの実行結果

「詳細」をClickすることで、LANカードのMACアドレス、DHCP、
ゲートウェイまで確認することができます。

●共有の設定

共有するフォルダーを右Clickすると「共有」という項目があり
そこで、「読取専用」「フルアクセス」が選択できます。
また、パスワードの設定もできます。
プリンターについても共有することができます。

●LANの実行

ここまでくれば、LANは完成です。
デスクトップにある「ネットワークコンピュータ」をClickすると
同じワークグループ内にあるコンピュータが一覧できます。

後は、エクスプローラの要領でファイルの受け渡しができます。

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4,トラブルシューティング

ここまで順番にやっていても、時としてLANが正常に機能しないことがあります。
その場合は、次の3つを確認してください。

Linkランプの点灯

LANのトラブル解明で、Linkランプは重要です。
Linkランプが転倒していない場合、ハード的な問題でネットがつながっていないことになります。
原因として、LANカード、LANケーブルの不良、転送速度の不一致などがあります。
ランプが点灯している場合は、ハード的な問題はありません。

winipcfg

つぎは、winipcfgを実行してください。Ethernetの項目があるでしょうか。
ない場合は、セットアップ時の問題です。もう一度セットアップをやり直してください。
ある場合は、設定項目を確認してください。

ping

MS-DOSのコマンド画面で、「ping」を自分自身のアドレスに対して実行してください。
これが正常に実行できれば、自分のパソコンのLANは正常です。
問題は、相手のパソコンか、パソコン間の問題、相性などが考えられます。

 

以上3つが基本的な確認点です。
このほかのコツや注意点を紹介します。

転送速度

100Mbpsと10Mbpsが混在している環境では、時として転送速度が影響していることがあります。
LANカードの転送速度がAutoになっていても、実際にはうまく働かないこともあります。
この場合は、もったいないですが転送速度をすべて10Mbpsにすると安定することがあります。

再起動

LANの設定を変更した場合、自分のパソコンだけではなく相手のパソコンも
再起動するとうまく認識することが多くありました。
スタンバイから復帰した場合、LANカードがスリープモードに対応していないと
正常に機能しないことが多いです。
この場合、面倒でも再起動を心がけましょう。

LANカードのハード的問題

LANカードの設定が間違っているためにうまく認識しないことがあります。
たとえば、IRQの設定です。
チップセットにVIAのMVP3を使用している場合は、IRQルーティングドライバを
入れないと正常に機能しないというのは有名です。

CD-ROMでの注意点

最近はCD-Rが普及しており、FDに入っていたドライバをCD-Rに焼くということを
よくやっているのではないでしょうか。
しかし、CD-ROMからコピーしたファイルは読みとり専用属性がついているので
よからぬ悪さをしていることがあります。
ドライバを入れる場合は、HDDにコピーした後、読みとり専用属性をはずしてから
インストールしましょう。

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