タイトル

観測機材

タイトル

1,初級 視力 星座早見版 書籍
2,中級 双眼鏡 屈折望遠鏡 架台
3,上級 反射望遠鏡 モータードライブ Computer エンコーダ

このコーナーの名称を「天体観測」から「観測機材」に変えました。


1,初級

ここでは、肉眼による観測について紹介します。

視力

星を見るためには目でものがはっきり見える必要があります。
視力が1.0では、星が見えますが、0.5では星がぼやけたようになります。
0.1以下では、1等星ですら見えません。
また、夜空は暗いので瞳孔が開きます。瞳孔が開くということは、
カメラでいうと絞りを開いた状態になります。
その結果、ピンぼけが発生しやすくなります。
つまり、日常生活では目がよく見えていても、暗闇では視力が落ちるのです。
星を見るためには眼鏡やコンタクトレンズをつけて視力を1.0以上に
することをおすすめします。

眼鏡は気軽につけはずしができ目に優しいのですが、度数が高くできないという
欠点があります。(物理的にはできるのですが、目が疲れる)

コンタクトレンズはレンズを落としたりなくしたり高価だったりするのですが
視力を1.0以上にでき目を(なれてくれば)疲れさせません。
なにより、ものがはっきり見えるという感動があります。
(世界が違って見えるかもしれません)


星座早見版

星空で星座を見つけたりするには星座早見版を用いることをおすすめします。
なれてくると星座早見版を見なくてもわかるかもしれませんが
初めのうちは必要です。

星座早見版

これが星座早見版です。月日の板を希望する時間にあわせれば
その時間の星空がでます。
後は、自分のところの方位を確かめて空を見上げてください。
星座早見版と同じ星空が実際にあります。

星座早見版は大きな書店などで数百円で売っています。


書籍

これは、「〜年版」のように毎年発売されているものをおすすめします。
具体的な例として「天文年鑑」があります。これは1000円以内で
購入できますが、難しいです。初心者は最初の「今月の空」あたりを
見ておくだけでいいと思います。
なぜ、このようなものを購入する必要があるのかというと
惑星や月,彗星があるためです。

よく、空を見上げると早見版に載っていないのに明るい星があります。
たいていは惑星です。
この惑星の動きはつかんでおく必要があります。
(詳細は今宵の空(30KB)のページをご覧ください)

また、彗星は通常明るいものがないので普段は気をつけなくていいです。
しかし97年は違います。あのヘールボップ彗星が非常に明るいので
その彗星の位置もつかんでおく必要があります。
(詳細はヘールボップ彗星(39KB)のページをご覧ください)

月は結構やっかいです。
月がでていると星が見にくくなってしまいます。
いまは、どのような状態になっているのかをつかんでください。
(天文年鑑に月齢が載っています。また、巻末にも一覧があります。)

天文年鑑の詳細は以下の通りです。

本のイメージ

本 名 天文年鑑1997年版
出版社 誠文堂新光社
発行日 1996/11/25
価 格 定価820円(本体796円 税24円)

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2,中級

双眼鏡

双眼鏡があると、天体観測の範囲はかなり広くなります。
双眼鏡の特徴として視野が広く、明るいということがあります。
このため、今話題のヘールボップ彗星には適しています。
また、オリオン座大星雲などの星雲の観測にも適しています。
天体観測を初めてやる方にはおすすめです。
屈折望遠鏡を購入するより、双眼鏡の方がおすすめです。

双眼鏡は持ち運びも楽で、天体以外にも使えます。
しかも、両目を使えるので観測が楽です。
欠点として、惑星観測には向きません(表面がみれないので)

●購入するとき

天体観測の世界では、性能は口径で決まるといっても過言ではありません。
大きければ大きいほどいいです。(そのぶん高価で重くなるが・・・)
そのため、オペラグラスやスポーツグラスなどは向いていません。
やはり、いわゆる「双眼鏡」を購入することを勧めます。
口径は30mm以上あるのがいいです。

30mmだと重さは500gで軽く、価格も15000円程度で安いです。
下手な天体望遠鏡を買うより応用範囲も広くおすすめです。
また、倍率は8倍程度です。

50mmだと重さは1kg近くあるので多少重いです。
価格は20000円程度で僕だったらこちらを買います。
なぜならば、集光力は口径の2乗に比例するため
30mmとくらべ、2.8倍も明るいのです。
また、倍率はいろいろなものがあるもですが
10倍程度のものがおすすめです。
20倍になってしまうと暗くなってしまい、さらに手ぶれを起こしやすくなり疲れます。

さらに、反射防止剤がコーティングしてあれば申し分ありません。


屈折望遠鏡

先程述べたように、屈折望遠鏡は双眼鏡には及びません。
しかし、惑星に観測や重星の観測には適しています。
また、天体望遠鏡としては扱いやすいです。(少々ぶつけても大丈夫)
口径が80mm程度あると、木星の表面の模様が見えたりします。
土星の輪ははっきり見えます。
倍率は40倍から130倍程度までできます。
星雲や彗星も低倍率にすれば見えます。

