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| 1,磁性 | ボーア磁子 スピン磁気モーメント 帯磁率 核磁気共鳴 強磁性体 |
| 2,バンド理論 | Blochの定理 有効質量 Brillouin域 |
| 3,半導体 | 導体・絶縁体 固有半導体 不純物半導体 電子分布 Hall効果 |
| 4,超伝導 | 格子欠陥 超伝導 超流動 |
物質を磁場の中に入れると磁化します。
これは、誘電体を電場の中に入れると分極するのに似ていますが
磁化の場合は磁場と反対向きになることがあります。(これを反磁性といいます。)
また、磁場と同じ方向に磁化されるものを常磁性といいます。
電子が原子の周りをまわっていることを考えます。
この電子の角運動量はh単位になります。
また、電子が円運動をしているので磁場が発生します。
このとき、角運動量が量子化されているため磁場も量子化されます。
その基本的な単位は

となります。これから実際の角運動量は
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となります。lは磁気の量子数で0,1,2・・などの整数が入ります。
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電子自身も自転によって磁気を生じます。
従って、実際の磁気は軌道磁気モーメントとスピン磁気モーメントの
ベクトル的な和になります。実際の磁気モーメントは
μ=−2μBhs
です。先ほどの式と比べると2という係数がかかっています。
ここで、式を一般化するためにg因子というものを導入します。
g因子は角運動量の種類によって以下のように変化します。
| 種類 | g因子の値 |
| 軌道角運動量 | 1 |
| スピン角運動量 | 2 |
| 全角運動量 | スピンと軌道によって変わる |
そうすることで磁気モーメントは
μ=−gμBhj
できまります。(jは量子数)
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外部の磁場によって、物体の内部で磁化が生じます。
この割合は帯磁率χで表せることは、「電磁気学2(21KB)」で学びました。
χ>0の時を「常磁性体」、χ<0の時を「反磁性体」といいます。
たいていの物質は閉核構造をとるのでχ=0になります。
古典的に帯磁率を解くと
<μz>= 1 − 1 μB tanh(a) a
このようになります。
この関数を「Langevinの式」といいます。
しかし実際には量子的な効果があり
ある方向の成分はとびとびの値しか
とれないという特徴があります。
このような量子的な効果を取り入れると
<μz>=tanh(a) μB
右図は、古典的なものと量子論的なもののグラフを示したものです。
金属の場合は、χpで表すことができPauliの常磁性といいます。
また、伝導電子を持つので、弱いLandauの反磁性があります。
これをLandauの反磁性χdで表します。
さらに、イオンによるものをχionとすると実際の帯磁率は
χ=χp+χd+χion
になります。
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不対電子を1個もつ分子に磁場をかけると
±μBH
だけエネルギーが変化します。ここに外部から
hν=2μBH
だけの電磁波エネルギーを与えてやると、電子は共鳴し
下から上のエネルギー状態に移動します。
これを「電子スピン共鳴」(ESR)といいます。
問題 電子の共鳴する周波数を求めよ ただし、外部磁場は5000ガウスとする 解答 ν=2μBH h =14GHz
また、陽子も磁気スピンを持ちます。
μp=1.41×10-23
これは、電子の場合と比べると桁違いに小さな値です。
問題 陽子の共鳴する周波数を求めよ ただし、外部磁場は104ガウスとする 解答 ν=2μpH h =42.6MHz
陽子の場合、核磁気共鳴(NMR)といいます。
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常磁性体は磁場Hをかけると、それに比例して
磁荷Mを持ちます。(右図の紫色の直線)
それに対して強磁性体は赤+緑色の曲線のような変化をします。
最初、強磁性体には磁場がかかっていません。
そこに磁場をかけると急激に磁荷を持ちます。
やがて磁荷が飽和します。
ここで、磁場を取り去っても磁荷が残った状態になります。 (自発磁化)
これが強磁性体の特徴で、HD,FDの磁気面や Videoテープに使われます。
この強磁性体は温度を上昇させて、キュリー点Tc以上にすると ただの常磁性体になってしまいます。 磁石を熱すると磁荷がなくなってしまうのはこのためです。
