1,ダイオード |
2,LED |
3,トランジスタ |
4,FET |
いよいよ、半導体部品です。
半導体は、条件によって、導体になったり絶縁体になったりします。
ダイオードでは一方向に電流を流すと導体ですが、逆方向に流すと
絶縁体という性質を持っています。
電子回路では、次のように表記します。
このとき、電流は左から右へと矢印の方向に流れます。
また、左側を「アノード」、右側を「カノード」と呼びます。
写真のダイオードは、回路図と同じ方向に並べています。
部品の右側に帯が入っていますが、これはカノードを示しています。
ダイオードの種類には、ゲルマニウムダイオードとシリコンダイオードがあります。
電流を順方向に流したとき、ダイオードで「電圧降下」がおきてしまいますが、
その大きさによって、次のように使い分けをしています。
電圧降下 | 最大電流 | 用途 | |
ゲルマニウムダイオード | 0.4V | 数〜数十mA | 無線回路の検波など |
シリコンダイオード | 0.6V | 数A | 電流の整流など |
【注意点】
ダイオードに流せる最大電流に注意してください。
また、逆方向に電圧をかけた場合の最大電圧にも
注意する必要がありますが、通常は数十Vの耐性があるので
あまり問題にならないでしょう。
ツェナーダイオードの性質は、ダイオードとよく似ています。
上図のように、回路図もダイオードによく似ています。
順方向に電流を流すと、電圧降下も起こします。
しかし、決定的に違うのは逆方向に電圧をかけたときです。
ダイオードでは、逆方向にいくら電圧をかけても電流が流れないのに対し
ツェナーダイオードでは、ある一定の電圧をかけると急に電流が流れ出します。
ある電圧で急に流れ出す性質を利用して、基準電圧に使われることがあります。
写真のツェナーダイオードはRD−11という型版なので、11Vを越えると
急に電流が流れ出します。そこで、このツェナーダイオードと適当な抵抗を
直列につないで11V以上の電源に接続すると、ツェナーダイオード両端には
11Vの基準電圧が発生しています。
LEDは、ダイオードの一種です。
ダイオードと異なるのは、順方向に電流を流した場合の電圧降下が
2Vであることと、発光することです。
LEDには、大きさで直径3mm、5mmのものが一般的です。
色は、赤、橙、黄、緑という一般的なものに加え、青という
ものも加わっています。
大きさ | 3mm、5mmなど | |
色 | 赤、橙、黄、緑、青 | 青は高価です。 |
着色 | 無色 or 有色 | 無色のLEDや、発光する色に対応した 着色がされているものがあります。 |
透明 | 透過 or 拡散 | LEDが透けているものと濁っているものがあります。 透過型のものはLEDの中の1点が明るく発光。 拡散型のはLED全体が発光。 |
LEDには、可視光以外に赤外線を発光できるものもあります。
これは、主にリモコンなどに使われます。
また、LEDを組み合わせて数字などを表示できるようにした部品もあります。
【注意点】
LEDに直接電源をつながないでください。(電流が流れすぎる)
LEDにかけられる電圧は1.7〜2.0V程度です。
そのため、実際の回路では直列に抵抗をつないで電流を制限します。
LEDに1mA〜20mA程度流れるような抵抗値にしてください。
トランジスタは、電流の増幅を行う部品です。
トランジスタのタイプには、PNP型とNPN型があります。
上は、NPN型のものを示しています。写真の上から順に
B:ベース
C:コレクタ
E:エミッタ
の順になっています。それでは、トランジスタの動作原理について説明します。
このトランジスタに下図のようにCに+、Eに−をつなげます。
この状態では、コレクタに流れる電流Icは0です。
そこで、今度は、ベースからエミッターへ弱い電流(IB)を流してみましょう。
すると、その何十倍もの電流Icが流れるはずです。
これがトランジスタの増幅作用というものです。
ここまでの説明では、NPN型の説明をしてきました。このタイプのトランジスタは
エミッタをGNDに接続するタイプでしたが、PNP型のものはVccに
接続します。
PNP型のトランジスタは、電流の流れ込みではなく
流れ出しによって制御を行います。
【種類】
市販されているトランジスタには4つの種類があります。
2SA xxxx | PNP 高周波用 |
2SB xxxx | PNP 低周波用 |
2SC xxxx | NPN 高周波用 |
2SD xxxx | NPN 低周波用 |
【注意点】
トランジスタで消費する電力が定格を越えないようにしてください。
トランジスタに似た部品としてFETがあります。
トランジスタは電流に対して増幅を行っていましたが、
FETでは電圧に対して増幅を行います。
そのため、入力抵抗が非常に高いという特徴があります。
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