タイトル

ヘールボップ彗星

タイトル

1,現在の位置 明け方と夕方の空の様子
2,概要 彗星の概要
3,軌道予測 彗星の位置と光度
4,観測結果 観測したときの様子 写真
5,写真の撮り方 彗星の写真の撮り方

1,現在の位置

現在では、地球上から彗星を見ることができません。
彗星は地球公転面に対し、南側にいます。
次回見られるのは、2400年後になります。

2,概要

ヘールボップ彗星は、現在アンドロメダ座のそばにあり光度は−1等級台です。
地球に最接近するのは97/3/22 21:02で−1.7等星でした。
4月には夕方の北西の空に一つだけ明るい星があります。
それがヘールボップ彗星です。
恒星は一点がばっちりきらめいているのですが
彗星は多少ぼんやりとしています。
尾の観測は東京の空では困難です。(人によっては見える)

このころの日没は18:10、天文薄明は19:50です。彗星は22:10頃です。
あまりに低い彗星は観測できないのでBestの観測時間は19時〜20時です。
21までが観測の限界でしょう。
また、朝方の観測は困難です。

彗星は双眼鏡で見ると尾が東京でも見えます。
彗星の尾はイオンテイルとダストテイルがあるのですが
東京ではダストテイルしか見えません。
田舎だと、目が慣れてくればイオンテイルも見えます。
ダストテイルは赤っぽく、イオンテイルは青っぽく見えます。

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3,軌道予測

97/5/1 04h42m +25°42′ −0.5 おうし
97/5/11 05h11m +19°55′ 0.1
97/5/21 05h31m +15°18′ 0.6 オリオン

4,観測結果

●97/3/5(水)の未明

明け方の4:30に東の空を見ていると、夏の星座がありました。
すると、ヘールボップ彗星が恒星のように明るく輝いていました。
(最初、白鳥座のデネブと間違えてしまった。)
観測機器を整備して、5:00頃から赤道儀を用いて50mm,300mmレンズで
30秒から60秒ぐらい撮影しました。(光害フィルター装備)

以下がそのときの写真です。

全体(38KB)

彗星

97/3/5 東京の自宅
F2.0 30s 50mm Fuji G400

彗星頭部(42KB)

彗星頭部

97/3/5 東京の自宅
F4.5 60s 300mm Fuji G400

彗星頭部(43KB)

彗星頭部

97/3/5 東京の自宅
F5.6 60s 300mm Fuji G400

全体(40KB)

全体

97/3/5 東京の自宅
F1.8 15s 50mm Fuji G400

●97/3/11(火)の未明

彗星の位置

97/3/11(Tue) 未明の空の様子(4:00)

明け方の4:00に東の方の空を見ると3/5と比べ彗星の位置が変わっていました。
だいたい20度くらい北側の空の低いところに移動していました。
彗星の明るさは兵空ということもあって暗く1等星のようになっていました。
今回もCCDカメラの準備ができていなかったのでそのときの映像は
公開できませんが、近日中(3月下旬)に写真が公開できます。
そのときに今回の映像も載せる予定です。

彗星(38KB)

彗星

97/3/11 東京の自宅
F1.8 15s 50mm Fuji G400

●97/3/30(日)の夕方

夕方の19時には彗星が北西の空にぽつんとありました。
−1等星といわれるほど明るくはないのですが、
周りに明るい恒星がないためか目立っていました。
高度は30度で北極星と同じくらいでした。

ここでは50mm固定撮影と300mmガイド撮影をしました。

50mm固定撮影では地上の風景と融合させてみました。
300mmガイド撮影はF5.6で60s露光しました。

また、F8の120s、F11の240s、F16の480sで
撮影しました。理論上は同じ様になるはずですが
相反則不規でうまく光害を回避できるか実験しました。
結果は以下の通りです。

風景の中の彗星(35KB)

風景の中の彗星

97/3/30 東京の自宅
F2.0 15s 50mm Fuji G400

全体(41KB)

全体

97/3/30 東京の自宅
F16 480s 300mm Fuji G400

全体(40KB)

全体

97/3/30 東京の自宅
F8 120s 50mm Fuji G400

これから、相反則不規の効果は現れていないことがわかりました。
むしろ、短時間で撮影したほうが尾がはっきりとしている気もします。
フィルム上の映像を肉眼でも確認したのですが、差はほぼありませんでした。
(短時間で撮影したのは多少尾がはっきりしています。)
このことから、やはり都心での天体観測は無理だということがいえるかもしれません。
CCDなら可?かもしれません。

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5,写真の撮り方

現在、彗星は明け方の空にあります。明るさは0等級台なので
見つけるのに苦労はありません。彗星は上ってから薄明が始まるまで
あまり時間がないので手際よく撮影する必要があります。

撮影するのに最も適した方法は、1,固定撮影 2,ガイド撮影です。
1は機動性に富んでいて撮影も楽です。
これでも写真を撮ると尾がかすかに写っています。
これは、初心者や都会に住んでいる方におすすめです。
2は準備に結構時間がかかります。また、空が暗くなっていないと意味がありません。
よって、これは上級者向けです。写真にはばっちり尾が写ります。

1の場合、露出時間は50mmレンズでF1.8 15sec ぐらいが適しています。

2の場合、レンズが300mmレンズなら F5 30〜60secが適しています。
空が暗ければもっと長時間露光するといいと思います。

写真の取り方で詳しいページは天体写真(24KB)

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