磁荷がなくなる理由として、低温では磁気スピンが同じ方向を向いて エネルギーを得しようとします。このときは強磁性体になります。 しかし、高温では磁気スピン同士は同じ方向を向いてエネルギーを 得する必要がなくなります。このときは常磁性体になるわけです。
結晶内の原子は等間隔に並んでいます。 このときの原子間距離をaとすると
Ψk(x)=eikxuk(x)
のようになります。(uはポテンシャル)
uk(x)=uk(x+a)
という周期関数になります。 このことをBlochの定理といいます。
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結晶中では電子は波動性を示します。
そのため、屈折率nの結晶中ではλが変化します。
この影響によって電子の質量が重くなったような振る舞いを示します。
この「重い」電子の質量を m*で表して「有効質量」といいます。
電子の波数をk、エネルギーをEとすると
右図のような関係が成り立ちます。
エネルギーとkの関係は

なので放物線上になります。(図中上のピンク)
しかし、k=+−π/aでは波は定在波になってしまい
進行しません。ここで群速度vは

で表せ、v=0なのでエネルギーの傾きは0である必要があります。
この効果によって実際には図中の赤線のように振る舞います。
ところで、波数kは2π/aの周期があるので
右図下のように移動できます。(上図右上を下図左中央・・のように)
このEgができる現象を原子モデルで考えて見ましょう。
通常は電子の波長と格子間隔は無関係です。
しかし、k=+−π/aでは電子の波長と格子間隔が一致するため
右図のように2通りの場合が考えられます。
一方は原子の近傍に電子が存在する場合(上図)です。
この場合は電子のエネルギーは低くてすみます。
もう一方は原子間に存在する場合(下図)でエネルギーは
高くなります。これらのエネルギー差がEgです。
この曲線同士の隙間をエネルギーギャップEgで表し
エネルギーが存在し得る場所をバンドといいます。
2次元のBrillouin域は右のようになります。
前図で放物線の底になっていた部分は
水色になっています。(第1Brillouin域)
次に原点に近い領域は第2Brillouin域とよばれ
黄色、次が第3rillouin域で紫・・となっています。
いずれも2π/aごとに縦横にずらすことで中央の
第1Brillouin域に集められます。(面積は変わらない)
導体は先程のBrillouin領域に電子が満たされていません。
このため、電場ができると電子がシフトして、電子の分布に
偏りができます。これが電気の通る理由です。
それに対して絶縁体は、どのバンドも電子が満たされているか空です。
電子が空のところではもちろん電子は通りません。
電子が満たされているところに電場をかけると電子がシフトします。
しかし、このバンドは満たされているので電子の偏りはできません。
(つまり、左右の電子の数は同数です。)
このため電流は流れません。
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半導体の電気的性質は、絶縁体と導体の中間的性質を持っています。
しかし、温度などの変化によって導体になったり絶縁体になったりします。
この理由は右図で説明できます。
絶縁体というのはバインド内には電子が満たされているか、空の状態になっています。
図では充満帯に電子が満たされ、伝導帯には電子がありません。
導体は伝導帯に電子が存在し、完全には満たされていないので伝導性を示します。
半導体は絶縁体に似た電子配置をしています。
しかし禁止帯の幅(エネルギーギャップEg)が非常に小さく、常温でも
電子が伝導帯に励起し、伝導性を示します。
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Si,Geなど単体の半導体は「真性半導体」といいます。
しかし、これに3価あるいは5価の不純物を少量入れると変わった性質を示します。
SiやGeは4価の原子なのでそこに5価の原子(P元素など)を入れると電子が4つだけ
結合できない状態になります。この電子は原子に電気的な弱い束縛を受けます。
このような電子は簡単に伝導帯に励起して電気伝導性を示します。
これを先程の図で説明すると、初期の状態では左上のようにかなり伝導帯に近いところにあります。
そこにちょっとしたエネルギーは加わると右上のように電子が伝導帯に励起して
ホールが残ります。このような電子を放出する半導体をN型半導体といいます。
反対に3価の原子を不純物として入れた場合、左下のようになっていて