●購入するとき

口径は大きければ大きいほどいいです。

従って、2,3万で買えるような安物の天体望遠鏡は買わない方がいいです。
それだったら双眼鏡をおすすめします。

やはり、口径は最低60mm以上をおすすめします。
焦点距離は1000mmを越えないものをおすすめします。
また、架台も重要なポイントです。

●メーカについて

望遠鏡は「Vixen」「高橋」「MIZAR」「Kenko」などがあります。

この中でも特徴的なのが「高橋」です。
「高橋」は他メーカとくらべ、2倍近い値段なのですが性能がよく
手作りのため人気があります。

「Vixen」は一般向けという気がしますがいいものをだしています。

ちなみに私は「MIZAR」の屈折と「Vixen」の反射をもっています。
両メーカとも架台がしっかりしていてあまり揺れません。


架台

架台とは、鏡頭を載せる台のことです。
これには2種類あります。それは「経緯台」と「赤道儀」です。

「経緯台」は水平と垂直の軸があります。
初心者には扱いやすく、簡単に目的の天体を導入できます。
ただし、星は日周運動をするので2軸を動かす必要があります。

「赤道儀」は赤経と赤緯の軸があります。
これは、初心者には難しいのですが、
天体の動きにあわせてモータードライブができます。
以下に両架台の特徴をまとめます。

経緯台  −  赤道儀
操作しやすさ
屈折望遠鏡
× 反射望遠鏡
機動性 ×
日周運動の追尾 ◎(赤経軸を回すだけ)
不可 モータードライブ 可(装置をつけられる)
ベランダからの観測 △(鏡頭が低くなりやすい)
安定性 △(複雑なため)
× 計器導入(星を見ないで導入) ◎(赤経 赤緯で導入可)

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3,上級

反射望遠鏡

天体望遠鏡を使って本格的に観測するとなると反射望遠鏡が適しています。
これは彗星や星雲の観測から重星,惑星の観測まで適しています。
焦点距離は短く、700〜800mmが多いです。
そのため明るい望遠鏡が多くF値は5程度です。
しかし、扱いにくくある程度知識を持っている必要があります。

反射望遠鏡には、シュミットカセグレンというものがあります。
前述の望遠鏡がニュートン式といわれ、区別されています。

シュミットカセグレンは口径が大きいのですが、焦点距離も長いという性質があります。
焦点距離は2000mm程度でF値も10と、反射と比べて暗いです。
しかし、レデューサーというものをつければ焦点距離を
60%程度にすることができます。
反対にエクステンダーを使えば焦点距離を2倍程度にできます。
価格は1万円程度です。

●購入するとき

これも口径が大きいほどいいです。
反射望遠鏡は、最低でも130mmは必要です。
星雲や彗星をしっかりと本格的に見たいときは、約15万円の出費を
覚悟して150mm反射望遠鏡を購入するか、約20万円の出費で
200mmシュミットカセグレンを購入することを勧めます。

ニュートンタイプでは150mm程度が適しています。
これだけあれば、肉眼の460倍の集光力、限界等級12.7等級です。
惑星は、木星の大赤斑、土星の白斑,カシニの隙間、火星の大チルシス,極冠
まで見ることができます。星団も粒粒が見えます。
星雲も、もやが宇宙空間に広がっているのがわかります。

シュミットカセグレンは手軽な200mm程度が適しています。
大きいのは280mm,350mmというものありますが高価です。
シュミットカセグレンの特徴は焦点距離が長いということと
補正レンズがあるということです。
通常、反射鏡にはコマ収差というにじみのようなものが発生します。
ところが、シュミットカセグレンは前面に補正レンズがあり
コマ収差が起きません。さらに、これが蓋のような役割を果たし
ゴミが内部に進入しません。さらに持ち運びに便利だという特徴があります。
焦点距離が長いため多少暗いのですがレデューサーを使えば
ニュートン式並に明るくすることができます。


モータードライブ

赤道儀を購入するからには是非しておきたいことがあります。
それはモータードライブを導入することです。
惑星など高倍率で観測しているときには手でハンドルと回すと
ぎこちない動きになり振動したりします。
それをなくすためにはモータードライブを導入します。
モータードライブには1軸制御のものと2軸制御のものがあります。
1軸制御は赤経のみ、2軸制御は赤経と赤緯です。
これはどちらでもかまいません。2軸制御だと、赤緯軸のハンドルを
回さずにすべて手元のコントローラで動かせます。


Computer

望遠鏡をcomputerが自動導入してくれるものがあり便利です。
観測者はcomputerにみたい天体を設定します。
後は導入はcomputerが自動的にやってくれます。

但し目的の天体の近くの基準星を導入しそこから移動した方が
時間が短くいいようです。
また、現在望遠鏡がどこを向いているのかということも知らせてくれます。
そのほかにも機能があることがあります。
例えば、Vixenだと、757個の天体のDATAや
惑星の位置、PEC機能、彗星追尾、恒星時という機能があります。

但し、正しく動かすためには正確に天の北極に導入する必要があります。
また電流がおおく2Aもくいます。そのため長時間バッテリー駆動ができません。


エンコーダ

これはVixenについてなのですが、電流の多いcomputerを使わず
手動で天体を導入しようというものです。
赤経、赤緯にエンコーダをつけて回転角をComputerに伝えます。
Computerはそこから現在望遠鏡の向いている位置を伝え、
目的の星はどちらだということを伝えます。
Vixenの赤道儀でGP(グレートポラリス)シリーズのみに使うことができます。
恒星が2.5等級以上(285個)、惑星、M天体、NGC(375個)など
約800の天体のデータがあります。
GPシリーズを購入した方は是非検討してください。
価格はComputerが32000円、エンコーダがセットで19800円です。

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