エネルギーが与えられると充満体から電子が励起して、充満体にホールができます。
このような電子を吸収する半導体をP型半導体といいます。
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電子は以下のFermi分布に従います。

真性半導体では、EFは禁止帯のほぼ中央にあります。
しかし、禁止帯には電子は存在しないので、この部分は考えません。
考察するのは、伝導帯にわずかにある分布(電子の分布)と、
充満帯にあるほとんど1に近い分布(ホールの分布)です。
n型半導体では、EFは禁止帯の上側、伝導帯に近いあたりにあります。
そこでは、電子が多く存在し、ホールはほとんどありません。
p型半導体では、EFは禁止帯の下側、充満に近いあたりにあります。
そこでは、ホールが多く存在し、電子はほとんどありません。
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半導体に右図のような磁場がかかっているものとします。
ここに電流を流すと、ローレンツ力ために電場が生じます。
これが「Hall効果」です。
このHall効果を利用することによって、磁場の強さを
測定することができます。
結晶中内部の原子配列を考えてみます。
通常は、一様に原子が配列していることが想像できます。
しかし、格子欠陥も存在します。
格子欠陥は大概はつぎの2つに分けることができます。
ある原子が突然となりの原子間に入り込んで
移動していく・・というのがFrenkel欠陥です。
このとき、あいた格子点を「空格子点」
飛んでいった原子を「格子間原子」といいます。
ほとんどの場合、隣に移動してもすぐ元の位置に戻ります。
右図の青い部分が結晶面とします。 ここに原子が飛び上がると結晶内に欠陥ができます。 このようにしてできる欠陥を Schottky欠陥といいます。
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超伝導状態になると次の特徴的な現象が起きます。
温度を下げていき、臨界温度TCを下回ると
電気抵抗がほとんど0になります。
この「ほとんど」というのは
完全に0になることが証明されたのではなく
測定できる範囲内で0であることを示しています。
電気抵抗がほとんど0なので電流を一回流すと永久
(おそらく10の10100乗年以上)に流れ続けます。
臨界温度は超伝導(12KB)で説明した物質では90[K]
最近の高温超伝導物質では、150[K]程度です。
超伝導状態になるためには、温度を臨界温度以下に下げることも必要ですが
他にも、磁場を臨界磁場以下にする必要があります。
臨界磁場は、温度の上昇とともに小さくなってしまい、
Tcでは0になってしまいます。
T=0での臨界磁場もさほど大きなものではありません。 (Tiで100gauss、Hgで411gauss程度)
しかし、ある種の合金は105gauss以上でも
耐えられます。このような超伝導物質を「硬超伝導体」といいます。
通常の超伝導体(以降、第1種超伝導体)に磁場をかけると
臨界磁場を越えた時点で表面で磁力線の圧力に
耐えられなくなって一気に崩壊します。
しかし、硬超伝導体(以降、第2種超伝導体)に
磁場をかけると臨界磁場前に内部に
じわじわと磁力線が侵入します。
そして、臨界磁場を越えてある磁場に
達したときに完全に破れます。
「超電導磁石」と呼ばれるのは第2種超伝導体のことです。
通常の常伝導体での電流の流れは右図上のようになります。
電場がかかると電子がシフトします。
そしてEgに達した電子は2π/aだけ散乱されます。
(図中の青い線)このようにして電流は減衰されていきます。
しかし、超伝導体では、運動量とエネルギーの関係が左右対称になりません。
(右下図参照)もし、左右対称だと、絶縁体になってしまうからです。
ここに電場がかかると電子は先程のように散乱されます。
しかし、左右非対称であるために青線のように散乱されると
禁止帯にぶつかってしまうのでこのような散乱はあり得ません。
そこでピンク色線のように散乱されます。
散乱元の電子の数と散乱先の電子の数の比は
熱平衡状態によって決まっています。
そのため、一度このような状態になると右上のような状態に
戻れません。これが永久電流の正体です。
※超伝導の詳細については物性ゼミ5をご覧ください。
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Heの液層には2種類の状態があります。
1つはHeTという通常の液体ヘリウムと
HeUという超流動状態のヘリウムです。
超流動状態になると、通常は表面張力のため通れない
細い穴も通ることができたり
容器の側面をはい上がるという現象が起きます。